テオティワカンに隠された神秘の古代神殿「ケツァルコアトルのピラミッド」は太陽と月のピラミッドからめちゃ遠かった

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テオティワカンの一番神秘的なピラミッドはめちゃくちゃ遠かった!!!!!

テオティワカンに隠された神秘の古代神殿「ケツァルコアトルのピラミッド」は太陽と月のピラミッドからめちゃ遠かった

・ミズイロノタビのメキシコ国内の旅路
・ローカルバスでメキシコシティからテオティワカンへ行く方法
・テオティワカンの入場料は安くてありがたい
・テオティワカンとは何か?
・太陽のピラミッド
・死者の道
・月のピラミッド
・ケツァルパパロトルの宮殿
・ジャガーの壁画
・テオティワカン敷地内の考古学博物館
・テオティワカンに隠された神秘の神殿「ケツァルコアトルのピラミッド」

・ミズイロノタビのメキシコ国内の旅路

ミズイロノタビの中南米を巡る旅の第1ヶ国目は、中米のメキシコだった。メキシコではオアハカの死者の日を体験した後、首都のメキシコシティ、美しい街並みで有名な世界遺産のグアナファト、ピラミッド巡りの拠点となるメリダ、世界的に有名なリゾート地であるカンクンに滞在した。メキシコの旅路を表でまとめると以下の通りだった。

訪れた都市(時系列順) 次の街への移動手段 経由地
カンクン 飛行機(LCCのVolaris)
オアハカ 長距離バス(AU)
メキシコシティ 長距離バス(ETN)
グアナファト 長距離バス(ETN)飛行機(LCCのViva Aerobus)+長距離バス(ADO) メキシコシティ、カンクン
メリダ 長距離バス(ADO)
カンクン

 

 

・ローカルバスでメキシコシティからテオティワカンへ行く方法

オアハカの「死者の日」を満喫して次に訪れた首都のメキシコシティでは、3泊4日で国立人類学博物館とテオティワカンを訪れる計画を立てた。まずは国立人類学博物館で古代メキシコの摩訶不思議で神秘的な世界観を存分に堪能し、翌日にメキシコシティ近郊の有名なピラミッドであるメキシコシティを目指した。

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メキシコシティからテオティワカンまではローカルバスで安く簡単に行くことができる。まずはメキシコシティの北バスターミナル(Autobuses del Norte)へと向かおう。地下鉄でも行けるがぼくが泊まっていたメキシコシティの宿Hostal Amigoからは乗り換えの接続が悪すぎたため、Uberで北バスターミナルまで移動した。Uberの料金は100ペソ(800円くらい)、所要時間は15分だった。

 

北バスターミナルはかなり広大だったが、入って左へ左へ進んでいくと「AUTOBUSES TEOTIHUACAN」というわかりやすい名前のカウンターが!TEOTIHUACANはこれから行くテオティワカンのこと、AUTOBUSとはスペイン語でバスのことだ。ここで往復バスチケットを購入。合計で150ペソだった。

 

8番出口(Sala 8)から出て、6番乗り場(Anden 6)でバスを待つ。テオティワカンはかなり有名な観光地なのでバスは15分ごとに頻繁に出ている。所要時間1時間ほどでテオティワカンへと辿り着いた。

 

・テオティワカンの入場料は安くてありがたい

テオティワカンの入場料は100ペソ(800円くらい)。ひとつ前に行ったオアハカの遺跡のモンテ・アルバンも100ペソだったのでそんなものだろうと全く気にも留めなかったが、後にカンクン周辺の遺跡の入場料として普通に600ペソ(5000円くらい)とか取られた経験を踏まえると、メキシコ中央部の遺跡の料金って何て格安だったのだろうと今になってとてもありがたく思う。逆にカンクン周辺の遺跡はボッタクリすぎ!

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・テオティワカンとは何か?

