クアラルンプールでお家買うのって何円するの?????
マレーシアの家はいくら?KLのタワマンと一軒家の値段を聞いて発展途上国の若者の未来への希望を感じた
・クアラルンプール郊外にあるレイジーの5階建ての巨大な一軒家
・クアラルンプール中心にあるリミのタワマン
・クアラルンプールの5階建ての一軒家とタワマンの一室の値段を聞いてみた
・発展途上国マレーシアの若者は意外と豪華な生活をしているのか
・先進国の若者が発展途上国の若者のように明るく暮らすために必要なもの
目次
・クアラルンプール郊外にあるレイジーの5階建ての巨大な一軒家
ぼくはマレーシアの旅の途中で、一緒に旅していた台湾人の哲ちゃんの友達であるクアラルンプール在住の中国系マレーシア人のレイジーの家に泊めてもらうことになった。レイジーの家はクアラルンプールから車で30分ほどの郊外にあるものの、何と5階建ての立派なお家だった!
それぞれの階にはテーマがあり、ナルトの階とか、ポケモンの階とか、スパイダーマンの階とかがあって子供らしい夢に溢れた素敵なお家だった。レイジーの仕事は塾で小さな子供たちに勉強を教えているので、子供たちが家に遊びに来た時に喜んでもらえるという意味もあるらしい。屋上には何と巨大な亀が飼われており、とにかく我慢せずに自分のやりたいことを全部やった感が満載で面白かった。それぞれの階の部屋にはお湯が出ないもののシャワーまで付いており、塾の生徒などが泊まりに来た時に対応できるようになっていてとても感動的で快適なお家だった。レイジーはこの5階建ての大きな家に妻のキャリーと2人暮らしだった。
・クアラルンプール中心にあるリミのタワマン
またぼくたちはレイジーの家だけではなく、レイジーの親友の中国系マレーシア人のリミの家にも泊まらせてもらった。リミの家は何とクアラルンプールのど真ん中のタワマンの一室であり、大きなリビングとキッチン、それから寝室が2つある眺めのいい高層階の部屋だった。隣にはマレーシアらしい東南アジアのジャングルのような鬱蒼とした公園が併設されていた。またこのタワマンにはプールもあり、住民は自由に泳ぐことができるらしい。何て優雅な生活!さらにリミは夫と住んでおり、2人で車を3台所有しているということだった。
レイジーやリミの年齢は30歳ほどだ。レイジーやリミのように、マレーシア人の若者は意外と優雅な暮らしをしているものなのだろうか。
・クアラルンプールの5階建ての一軒家とタワマンの一室の値段を聞いてみた
気になるのはマレーシアの首都クアラルンプールでタワマンや一軒家を買うときに、どれくらいお金がかかるのかということだ。ぼくは非常に興味があったので関西人らしく、臆することなくレイジーに質問してみた。するとレイジーのクアラルンプール郊外の5階建ての家は800000リンギットだということだった。つまり日本円だと2400万円ほどだ。さらにクアラルンプール中心に位置するリミのタワマンの一室の値段を尋ねてみると、450000リンギットだということだった。これは日本円だと1350万円だ。ほぇー!やっぱり物価が安い分マレーシアの家やマンションも日本よりは格段に安いんだなぁ。
・発展途上国マレーシアの若者は意外と豪華な生活をしているのか
しかしぼくがさらに気になったのは、マレーシアの若者ってこんな大金を支払えるのだろうかということだった。レイジーは子供たちに勉強を教える小さな塾のようなところで働いていた。レイジーは子供たちに勉強を教えるのが好きだそうで、自分に合っている仕事ができてとても満足している様子だった。ぼくもレイジーの塾を見学しに行ったが結構手狭で質素な感じがして、とても高いお給料をもらえる職場という印象は持たなかった。
またリミは海鮮ヌードルなどを提供する両親がやっている食堂でウェイターの仕事をしていた。こちらも広い食堂ではあったものの非常にローカルな感じで、とてもタワマンに住む人の職業のようには見えなかった。日本でローカルな食堂の店員がタワマンに住んでいて、しかも車3台も所有していると言われたら何だかびっくりしないだろうか。それくらいぼくの中では現実とイメージの乖離があった。リミの夫は夜勤でこちらも海鮮の仕事をしているというから、夫の方でも稼いでいるのだろうか。確かに日勤よりは夜勤の方が稼げそうではあるものの、リミの夫は夜勤続きだからいつも眠そうだった。
