夏のスペイン巡礼で寝袋は必要なかった話とシュラフシーツの重要性

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寝袋なんて要らなかった!

夏のスペイン巡礼で寝袋は必要なかった話とシュラフシーツの重要性

・スペイン順礼なんて行くつもりじゃなかった
・6月の夏のスペイン巡礼に寝袋は必要か?
・寝袋は必要不可欠だとインターネットは言う
・ぼくとシュラフシーツの出会い
・シュラフシーツで快適なスペイン巡礼は可能だった

・スペイン順礼なんて行くつもりじゃなかった

東京からイタリアのローマへと発つ前、ぼくはまだスペイン順礼に行く予定ではなかった。というか、日程的に行くことが不可能だと思い込んでいたのだ。その理由は、シェンゲン協定という規定にあった。日本のパスポートでは、ヨーロッパのシェンゲン協定の国に入国した日から180日の期間内で、90日間(約3ヶ月)滞在することをゆるされる。そしてシェンゲン圏内に入国してから180日が過ぎれば、その縛りはリセットされるという仕組みだ。

ぼくはこの前の10月にシベリア鉄道に乗って、ウラジオストクからロシアを横断し、11月にフィンランドからヨーロッパ圏内に入り、ヨーロッパで2ヶ月以上を過ごして2月に日本へ帰国した。それ故に今回5月のゴールデンウィーク明けにイタリアに行くと決まった時に、シェンゲン協定によるとあと何日ヨーロッパに滞在できるのか計算する必要があると思い、カレンダーを見ながらそれを数えていた。90から前回のヨーロッパ滞在日数を引くと、なんとたったの16日しか残らなかった。今ヨーロッパに行っても、16日間しかいられないのだ。

紀伊山脈を深める車中泊の旅をし巡礼の道に魅力を感じたぼくは、もし可能ならばスペイン巡礼を実行したかったが、16日間では到底達成できないだろうと思い、スペイン巡礼は潔く諦めて、南イタリア周遊の旅でもして、そこからフェリーでチュニジアに抜けようかと考えていた。その予定で荷物をすべて整え、もう日本を出発するという間際に気が付いた。なんと、前回の冬の旅でヨーロッパ圏内に入ってから、もう90日経つではないか!

こんなに時が経つのが早いとは思いもしなかった!90日経てば日数はリセットされ、さらに90日滞在することが可能だ。つまり、ぼくはこれからヨーロッパに旅立っても16日間しかいることをゆるされないと思っていたが、実際はほぼ90日間滞在が可能なのだ!

できる!スペイン巡礼ができる!!!という喜びと希望の中で、気が付いた。ぼくはスペイン巡礼の荷物を何ひとつ持ってきていない。スペイン巡礼ができないと思っていたのだから仕方のないことだが、それにしても巡礼に必要だと言われているものを全く持ってきていないのは都合が悪い。さらには巡礼をするならするで、荷物をきちんと軽くするとか、それ用の靴を履いてくるとか、そういう巡礼者としての身なりの準備も心の準備も皆無であった。

しかし行けるからには今のうちに行っておきたい。今行けば友人のてらちゃんもヨーロッパにいるので一緒に巡礼ができるのだ。巡礼の準備はヨーロッパに到着してから徐々に行うことにして、”準備万端”の真逆の状態のまま、まずはイタリア・ローマへと飛び立った。

 

 

・6月の夏のスペイン巡礼に寝袋は必要か?

調べてみると、イタリア旅行へ来るつもりで荷物を整えてきたので、スペイン巡礼に必要と思われているものも大体は揃っていた。巡礼と言ってもバックパッカーの旅行と似ているので、必要なものは似通っている傾向にあるらしい。しかし、巡礼者にとって最も大切だと思われるものたちが、ぼくの荷物には欠けていた。

雨が降ってきた時に荷物を運びながらも快適に巡礼が続けられるように、傘ではなくレインコートが必要なようだった。うん、レインコート、買おう。6月の巡礼なのでもちろんスペインの日光も強そうで、日よけの帽子も必要不可欠なようだ。うん、帽子も、どこかで買おう。そして最も重要で、インターネットのどのページにも書かれている必要不可欠なものといえば、寝袋だそうだ。うん、寝袋、、、要るかな?!

ぼくは寝袋をどうしようか、イタリアに来てからものすごく悩んでいた。実はぼくはスペイン巡礼に寝袋が必要だと以前から知っていて、そのためと、紀伊山脈での車中泊のために、モンベルの20000円もする高い寝袋をきちんと購入していたのだった!しかし今、寝袋は実家の和歌山県のぼくの部屋の隅っこで休んでいる。せっかくスペイン巡礼用にと高い高品質な寝袋を買っておいたのに、まさかスペイン巡礼ができるとは思っていなかったばかりに、自宅に忘れて来るなんてこんな間抜けな話があるだろうか。そして20000円も出して買ったのに、またヨーロッパで寝袋を購入するかは、ぼくの中では大問題である。そもそも、6月の夏のスペイン巡礼に、本当に寝袋なんて要るのだろうか?