テオティワカンとは紀元前2世紀に建造されたメキシコ最大の宗教都市国家。テオティワカン族という人々によって巨大なピラミッドが建設されたが、彼らがどこから来たのか、なぜ8世紀には滅亡したのか、そしてどこへ行ってしまったのかは謎に包まれている。テオティワカンは350年から650年にかけて繁栄の頂点に達し、20万人以上の人口がいたと推測されている。

 

・太陽のピラミッド

入り口から入ってまず最初に目の前に堂々と聳え立つのはテオティワカン内で最大、世界でも3番目に大きな「太陽のピラミッド」。紀元前から建築が開始された「太陽のピラミッド」は一辺の長さ225m、高さ65mとかなり巨大で、何と内部にはもうひとつのピラミッドが隠されているのだという。テオティワカンが滅びて放置されていたピラミッドを見て、後からやって来たアステカ人たちがこれこそ神が建てたものに違いないと信じ、アステカ神話を繁栄させて「太陽のピラミッド」「月のピラミッド」と名付けた。以前は「太陽のピラミッド」の248段ある階段を頂上まで登れたらしいが、残念ながら2025年現在は進入禁止となっていた。

 

・死者の道

「太陽のピラミッド」の前に横たわる大通りは「死者の道」と呼ばれている。16世紀のナワ族がこの道路に沿って建てられたテオティワカンの廃墟を埋葬塚だと誤って考えたことが、この名称の語源となっている。「死者の道」には大勢のお土産売りが並んでおり、ピラミッドの置物やメキシコ定番の動物の声が出る笛などがいくつも売られている。

 

・月のピラミッド

 

「太陽のピラミッド」から向かって左に「死者の道」を進んでいくと、目の前には「月のピラミッド」が聳え立っている。「月のピラミッド」はテオティワカンで2番目に大きなピラミッドで高さ42m、底辺の長さ150m×130m。「月のピラミッド」の前の広場は規模がかなり大きく、大きな宗教儀式は「月のピラミッド」を中心に行なっていたと推測されるので、「太陽のピラミッド」よりも小さいが実は「太陽のピラミッド」よりも重要度が高かったと言われている。

 

 

「月のピラミッド」はしっかりと登ることができたので嬉しかった。「月のピラミッド」の上から眺めるとテオティワカンの壮大さがよくわかって感動的だった。

 

「月のピラミッド」の上からの眺めのYouTube動画はこちら!

 

・ケツァルパパロトルの宮殿

テオティワカンで最も完全に再現された建造物のひとつが「ケツァルパパロトルの宮殿」。中庭の列柱に刻まれた美しい鳥のようなレリーフが印象的。このレリーフは美しい尾羽を持つケツァルとパパロトル(蝶)が合体した神話上の動物「ケツァルパパロトル」と考えられていることが、この宮殿の名前の由来。

 

・ジャガーの壁画

テオティワカンには色鮮やかなジャガーの壁画が残っている。ジャガーは古代メキシコでは最強の動物として、統治力や支配権を誇示するために描かれたという。昨日訪れた国立人類学博物館でも生贄の臓器を入れるジャガーの巨大像があったり、ジャガーの脚のお皿があったり、ジャガーと人間が融合した不思議な像があったりして、いかに古代メキシコにおいてジャガーが重要であったかを思い知らされた。

 

 

・テオティワカン敷地内の考古学博物館

 

モンテ・アルバンと同じようにテオティワカンでも敷地内に考古学博物館があって無料で入ることができた。「太陽のピラミッド」に向かって右側にある道を、ピラミッドに沿って歩いていくと辿り着くことができる。入場の際にはテオティワカンの入場チケットを見せる必要があるので、失くしてしまわないように要注意。昨日充実しすぎていて感動的だったメキシコシティの国立人類学博物館を訪れてしまった後なのでやや見劣りしたが、それでもテオティワカン単独の文化についてしっかりと向き合える時間を持つことができてよかったと感じる。

 

ティオティワカンの火の神「ウェウェテオトル」1

ティオティワカンの火の神「ウェウェテオトル」2

タイ寺院の鬼神

 

ぼくが気に入ったのは「ウェウェテオトル」という火の神の像だった。お爺さんがあぐらをかいて何かに押しつぶされているような独特な表現は、タイ寺院の鬼神を彷彿とさせる。

