2018年、ぼくは650万円貯めて世界一周の旅に出た。

世界一周者の資産推移グラフを大公開!費用650万円を貯めて3年間世界を放浪した無職旅人の末路を見届けろ
・ぼくは650万円を貯めて世界一周の旅に出た
・旅の資金650万円をなるべく減らさないためにぼくが取った行動
・ぼくの世界一周の3年間の旅路
・ぼくの世界一周中の資産推移をマネーフォワードのグラフで大公開!
・資産推移のグラフを眺めても誰も未来を読み解くことはできない
目次
・ぼくは650万円を貯めて世界一周の旅に出た

2018年、ぼくは650万円貯めて世界一周の旅に出た。その650万円は、医師として病院で3年間労働して地道に貯金したお金だった。今はどうだか知らないが当時は節約旅なら200万円くらいあれば世界一周が可能だと言われていたので、ぼく自身はちょっと多めに貯めたかなという感覚だった。ぼくが3年間で650万円貯めた方法は、以下の記事で詳細にまとめた。
・旅の資金650万円をなるべく減らさないためにぼくが取った行動
旅というのは基本的に消費行動なので、ぼくが世界一周の旅をすればするほど当然ぼくのお金は減っていくことが予想された。しかしぼくはこの資金で可能な限り長い期間、世界の様々な国々を巡ってみたいという野望を持っていたので、なるべくこの650万円を減らさないように工夫する努力を惜しまなかった。
例えばぼくは世界一周の旅を開始した2018年から旅ブログを始めて、自らの世界の旅の記録を瑞々しく書き留めておくと同時に、誰にも雇われることなく自分自身の力だけで収益を得ることに挑戦した。世界一周の旅をしているので医師として病院で労働できないのは仕方のないことだが、その代わりに誰かの役に立つ情報を発信するという全く新しい別の角度からの試みによってお金を稼ぐことは可能なのかと試行錯誤してみた。
また同じく2018年に楽天証券やSBI証券を開設し、インデックス投資の積立や個別株投資を始めることで資産運用にも挑戦した。投資なんて全くやったことがないし当時は今のようにYouTubeの投資情報も充実していなかったから本当に手探り状態だったが、どのお金の本を読んでいても結局はインデックスの長期積立投資を行えばよいという結論に至っていたので、旅による資産の減少を可能な限り食い止めるためにも思い切って資産運用を開始した。最初は恐る恐る少額から積立し、徐々にやや大きなお金も運用した。
さらに肝心の旅においても、なるべく節約することを忘れなかった。宿は基本的にドミトリーの安宿に泊まるし、飛行機やバス代も比較検討して最安値で最も便利な便を探し出すし、ご飯も特別食べたいものがなければスーパーマーケットで済ませるなど、ぼくの旅のスタイルは他の世界一周者と同じように節約旅だった。それも別に無理しているわけではなく、なるべく安いお金で自分の旅の幸福度を高められる工夫をすることは非常にエキサイティングで楽しいことだったので、ぼくは節約の才能がある種類の人間なのだろう。物価の安い国では「この値段でこんな素敵なホテルに泊まれちゃうの?!」と感じてしまうようなリゾートホテルを選んだりして、必ずしも常に節約を意識するわけではなく自分自身の幸福の最大化を目指す姿勢は変わらなかった。
このように今振り返って見ていくと2018年のぼくは、旅ブログによって事業所得を得る=お金を稼ぐ力を鍛えて、投資を開始=お金を増やす力を増幅させ、節約旅を意識する=お金を貯める力を発揮するという、お金を稼ぐ力・増やす力・貯める力を誰から教えられることもなくバランスよく育てていこうと無意識に行動できているという点において、かなりお金を扱うセンスがあったのではないだろうか(自画自賛)。しかしこのようにお金の流れを最適化させた後、無職の世界一周の旅人の資産推移はどのようになっていくのだろうか。
・ぼくの世界一周の3年間の旅路
2018年以降、ぼくの世界一周は次のような旅路を辿った。
2018年は世界ではインドネシア縦断の旅、台湾一周の旅、シベリア鉄道でユーラシア大陸横断の旅(ロシア、フィンランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、チェコ、ポーランド、ハンガリー、オーストリア、スイス、フランス、ベルギー、オランダ)、日本では琉球諸島をめぐる旅、東北地方一周の旅、知床半島と北海道の旅を達成した。
2019年は世界ではスペイン巡礼と南欧周遊の旅(イタリア、フランス、スペイン)、東南アジア一周の旅(タイ、カンボジア、ベトナム、ラオス)、中国大陸南部横断の旅、日本では紀伊半島一周・車中泊の旅、九州一周・車中泊の旅を実現した。
また2020年からは新型コロナウイルスの脅威が全世界を襲ったので、世界一周の旅から路線変更して日本一周・車中泊の旅を行なった。また四国お遍路も車中泊で満願した。
・ぼくの世界一周中の資産推移をマネーフォワードのグラフで大公開!
このように3年かけて世界各国や日本各地を同時に回っていたが、そんなぼくの資産推移はマネーフォワードのグラフで見ると次のようになる。

