日本最西端の与那国島で医者に!真夜中のティンダバナへ山伏修行の見回りを任命された話

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離島の医者はこんなこともするのか…!!!!!

日本最西端の与那国島で医者に!真夜中のティンダバナへ山伏修行の見回りを任命された話

・ドラマ「Dr.コトー診療所」のロケ地日本最西端の与那国島で医者として働くことになった!
・与那国島の山伏の修行僧の健康チェックを任される!
・与那国島と仏教と紀伊山脈と青い不動明王
・2週間飲まず食わず?!真夜中のティンダバナへ山伏修行見回りの日々

・ドラマ「Dr.コトー診療所」のロケ地日本最西端の与那国島で医者として働くことになった!

ぼくは昔中島みゆきの名曲「銀の龍の背に乗って」を聞くためにドラマのDr.コトー診療所を毎週見ていた。最後の歌を聞くために聞いていただけで物語自体に興味はなかったが、まさか自分がその後医師になって、ドラマ「Dr.コトー診療所」のロケ地である日本最西端の絶海の孤島・与那国島の診療所で1ヶ月働くことになるなんて思いもよらない顛末だった!

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与那国診療所はドラマ内のように海辺の近くにはなく、きちんとした集落の真ん中にあった。ドラマの中のように海辺に佇んでいれば確かにロマンチックだが、沖縄の強烈な台風の際には使い物にならないことだろう。

1ヶ月に渡る与那国島の研修では与那国診療所内で留まっているばかりではなくデイサービスを訪れたり、老人ホームを見学したり、中学校で健康に関する講演を行ったり、与那国馬に乗ったり、与那国の伝統芸能である織物を実際にやらせてもらったりと、とにかくありとあらゆる与那国の地域をめぐりその自然や文化や人々に触れるという濃厚な日々だった。

 

 

・与那国島の山伏の修行僧の健康チェックを任される!

その中で離島のお医者さんはこんなことまでするのかと驚いたのは、何と与那国出身のお坊さんが与那国の聖地・ティンダバナの洞窟の中で2週間座禅の修行をするので、安全に修行できているか見回りに行ってくれと言われたことだった!

なんでもそのお坊さんは現在は関西で山伏の修行をしているが、出身地である与那国島で山伏の修行がしたいのだという。年齢は70歳を超えておりそれで2週間飲まず食わず寝ずの洞窟の中の修行をするというのだから、確かに健康的には非常に心配だ。仏教的修行というものは医者が毎日見回りに行くような行為なのだろうかと少し疑問に思ったものの、本人からの希望ではなくそのお坊さんのお寺のお世話をしているおばちゃんがどうしても心配だから見に行ってほしいという嘆願だったので仕方ないのかと感じていたところ、何とぼくが修行の見回りに行く係に任命されてしまった!

修行僧の見回りは昼間の時間帯は与那国で唯一の警察官の人、そして夜中22時にぼくが真っ暗闇のティンダバナに見回りに行くことになってしまった!まるで夏の夜の肝試しみたいだ。それにしてもいくら洞窟の中だといえど、夏の与那国島で2週間も飲まず食わずだったら本当に死んでしまうのではないだろうか。本当に山伏の修行というものは飲まず食わずで行われるものなのか非常に心配になった。

 

 

・与那国島と仏教と紀伊山脈と青い不動明王

与那国島には沖縄独特の聖地・御嶽(うたき)を見たことはあるものの、お寺っぽい建物や敷地は見たことがなかったので、流石にアジアに満遍なく布教された仏教といえども、ここ絶海の孤島の与那国島には仏教の風は吹かなかったのかと最初は思っていた。しかしそれは間違いだったことにすぐに気がついた。

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与那国島の最大の集落祖納の真ん中の、普通の家のような建物の中にお寺が存在していたのだ!しかも住職が現在は関西のお寺で山伏の修行をしているというお坊さんで、ご本尊は奈良の吉野にあるような青いお顔をした不動明王!紀伊山脈出身のぼくからしたら仏の縁を感じずにはいられなかった。仏教の風は日本最西端の絶海の孤島であろうともきちんと届いていたのだ。

 

 

・2週間飲まず食わず?!真夜中のティンダバナへ山伏修行見回りの日々

お坊さんが関西から与那国に到着し、早速ティンダバナでの山伏の修行が始まった。お坊さんが与那国に帰ってくると、毎朝ティンダバナからホラ貝を吹く音が聞こえるので租内集落の人々にはすぐわかると民宿のおばちゃんが語っていた。

夜のティンダバナは暗く明かりひとつない、まさに肝試しのような巡回を毎晩22時にすることになった。2週間飲まず食わずなんて危険すぎると心配していたが、心配した島の人々がたくさん飲み物などを届けてくれていたようで修行の洞窟の中は飲み物で溢れていたので心配することはなさそうだった。それにしても洞窟の中でお坊さんが懐中電灯に照らされてひとり座禅を組む姿は、本当に「日本昔ばなし」でも見ているような、現代社会とはかけ離れた神秘的な風景だった。

お坊さんの健康はすこぶるよく毎日見回りにくる必要もないような感じだったが、任務なのできちんと遂行した。お坊さんは常に坐禅し、ここを訪れるのは見回りに来る警察官と、ぼくと、あとは蛇くらいだと語っていた。何も知らずに誰かがここを訪れて洞窟の中でお坊さんが座っていたらさぞかし驚愕することだろう。そんなこんなで何も体調不良が起こらないままでティンダバナでの山伏の修行は終了したので胸を撫で下ろした。おそらくぼくの医者人生の中で、毎晩真夜中の洞窟に山伏の修行僧が健康かどうかチェックするという仕事はこれが最初で最後だろうと思う。

 

 

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