 

・寝袋は必要不可欠だとインターネットは言う

インターネットで調べてみると、どのページにもことごとく、巡礼に寝袋は絶対に必要だと書かれている。なんでも夏といえどもスペイン巡礼の夜は冷え込むらしい。夏といえどもスペイン巡礼に寝袋は必須なのだそうだ。スペイン巡礼の宿(アルベルゲ)には、簡単なベッドしかないところが多く、様々な巡礼者が泊まりに来るところだから、当然南京虫やダニなどの防虫対策も必要になってくる。寝袋は、防虫対策にも有益だというのだ。虫をベッドに移されると困るから、寝袋がないと宿泊拒否までするアルベルゲも存在するらしい。そこまで言われれば、もはや新しく寝袋を調達する他ないだろうか。

しかし、繰り返し言うが、ぼくはもう持って来損なった寝袋に20000円も費やしたのだ。既にこんなに大量のお金を寝袋につぎ込んで、またさらにヨーロッパで新しい寝袋を購入するだなんて精神の引き裂かれる思いがする。しかも、寝袋は体積が大きく、なるべく量を減らしたい巡礼の荷物としては不適な気もする。そして、寝袋はそこそこ重い。これも可能な限り荷物の重さを減らしたい巡礼者の思いにそぐわない。

なるべくなら、寝袋なんて持って行きたくないと言うのが正直な思いだ。しかしインターネットの情報はことごとく、寝袋の必要性を説いている。ぼくは一体どうすればいいのだろうか。

 

 

・ぼくとシュラフシーツの出会い

もはや寝袋を買うしかないかと諦め、ヨーロッパで人気のアウトドアショップ「デカドロン」へ買い物に出かけた。イタリア、バーリのデカロドンは大きく、さすが人気のアウトドアショップだけあって寝袋もたくさん並べられていた。しかも値段もそこそこ安く、少なくとも日本の良質な寝袋のように20000円もしなかった。しかし、やはり値段の安い寝袋は体積も重量も大きく、値段が高くなるに従って、小さく軽くなっているようだった。

節約派のぼくは、安い5000円ほどの寝袋で手を打とうかと考えていた時、寝袋の横に不思議なものを見つけた。なんと、寝袋のような形をしたシーツがあるらしい!シュラフシーツといって、シーツの布で体全体をくるんで眠れるという優れものだった!これならちょっとくらいの寒さは凌げそうだし、もちろん寝袋のように体全体を包んでくれるので防虫対策にもなる。しかもシーツだけ、布だけなので、体積も寝袋より格段に小さく、重さも寝袋より格段に軽い。値段は、なんとコットン素材なら8ユーロからあった。

安い!小さい!軽い!ぼくは寝袋を買うという選択肢を捨てて、シュラフシーツを買うことに決めた!

コットンよりも軽く、寝心地もよさそうで、防虫効果もあるというシルク(絹)の素材のシュラフシーツをぼくは選んだ。値段は約20ユーロ!ものすごく満足できる買い物だった。しかし不安が完全に拭い去れた訳では決してない。本当にこのシュラフシーツは、寝袋の代わりになるのだろうか。このシーツで、スペイン巡礼を快適に過ごせるだろうか。やっぱり寝袋の方にしとけばよかったと思わないだろうか。巡礼未経験で何もわからないぼくの中で、不安は募っていくばかりだった。

 

 

・シュラフシーツで快適なスペイン巡礼は可能だった

結論から言えば、6月の32日間の夏のスペイン巡礼には、寝袋は必要なかった。シュラフシーツで十分だった。

まず、防虫対策だが、これはシュラフシーツには寝袋と同様の効果があり、ベッドと自分の肉体の間にひとつシーツという壁がある分、体幹が虫に刺されるということはなかった。まれに手が虫に噛まれて痒いことがあったけれど、これは寝ている間にシーツから手を出してしまったせいであり、寝袋でも起きることだろうと予想された。

6月のスペイン巡礼の夜の気温だが、インターネットの情報通り、確かに冷え込む夜はあった。そんな時は、シーツの下に着ている自分の寝間着を長袖、厚めにして対応すれば問題なかった。それでも寒ければ、アルベルゲには毛布があるのでそれを借りることも可能だ。アルベルゲの毛布はチクチクして不快なものもあるが、シュラフシーツという布が皮膚との間を隔ててくれているので、毛布の温かさだけもらって、チクチクをもらわないことができる。

また、冷え込む夜もあれば極端に暑くて寝苦しい日もあり、そんな日には周囲のベッドの人々も皆、寝袋を脱いで寝ていた。夏のカミーノの夜には、やはりそんな日も珍しくはなかった。

このように、ぼくの実体験として、6月の夏のカミーノでは、寝袋は必要なく、シュラフシーツで十分だった。もしも夏のスペイン巡礼に寝袋なんて要るのかと疑問に思っている人がいれば、参考にしてみてください。夏の巡礼には、軽い、小さい、安い、快適なシュラフシーツがオススメです。

 

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