 

蛇の像や羽根のある蛇(=ケツァルコアトル、龍)の像が随所で見られ、古代メキシコの人々が今のアジアの人々と同じように蛇や龍を水神、雨神として祀っていたことが伺えて、感性や文化の繋がりを感じた。やっぱり古代メキシコの人々はアジアなどから歩いてこんな遥か遠くのアメリカの地まで渡って来たのだろうか。

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・テオティワカンに隠された神秘の神殿「ケツァルコアトルのピラミッド」

 

この「ケツァルコアトルのピラミッド」が、ぼくがテオティワカンで最も感動した素晴らしい場所だった。「太陽のピラミッド」や「月のピラミッド」が入口からすぐ見える場所に堂々と聳え立っているのに比べて、テオティワカンで3番目に大きな「ケツァルコアトルのピラミッド」は敷地内のマジで遠く離れた場所に隠されたように存在しているので見逃さないように注意が必要だ。「ケツァルコアトルのピラミッド」への行き方は、「死の道」を「月のピラミッド」とは逆方向にただひたすらに歩いていくだけなので迷うこともないのだが、20分くらい歩くしとにかく遠い上に途中に何もないし、本当に自分は正確な道を進むことができているのかと不安になる。しかしそんな不安を振り払って自分を信じて歩いていくと、左側に「ケツァルコアトルのピラミッド」へと通じる通路が見えてくる。

 

 

まずは普通のピラミッドのようなものが見えて来て、まぁ普通だな、これまでの「太陽のピラミッド」や「月のピラミッド」とどうせ同じようなものだなとやや落胆しつつも、せっかくわざわざここまで来たのだからと目の前にあるピラミッドの階段を登って行くと、何とその後ろにはまるで隠されたように下りの階段が続いていていた。この先には一体何があるのだろうと階段を下っていくと、古代の神秘的で荘厳な世界が目の前に繰り広げられていた!

 

ケツァルコアトル像とトラロック像

 

すごーい!昨日の国立人類学博物館で見た展示の本物はこれだったのか!「ケツァルコアトルのピラミッド」には2つの顔が交互に取り付けられていて龍のように見えるのはケツァルコアトル、その隣にあるロボットのような顔はトラロックという神様だ。ケツァルコアトルの原型は水や農耕の蛇神だったが、テオティワカン文明期(紀元前2世紀〜6,7世紀)には羽が生えた龍のような架空の姿となり生命、光、豊穣、文明、知識の神など様々な役割が付け加えられた。トラロックは雨と雷の神様だということから、2つの根源的な意味合いは似通っているといると言うことができる。

 

 

「ケツァルコアトルのピラミッド」は距離が近いのに壮大で、全体の写真を撮るのが難しかった!全体像を撮影したYouTube動画はこちら!

 

ケツァルコアトルやトラロックの顔像の下には、まるで蛇のような龍のような彫刻が横たわっており、これもおそらくケツァルコアトル的な性格を持つ神様(もしくは同一)だろうと予測できる。

こんなにも美しくて神秘的な古代神殿がピラミッドの裏に隠されているなんて全く思いもよらなかったので、本当に古代の世界に精神が埋没してしまったような感覚に陥ってしばらく動き出すことができないほどに感動した。これまでの「太陽のピラミッド」や「月のピラミッド」は壮大だったものの緻密な彫刻や模様などは特に見られなかったが、「ケツァルコアトルのピラミッド」へ来て初めてぼくの好きな古代芸術に触れられた思いがして、わざわざここまで歩いて来て本当によかったと感じた。ぼくは旅をする中でも、なかなか人に見つからないような秘境の風景や秘境温泉に出会うと感動してしまうが、ここ「ケツァルコアトルのピラミッド」はまさに、テオティワカンで一番素晴らしいのに一番人に見つからないように隠されている、知る人ぞ知る秘密のスポットだと感じた。

(まぁ実は有名なのかもしれないけれど、少なくともぼくはこの先には何もないだろうと「死の道」の途中で諦めて引き返す人が多い気がする、ぼくも何度も帰りそうになったので)

 

 

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