医師がキャリア形成を無視して世界一周の旅に出たらどうなるのか、実際に世界を大冒険して検証してみた

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医師が未来のことを何も考えず世界一周の旅に出たらどうなるのだろうか。

医師がキャリア形成を無視して世界一周の旅に出たらどうなるのか、実際に世界を大冒険して検証してみた

・ぼくの旅の原点は中学3年生の時のアメリカ西海岸の修学旅行
・未来のことを考え、夢や目標を持つような生き方が大切だというのは本当か?
・ぼくの唯一の未来予想図は「資金が底を尽きたら旅をやめる」
・旅という情熱と医師という職業を掛け合わせようという試行錯誤
・新型コロナにワクチンバイト!世界一周の旅路の果てで起きたのは思いも寄らない出来事ばかりだった
・世界一周の旅路の果てでぼくの資産は何倍にも膨れ上がった
・まとめ!医師が未来のキャリアを一切考えず世界一周の旅に出た後に起こったこと一覧
・人は純粋な直感と情熱に従う覚悟を持つ時、自分自身の魂が行くべき世界へと辿り着く

・ぼくの旅の原点は中学3年生の時のアメリカ西海岸の修学旅行

ぼくは人生初の海外旅行として、中学3年生の時に修学旅行でアメリカ西海岸を訪れた。地平線の連なる赤茶けた荒野をバスの車窓から眺めながら、こんなに広大な世界があったのかと当時のぼくは衝撃を受け、それ以来もっと色んな世界を見てみたい、いつか世界中の国を旅してみたいという”旅する炎”が自らの根源に燃え盛るのを感じていた。

ぼくの旅の軌跡

しかしいくら世界中の国々を旅したいと強く願っても、お金がなければ実現は不可能だ。旅のスタイルにもよるが世界一周の旅をするためには最低200万円ほど必要らしい。中学生のぼくにそんな大金があるはずもなかった。したがってまずは高校生になり、大学の医学部医学科へ入学し、医師となり、病院で労働しながらも節約生活を送り、600万円ほど貯金した上でやっと世界一周の旅に出ることとなった。

20代研修医のぼくが世界一周の旅に出るために3年間で600万円以上貯金した節約術を紹介

旅に出るために200万円貯まればいいなぁと思っていたのに知らない間に600万円も貯まっていたのは、ぼくの節約方法が上手だったからだろうか。

 

 

・未来のことを考え、夢や目標を持つような生き方が大切だというのは本当か?

世界一周の旅に出る人というのは通常何年間旅をしようとか、旅が終わったらどのような進路を歩もうとか、旅の次には何の仕事をしようとか、未来のことを大まかに予定したり計画したりするものらしい。ぼくの職業は医師であり、医師というのは注意深く慎重で保守的な性格の人々がほとんどなので、もちろんぼくも世界一周の旅の後のことをきちんと決めてから旅に出ていると周囲に思われていた。しかし実際は何年間旅をするのかということはおろか、世界一周の旅の後のことや、今後医師としてどのようなキャリアを積んでいくのかということすらぼくは一切何も考えていなかった!

もちろん常識的に考えれば、未来のことをきちんと考えていないぼくは愚者だと言えるだろう。未来に確固たる夢や目標を持ち、自分の思い描く揺るぎない未来を目指して着実に歩みを進めていくというのが、理想的で立派な若者の姿であるに違いない。しかし本当にそうなのだろうか。本当に未来に夢や目標を掲げている人間の方が、そうではない人間に比べて素晴らしい生き方をしているのだろうか。ぼくにはそうは思えない。「夢」とか「目標」という言葉は、あまりにも人間社会において教育的・倫理的に神格化されているが、実際のところはろくでもない代物ではないだろうか。

