与那国馬に闘牛にカジキマグロ!Dr.コトー診療所のロケ地・沖縄県与那国島で独自の文化を学んできた

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日本最西端の与那国島には不思議な風景がいっぱい!!!!!

与那国馬に闘牛にカジキマグロ!Dr.コトー診療所のロケ地・沖縄県与那国島で独自の文化を学んできた

・ドラマ「Dr.コトー診療所」のロケ地、与那国島で医者をすることになった!
・ぼくの与那国診療所での仕事は「地域医療」
・与那国島に伝わる闘牛
・カジキマグロ祭と与那国の不思議な海底遺跡
・小さくて可愛い与那国島固有の与那国馬
・与那国島に伝わる神秘的な機織り
・クバの葉を活用して島の生活に潤いを与える
・巨大な綱の大縄引き祭!
・日本民族が葦舟によって日本列島に流れ着いたというのは本当か?

・ドラマ「Dr.コトー診療所」のロケ地、与那国島で医者をすることになった!

ぼくはドラマの内容が好きだったというよりも、最後に流れる中島みゆきの名曲「銀の龍の背に乗って」が聴きたかったので、ドラマ「Dr.コトー診療所」を毎回見ていた。大自然に囲まれた離島の中で、外からやって来たひとりのお医者さんが地域の人々との交流の中で離島医療を頑張るという物語だった。

テレビ画面から流れてくるドラマのロケ地である日本最西端、沖縄県の絶海の孤島・与那国島の大自然の風景には圧倒され、毎回感動もしたが、不思議なことにあんな場所に行きたいという気持ちには特別ならなかった。どうせ簡単に行くこともできないような遠い場所だとドラマを見ていた当時は感じていたのだろう。

そんなぼくがまさか医者となって、ドラマのロケ地である与那国診療所に1ヶ月働きに出かけるなんて、運命というものは実に面白い導きを人生にもたらすものだと感じられた。

Dr.コトー診療所は本当にあった!ドラマのロケ地の日本最西端の孤島・与那国島へ行ってきた

 

・ぼくの与那国診療所での仕事は「地域医療」

ぼくが与那国診療所を訪れたのは医者として働き始めの“初期研修”という期間内の「地域医療」というプログラム内でのことだったので、与那国診療所で医師としての手伝いももちろんしたが、それとは別に診療所外での、与那国の人々や独特な文化に触れ合う機会を得ることも大切な仕事のひとつだった。

 

 

・与那国島に伝わる闘牛

与那国島に到着した次の日から、与那国島の独特な文化に触れる機会に恵まれた。なんとここ与那国島では闘牛が行われるというのだ!闘牛ってスペインじゃないの?!日本で闘牛なんかやっている場所があるなんて!と意外だったが、ここは日本最西端の絶海の孤島なので、不思議なこともしばしば起こるのだろう。

果たして本当に闘牛大会は開催されており、珍しいからこの機会にと診療所のみんなで見学に行くことができた。人生初の大迫力の闘牛を、与那国島で見ることになるなんて思いもよらない顛末だった。

 

・カジキマグロ祭と与那国の不思議な海底遺跡

不思議な出来事は次々に起こった。闘牛の次の日には、カジキマグロ祭が開催されており、この島に来たばかりなのに日中ずっと祭会場に留まっていきなり医療救護係を任命されることになった。と言っても毎年そんなに目立った病人は出ず、もしかしたら炎天下の中で熱中症の人が発生するかもしれないから、その場合は対応してほしいということだった。役割としては携帯電話を持って祭会場にいればよく、ほとんど病人も出ないので時間があるだろうから何もない時間は自由に祭に参加して行動してもよいということだった。

カジキマグロ祭は久部良の港で開催されており、近くには日本最西端の石碑もあったので空き時間に見学しに行った。嵐の前の日などの晴れ渡った日には、ここから海の向こうに台湾も見えるらしい。さすが日本最西端の島!ここはもはや、日本と台湾の境界線に位置しているかのようだった。

 

カジキマグロ祭の催し物として、無料で「海底の古代遺跡」を見られるフェリーツアーがあったのでそれに参加したりした。この与那国近海の幻の海底の古代遺跡が、人工的なものか自然にできたものかはまだ議論がなされている最中のようだが、それにしても人生で見たこともない海底の不思議で神秘的な風景を見られる貴重な機会となった。海底遺跡に迷い込んでゆったりと泳いでいるウミガメも見つけることができ、南国を訪れた感覚が味わえる。しかしなんとフェリーのエアコンが壊れてしまったようで、フェリーの中が蒸し風呂のようになって船酔いする人が続出し、ゆっくり優雅に海底遺跡を見られるというような状況ではなかった。

 

カジキマグロ祭は最も大きなカジキマグロを漁って来たチームが優勝らしい。カジキマグロって見たことないなぁ、ドンキーコングで出てくるやつ?とカジキマグロについてよくわからなかったが、港に引き上げられたその巨大な姿を見て圧倒された!