残念ながら見事な右肩下がりだ。まぁ無職で世界一周の旅をしていたのだから、資産が右肩下がりで減っていくのは当然の成り行きである。資産のピークである650万円は2018年5月の額となっており、2018年5月までは病院で労働していた資産形成期なので右肩上がりに推移しているが、世界一周の旅を始めたそれ以降はずっと資産は目減りし続けている。
やっぱりお金を稼ぐ力、お金を増やす力、お金を貯める力をどんなに高めようと努力したところで、650万円という資産では世界一周の旅をする消費の速度には全く太刀打ちできなかったようだ。650万円というお金は世界一周するためには他の人よりはやや多いのではないかと予想していたが、それを資産運用したり節約を頑張ってみたところで旅によるお金の減少スピードには到底敵わないことが判明した。また旅ブログによるお金を稼ぐ力を爆発させることができなかったことも、資産減少の一因だろう。
まぁ無職で世界一周の旅をしているのだからお金が減っていくことなんて当たり前すぎて全ての旅人はスルーしてしまう案件かもしれないが、これを「やっぱり減ってしまうのか」「なぜ減ってしまうのだろう、不思議だ」「どうすれば減らないようにできるのだろう」と考えてしまうお金との向き合い方に、ぼくの旅人としての特殊性がある。
・資産推移のグラフを眺めても誰も未来を読み解くことはできない

3年間世界一周と日本一周の旅を継続した結果、ぼくの資産は650万円から280万円にまで減少してしまっていた。さて、ぼくの資産はこれからどうなってしまうのだろうか。ぼくははっきり言って世界一周の旅の後のことは何も考えずに生きてきた。過去を振り向かず、未来を思い煩わず、ただ今という一瞬一瞬を見つめて燃え盛るように生き抜くことが、人間として美しい生き様だと信じていたからだ。しかし資金がもはや底を突きそうになった今、そうも言ってられないのかもしれない。
お金がなくなったら医師として病院でまた労働すればいいと何となく考えていたが、とは言えまだ280万円はあるのでもう少しくらいは旅が継続できそうだ。しかし世界はコロナ禍の真っ只中であり、日本一周が終わった2020年に世界に出ることは到底不可能な状況だった。かと言って日本一周の旅も終わってしまったので、日本にも行くべき場所が残っていない。

このマネーフォワードの資産推移のグラフを眺めていると、普通に考えればこのまま旅を続ければ資産額はただただ下がり続けて最終的には0になってしまいそうだ。誰もがそのように予測するだろうし、それ以外にぼくの運命はないと全ての人が断言できるに違いない。しかしぼくはまさにこの後「未来は誰にも読めない」「人生には何が起きるかわからない」という事実を、自分自身の人生の体験によって強烈に記憶に刻みつけられることになる。

誰もが予想できなかった不思議な出来事が、ぼくの身に降り注いだのだった。ぼくの資産額はこの後減り続けて0になるどころか急に燃え盛る炎のように逆転し、旅の減少スピードなんて比べ物にならないほどの凄まじい変化率を発揮しながら、まさに龍が天に昇っていくかのような爆発的な勢いで急峻な姿を描いたのだった!しかしそれは通常の一般的な世界一周の資産推移とは関係なくこの記事の主旨とは異なるので、また機会があれば続きを書こうと思う。
(ちなみにマネーフォワードは2022年12月7日に改悪し、これまでは最大10件だったのを4件までしか口座登録できなくなったため使用を止めたので、それ以降は完全に正確な資産推移を描けているわけではないので悪しからず)