未来のことを夢想したり想像するのは自由だが、はっきり言ってどんなに考えてみたところで未来がどうなるかなんて誰にもわからない。どうせよく考えても何もわからない未来という次元にエネルギーや時間を使うことに、果たしてどれだけの価値があるのだろうか。それよりも重要なのはここに生きているという自分自身に焦点を当て、今という時制を必死に生き抜くことではないだろうか。過去を悔やむことなく、未来を思い煩うことなく、今を生きることの大切さを世界中の宗教や思想も伝えている。ぼくにとっては世界一周後の未来がどうなるのかを心配し思いを巡らすことよりも、旅をしながら燃え盛るように今という一瞬一瞬を真剣に生き抜くことの方がはるかに価値のある生き方であるように感じられたのだ。

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・ぼくの唯一の未来予想図は「資金が底を尽きたら旅をやめる」

しかしそんなぼくの独自の価値観を聞かされたところで、そんな無計画のままじゃどうせ世界一周後の末路は悲惨なものになるに決まっている、ろくでもない将来が訪れるに決まっていると訝しく思う人がほとんどだろう。そこでこの記事では医師であるぼくが何ひとつ未来のことを考えることなく無鉄砲に世界一周の旅に出たその結末について包み隠さずに話していこうと思う。

ぼくが世界一周の旅で唯一計画していたことは「お金がなくなったら旅をやめよう」ということだけだった。しかしそんなことは至極当然のことで、お金がなければ旅は続けられないに決まっている。なぜなら旅は基本的に消費行動であり、旅をするためにはお金が絶対に必要だからだ。何年先になるかわからないけれど貯金した600万円が世界を旅することによって完全になくなった時がぼくの旅の終わりだ、そうなればまた病院で医師として働くことになるのだろうという誰にでも思いつく当たり前の風景が、ぼくの中にぼんやりとあった唯一の未来予想図だった。

 

・旅という情熱と医師という職業を掛け合わせようという試行錯誤

ぼくが医師としての未来のキャリアパスに興味を持てなかったのは、自分自身の中に宿る直感的な情熱と医師という職業があまりに相容れないものであるからという原因もあった。既述したようにぼくの魂の根源には常に”旅する炎”が燃え盛っておりその直感に突き動かされるように生きるべきだと分かりきっていたが、なぜか全くそれとは無関係に見える医師という職業に就いてしまったので、”旅する炎”と医師という職業をどのようにして絡め合わせることができるのかわからずに困惑した。

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常識的に考えてそれはほぼ不可能であるように思われたが、それでも諦めることなく医師になりたての初期研修医のうちから、どうすれば旅と医業をこの人生の中で共存させることができるのだろうと試行錯誤し、模索を続けた。ぼくが唯一医師のキャリアについて興味があるとしたら「医師がどのように旅しながら労働できるのか」ということだけだった。しかしそんな常識外れな医師は見たことも聞いたこともなかったし、調べてみてもそれを見事に成し遂げている種類の医師は到底存在していなかったので、誰にも頼ることなく”旅しながら働く医師”という新たなキャリアを自ら切り拓き、自分自身によって創造的な新しい労働スタイルを誕生させるしかないと感じた。

まずぼくが初期研修医で挑戦したのは大学病院に所属し、県内の様々な病院を巡ることで旅するように医師として働こうということだった。この発想はある程度功を奏し、沖縄本島の大学病院に所属しながら離島の宮古島の病院に何ヶ月も滞在したり、日本最西端の与那国島で丸々1ヶ月間過ごすことができたりして、旅するように医師として働いている自分自身を実感できた。

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しかし当時のぼくにはこれ以上の発想は思い付かず、医師が旅するように働くというのはこの程度で限界かと感じられた。とても充実した旅するように美しい日々だったが、”旅をしながら働く医師”を完全に実現できたのかと言われれば若干の疑問が残った。自由な旅人のように流離うような生き方をしているというよりはむしろ、勤めている限りは病院という組織に常に拘束されている印象が強かったからだ。しかし労働というのは本来そういうものであり、もはや”旅するように働く医師”の完全体の実現は困難であるように思われた。