・先進国の若者が発展途上国の若者のように明るく暮らすために必要なもの
ぼくがクアラルンプールで彼らの家に滞在して感じたことは、マレーシアは確かに日本よりは貧しい発展途上国だけれど、若者たちが未来への希望に溢れているような明るい印象を持ったことだ。発展途上国とはある程度発展し終わってしまった先進国と違って、まだまだこれから発展する余地が大いにあるということだ。昨日よりも明日の方が生活がよくなっていくだろうという実感は、将来や未来への明るい希望につながる。レイジーもリミも、昨日よりも明日の方がよくなっていくという確信があるからこそ、思い切って給与には見合わない大きな買い物ができるのではないだろうか。
自分の未来の理想と幸せのために無理して高い家を買い、無理して高い車を買うというその極端な消費行動は、まさに一昔前の日本を彷彿とさせる。昨日よりも明日の方がきっとよくなっていると信じられた時代には、日本人も大いに分不相応な消費を楽しんでいたことだろう。今となっては少子化や増税など未来は暗くしかならないという情報だけがメディアによって拡散され、まるで全ての日本人の雰囲気や気分を暗くすることが狙いであるかのようだ。世界を旅しているとこんなに清潔で、こんなに便利で、食べ物も美味しく、人々も親切で、古代や現在の文化も豊富で興味深い美しい日本という国に住めるなんて何て幸せなことだろうと思わずにはいられないが、世界を知らずメディアに洗脳されやすい種類の人間は不幸な気持ちを抱えながらこの国で生きていくのかもしれない。
しかしこの未来は暗いという雰囲気は、多かれ少なかれどの先進国でも経験する宿命にあるのではないだろうか。人間だって赤ちゃんから子供、やがて逞しい大人に成長していくが、いずれ弱り老いぼれて死んでいく。永遠に成長でき、永遠に発達し、永遠に賢くなる人間なんてこの世にはいない。誰もが頂点を過ぎるとどんなに必死に抗っても、年齢と共に衰え死への行進を始める。人間が永遠に成長できないのと同様に、国家というものも永遠に成長することはできないのではないだろうか。遥か古代から続く日本という国は稀有であり、他を見ていると国が滅びたり栄えたりの繰り返しである。そして日本というひとつの国の内部でも、延々と権力の新陳代謝が起こっていたのだろう。
発展途上国はこれから発展する余地のある今は貧しい国、そして先進国は豊かだけれど未来に希望を見出しにくい。果たしてどちらに生まれつくことが、人間にとって幸せなのだろうか。昨日よりも明日がよくなると信じられる時、人々の生活は明るくなる。これが今のマレーシアの姿だ。明日は昨日より悪くなるに違いない。そう信じられ続けているのが今の日本の現状だ。マレーシアの場合は若者が明るく希望に満ち溢れているので、何も問題はないだろう。一方豊かな先進国である日本は未来への不安に心を支配され、毎日せっせと労働しては節約し老後資金の調達に追われている。
ぼくが感じるのは、未来への不安ばかりに心を支配され今を充実して生きられないなんて馬鹿馬鹿しいということだ。未来がどうなるかなんて誰にもわからない。わからないものにばかり心を支配されて心配と不安で動き出せなくなるよりもいっそ、どうせわからないのだからどんなに考えても仕方ないと開き直り、未来ではなく今という一瞬一瞬に焦点を当て心を満たすように生きられる鈍感力が必要なのではないだろうか。確かに未来への備えは豊かな老後を過ごすために重要であるに違いないが、ある程度準備したなら必要以上に蓄えることをせずに、今の自分が幸せに暮らせるよう生き方をデザインすべきではないだろうか。
今の日本の若者は未来への不安に心を支配されている。こんなにも未来への不安しか感じない情報を日夜流し続けられたならそれも仕方ないことなのかもしれない。しかしこれほど豊かで素晴らしい先進国の日本に住むことができているのに不幸を感じているなんて、世界を旅してきた者からすると不思議に感じられてならない。やはり日本を始めとする先進国に住む若者に必要なのは、わかりもしない未来への不安を煽るような情報を脳内で適切に遮断する能力と、今を充実させながら生きようとする瑞々しい感性ではないだろうか。それらを意識するだけで、せっかく運よく豊かな先進国に生まれついた幸福を享受しつつ、発展途上国の若者に負けない心の豊かさも獲得することができるだろう。
・その他のマレーシアの旅の記事はこちら!