異国の祖国
異国に祖国の面影の風が吹き 祖国がはるかなる異国と感じられる時 ぼくたちの心に矛盾は花開き 新たなる旅立ちの日を知る かつて訪れたこともない異国で 胸の中に広がる懐かしき思い 故郷のすぐそばに…
異国に祖国の面影の風が吹き 祖国がはるかなる異国と感じられる時 ぼくたちの心に矛盾は花開き 新たなる旅立ちの日を知る かつて訪れたこともない異国で 胸の中に広がる懐かしき思い 故郷のすぐそばに…
誰も旅したことのない国なんてない 誰も眺めたことのない風景なんてない 誰も語ったことのない言葉なんてない 誰も思いついたことのない考えなんてない それでもぼくたちは思い上がり 自らの旅は特別な…
ぼくがバリ島に生まれていたなら ヒンドゥーの神々に慣れ親しみ ぼくがスペインに生まれていたなら 日曜日に美しい教会を訪ねただろう ぼくがブータンに生まれていたなら 天空の中の輪廻転生を心より信…
鏡であるのに姿が見えない わたしは異国に立ちすくむ 砕かれた鏡に映し出されるのは 見まごうことなき真理の岸辺 わたしがわたしであろうとして 多くの人を傷つけた わたしがあなたになろうとして 見…
炎の中に手を入れる少年のように たとえ肉体を滅ぼされても 世界へと対峙するPassionを持ちたい ぼくたちはまだ おそれを知らずにいる 恐ろしいものも 危ないものも 美しいものも 尊いものも…
俗世にあっては真理の光が 霞み見えにくくなるというのなら わたしは人の世を離れよう おそれを知らぬ獣のように 滞り立ち止まる淀みが この精神を支配するというのなら わたしは激流を創り出そう 傷…
旅立ちの日の心を 人はすぐ忘れてしまう 旅立ちの日の光を つかもうとして逃してしまう どこにでもあふれていたものを 手放しながら命は進む いつにでも触れられたものを 通り抜けて先を急ぐ 時は濁…
美しき清らかな祖国において 異国の穢れを取り祓え わたしがずっと憧れていた異国は 紛れもないわたしの穢れだった 限りなく壮大な山脈も怪しい 透き通り光り輝く水たちも疑わしい わたしはいつもさが…
もしも旅することがゆるされなければ わたしは愛に打ち砕かれた藻屑となって 愛そのものを恨むことで 生き延びることを覚えただろう もしも旅することがゆるされなければ 沈まぬ太陽に永久に焼かれ 自…
おそれを脱ぎ捨て 天空へとつながれ ぼくたちが植え付けられたものたちは ぼくたちを祝福しはしない 他人により植えつけられたものたち どうしようもなかった襲来を憂うまい 自分により植えつけたもの…