そうこうしているうちに世界一周の旅の資金も貯まってしまったので病院を辞め、一旦医師としての労働を中断し、自らの根源から迫り来る直感と情熱に従ってついに世界一周の旅に出た。”旅するような医師の働き方”の研究はまだ完全には終わっていなかったが、これ以上追求しても行き詰まりを感じそうだったので、まずは医師という職業のことを潔くきっぱりと忘れて、旅という”魂の使命”に自分自身の生命の全てを捧げるのも悪くないだろう。過去を悔やむことなく、未来を思い煩うことなく、純粋な直感と迷いなき情熱に突き動かされながらただ今という瞬間瞬間を必死に生き抜くことを覚悟した時、人にはどのような未来が訪れるのだろうか。

この世界一周の旅で期せずして、ぼくは「予想もつかないことが起こるから未来のことを考えても意味がない」という思想が真実だったということを目の当たりにすることとなった。

 

・新型コロナにワクチンバイト!世界一周の旅路の果てで起きたのは思いも寄らない出来事ばかりだった

世界一周の旅に出て最初の2年間、旅は順調に進んだ。インドネシア台湾シンガポールロシアフィンランドエストニアラトビアリトアニアチェコポーランドハンガリーオーストリアスイスフランスベルギーオランダイタリアスペインタイカンボジアベトナムラオス中国を巡り、途中でたまに一時帰国して祖国である日本を車中泊で回る旅にも挑戦したりして、世界一周と日本一周を同時に並行していくスタイルが続いた。しかし東南アジア一周の旅と中国大陸横断の旅を終えて日本に一時帰国した辺りで、思いも寄らない出来事が起こった。新型コロナウイルスの全世界への感染拡大である。一気に外国旅行はできなくなり、世界一周をしていた旅人も次々に日本への帰国を余儀なくされた。新型コロナウイルスはまさに誰にも予想することができなかった未曾有の事態であり、どうせわからない未来を思いながら生きるよりも今という瞬間を最も大切にしながら柔軟性をもって対応することの重要性を改めてぼくに教えてくれた。

世界一周はできなくなったが、ぼくはちょくちょく車中泊で日本を回りながらその魅力にも気付き始めていたので、外国に出られない今こそ祖国を思う存分旅して知見を深める絶好の機会だと考え、車中泊で九州から北海道の北端まで日本一周の旅を成し遂げた。具体的には岡山県広島県山口県福岡県大分県宮崎県熊本県長崎県島根県鳥取県兵庫県京都府福井県石川県富山県新潟県山形県秋田県青森県北海道と旅を継ぎ、最終目的地であり最北端の離島・礼文島に辿り着いた後は、岩手県宮城県福島県茨城県栃木県群馬県長野県岐阜県山梨県静岡県を巡った。日本一周は世界一周と同じくらい価値があり、日本という祖国の美しさや素晴らしさ、深遠さについて改めて思い知らされた。しかし日本一周を遂行した後でさえ、なお外国への道は閉ざされていた。まだ貯金は余残っているものの外国には出られないから世界一周も再開できないし、日本も回り切ってしまったし、これからどうしようかと思いあぐねていたところ、またしても思いもよらない事態が起こった。新型コロナワクチンの接種開始である。

特にすることもなかったので医師免許を持ったぼくは、医師として日本中の人々にコロナワクチンを届ける手伝いをしようとコロナワクチンバイトに申し込んでみた。しかしこれが思いもよらないほど面白く、ぼくはコロナワクチンバイトの虜になってしまった。なぜならコロナワクチンバイトは自分の好きな時に日本全国自分の好きな場所で自由に働けるという、まさにぼくが思い描いていた”旅するような医師の働き方”を実現していたからだ。