 

・小さくて可愛い与那国島固有の与那国馬

与那国島ではとても小さくて可愛らしい与那国馬も特徴的だ。与那国馬は洋種馬との交雑を免れた日本在来馬8つのうちのひとつだという。与那国島をドライブしていて驚くことは、運転している道路の目の前で与那国馬の群れが横切っているのに出くわすと、彼らがゆっくり道を横断するのを待たなければ車が通れないということだ。与那国馬がそこらじゅうで放し飼いにされている、与那国島ならではのほのぼのとしたドライブを楽しむことができる。

面白かったのは与那国島には獣医さんがいないので、馬の調子が悪かったり病気が疑われたような場合には、与那国診療所のお医者さんが呼ばれることがあるということだった。馬も人間も同じ動物なので、わかる限りは馬の治療も手伝うのだという。与那国診療所に勤めに来ると、人間だけではなく馬の治療の協力まですることになるようだ。

 

・与那国島に伝わる神秘的な機織り

与那国島では織物も盛んらしい。診療所からお年寄りのお家へ在宅診療すると、縁側に小さな機織機(はたおりき)が置いてあることに驚かされた。昔の人はみんな家庭の中で、紡ぎ出された糸から与那国に伝統的な独自の布を織りなしていたようだ。

“縦の糸はあなた
横の糸はわたし
織りなす布はいつか誰かを
あたため得るかもしれない”

ぼくは自分の人生の中で、機織機を使って糸から布を作り出すという魔法のような経験をすることはないだろうと思っていたが、なんとここ与那国島の機織りの工場で、人生初の機織りに挑戦する機会をいただいた。

やってみて一言言えるとすれば、機織りはとても“不思議”な体験だった。確かに自分の肉体の動きと機織機の機能と構造によって糸から模様のある綺麗な布が出来上がっているのだが、なぜできているのか、どのような仕組みででき上がっているのかは、必死に機織りしている当人からすれば全くの謎であり、それを客観的に究明する余裕はなかった。ぼくたちは毎日糸からできた布というものをまとって生きているが、布というものはなんて不思議でなんて神秘的な産物なんだろう!ぼくはこの機織りの経験以来、布を見る目がすっかり変わり、布は摩訶不思議なもの、魔法のように神秘的なもの、解明できない幻想的なものとしてぼくの脳内に君臨している。

 

・クバの葉を活用して島の生活に潤いを与える

これは与那国独自というよりも沖縄の文化だと感じるが、診療所で研修している他の先生たちとも一緒に与那国の民家へ沖縄の楽器である三線を習いに行って、沖縄生活10年にもなって初めて三線を弾いたり、クバの葉でうちわを作ったりして沖縄的な文化に触れた。

ぼくが感動したのは、沖縄の人々はクバの葉を上手に何にでも活用している点で、例えばこの民家の赤ちゃんはクバの葉でできた揺りかごに気持ちよさそうに寝かせられていた!もはや日本というよりは、南の島の不思議な異国を訪れたという感覚になった!

 

 

・巨大な綱の大縄引き祭!

 

これも沖縄の地域全体で見かけるものだが、島民が集まってめちゃくちゃ巨大な綱で綱引きをする行事も行われていた!

 

日本にはないから何のためにあるのかよくわからなかったけれど、沖縄のお祭りで立てかけられる派手な柱!

 

 

・日本民族が葦舟によって日本列島に流れ着いたというのは本当か?

日本民族は、どのようにして海の彼方からこの島国へと流れ着いたのだろうか。東京の国立科学博物館と協力してその方法を解明しようという大掛かりな実験が与那国島で実行されていた。当時の植生や環境を考え、昔むかしのぼくたちの祖先は“葦(あし)”の舟を使って台湾からこの与那国島へと渡り、さらに日本列島へと進出したのではないかという仮説をもとに、なんとプロジェクトの人々によって本当に葦舟が手作りで完成していたのだった!

さらに驚くべきことには、この葦船が本当に海を越えられるのかを実際に確かめるために、手始めに与那国島から西表島にかけての船旅を実行するというのだ!ぼくが与那国に滞在中に実際にそのロマンあふれる実験は行われ、なんとか無事に西表島に到着していた。世の中には様々な種類の情熱を持った人々がたくさんいるんだなぁと与那国島で実感させられた。

 

 

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