初期研修医の頃のぼくは、医師というのは病院で働くしかない職業だと思っていた。しかし世界一周の旅をし、たまたまコロナ禍に遭遇し、たまたまコロナワクチンバイトに従事し、その結果としてぼくは、医師という職業は病院にも医局にも属さずにフリーランスとして日本全国どこでも自由にバイトをしながら生きられることをたまたま知ったのだった。しかしこの結末を「たまたま」という言葉で片付けてしまうのは語弊があるかもしれない。ぼくは自らの根源に宿る純粋な直感と迷いなき情熱にただただ従うように生き抜くことを覚悟した時、その旅路の果てで自分がずっと探し求めていた”旅するような医師の働き方”の完全な解答を、”必然的に”天から与えられたような感覚に陥ったのだった。ぼくが最も知りたかった答えを、世界一周の旅が教えてくれたと言っても過言ではなかった。

さらに不思議なことには、ぼくはコロナワクチンバイトが楽しくて楽しくて仕方がなかった。いくら働いても疲れることなく、それどころかもっとやりたいと願ってしまうので、今となっては毎日労働してしまうほどだった。病院で働いていた時にはこのように感じたことは一切なかった。旅という情熱と融合させるのが困難なのに医師という職業が自分に合っているのか疑問に思わないこともなかった。しかしぼくは旅という情熱と医師という職業が見事に共鳴し合うコロナワクチンバイトという労働スタイルを見出し、さらにそれは労働であるにも関わらずやりたくてやりたくて仕方がないと感じてしまうぼくにとってのまさに「天職」だったのだ。世界一周の旅はぼくにフリーランスの医師としての働き方へと導いてくれただけではなく、何と天職の在り処まで指し示してくれたのだった。これこそが神聖な旅の恩恵だろうか。

 

 

・世界一周の旅路の果てでぼくの資産は何倍にも膨れ上がった

さらにぼくにとって都合がいいことには、コロナワクチンバイトの給料が高額だったことだ。最低でも日給10万円もらえるコロナワクチンバイトを楽しくて仕方がないので毎日続けていると当然のように資産は急激に増加し、コロナワクチンバイト前には200万円ほどに減少していた貯金額が今となっては10倍以上に膨らんでしまった。旅という消費行動を行なっていたにも関わらず、世界一周の旅路の果てで逆に資産が何十倍にも膨れ上がるなんてそんな不可思議な出来事があるだろうか。

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コロナワクチンバイトが終了する暁には、コロナも次第に収まり海外旅行が可能なフェーズに入っていることだろう。ぼくはコロナワクチンバイトで旅するように労働した結果として蓄えた資産を利用して、ようやく世界一周の旅を再開できるに違いない。

 

 

・まとめ!医師が未来のキャリアを一切考えず世界一周の旅に出た後に起こったこと一覧

未来のことを考えず世界一周の旅に出た医師に起こった出来事まとめ
・自分がずっと探し求めていた旅と医師を掛け合わせる労働スタイルを確立できた
・楽しくて楽しくて仕方がない天職に巡り会った
・天職を継続させることで潤沢な資産を獲得し、次なる世界一周の旅の準備が整った

 

・人は純粋な直感と情熱に従う覚悟を持つ時、自分自身の魂が行くべき世界へと辿り着く

このように見ていくと、ぼくは医師としての未来のキャリア形成について全く考えずに世界一周の旅に出たにも関わらず、まるで導かれるようにして医師として自分が最もふさわしい労働スタイルへと辿り着いたように見える。自らの魂の使命である旅する情熱と、社会的な資格である医師免許を組み合わせるという、一見不可能であるかのように思われた労働スタイルを見事に確立できたのも、世界一周の旅に出た結果に他ならない。過去を悔やむことなく、未来を思い煩うことなく、直感と情熱にただ従って今という一瞬一瞬を必死に生き抜こうと覚悟した時、その旅路の果てで人は「自分の魂が行くべき場所」へと運ばれゆくのだということを、ぼくは自分自身の経験から確信している。

 

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