年収2590万〜2700万円の手取り額を計算!フリーランス医師は基礎控除がなくなる手前で労働をやめるべきか考察してみた

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ドイツのくま
今年は働きすぎちゃって基礎控除がなくなりそうだよ!
基礎控除がなくなる手前で今年は働くのをやめようかな?!
台湾の金魚
基礎控除がなくなると手取りの増加がどれくらい鈍るのかな?
吟味した上で稼ぐのをやめるかやめないか決めよう!
今回の記事でわかること
・基礎控除って何?
・基礎控除は年収いくらからなくなっていくのか?
・基礎控除がなくなる手前で本当に稼ぐのをやめるべきなのか?

年収2590万〜2700万円の手取り額を計算!フリーランス医師は基礎控除がなくなる手前で労働をやめるべきか考察してみた

・「基礎控除」はある年収に達すると徐々に減らされていく
・年収と「基礎控除」、合計所得金額と「基礎控除」の関係
・高収入のフリーランス医師は「基礎控除」がなくなる手前で稼ぐのをやめるべきか?
・年収2590万円〜2700万円は年収が100万円増えても手取りが30万円しか増えない魔のゾーンだった
・「基礎控除」を考慮して労働をやめるかはどうかは人生の価値観による

・「基礎控除」はある年収に達すると徐々に減らされていく

ぼくたちはお金を稼ぎその金額に応じて税金を払っているが、稼いだお金の全てに税金がかかるわけではない。稼いだお金からその人のさまざまな事情を考慮した「控除(こうじょ)」という金額を差し引いた「課税所得」という金額にこそ所得税や住民税が税金がかかってくるのだ。

所得ー控除=課税所得

「控除」にはその年に支払った年金や健康保険の金額を引いてくれる「社会保険料控除」、その年に支払った医療費の金額を引いてくれる「医療費控除」、その年に寄付した金額を引いてくれる「寄付金控除」など多種多様なものが存在する。その中には全ての人が受けられると言われている「基礎控除」がある。

「基礎控除」とは”基礎”という言葉が入っている通り、基本的人権のようにほとんど誰もが受けられる控除だ。しかし年収があまりに高すぎると、そんなに稼いでいるんだから基本的人権さえ要らないでしょうとでも言わんばかりに、「基礎控除」は徐々に減らされていきやがては0になってしまう。

支払う税金を少なく抑えるためには、課税所得を減らされなればならない。課税所得を減らすためには、なるべく多くの控除が必要だ。しかし年収があまりに高いと誰もが受けられる基礎控除が消失し、課税所得は他の人に比べてグンと上がる結果となる。それでは一体年収がいくらから「基礎控除」はなくなっていくのだろうか。

 

 

・年収と「基礎控除」、合計所得金額と「基礎控除」の関係

令和4年において「基礎控除」が減っていく仕組みは以下の通りになっている。

合計所得金額 2400万円以下 2400万円超2450万円以下 2450万円超2500万円以下 2500万円超
基礎控除額
(住民税)
43万円 29万円 15万円 0円
基礎控除額
(所得税)
48万円 32万円 16万円 0円

合計所得金額とは給与所得の場合は給与所得から給与所得控除を引いた金額、事業所得の場合は事業所得から経費を引いた金額のことだ。つまり普通に雇われて給与をもらっているサラリーマンや病院で労働している医師に関しては次のようになる。

年収 2595万円以下 2595万円超2645万円以下 2645万円超2695万円以下 2695万円超
基礎控除額
(住民税)
43万円 29万円 15万円 0円
基礎控除額
(所得税)
48万円 32万円 16万円 0円

 

・高収入のフリーランス医師は「基礎控除」がなくなる手前で稼ぐのをやめるべきか?

年収2500万円以上の話だなんて自分には関係ない話だと思ってしまいそうになるが、ぼくのようにどこの病院にも組織にも属さないフリーランスの医師としてスポットバイトのみで生計を立てているとこの金額を簡単に超えてしまう。ぼくは今コロナワクチンのスポットバイトのみに従事しており、コロナワクチンバイトは日給10万円は軽くもらえるので、本気で休まず働くと半年ほどで年収2500万円以上になってしまうからだ。

しかし稼げば稼ぐほとに手取り収入は悪化し、どんなに頑張って稼いでも税金として吸い上げられ自分の手元に残るのは本来の給料の半分以下という状況に陥ってしまう。そこでフリーランス医師の仲間の間では、よく今年はどこまで稼いで労働をやめるかが話題になってくる。年収が上がれば上がるほど労働のコストパフォーマンスは悪くなり、それならばいっそ今年は働くのをスパッとやめてまた来年から新しく働き出した方が効率がいいからだ。

フリーランス医師の間でよく労働をやめる基準として持ち出されるのは、所得税の税率だ。日本では累進課税制度が導入されることにより、課税所得が上がれば上がるほど所得税の税率も上がってくる。詳細は以下の通りだ。

課税所得 所得税率
195万円以下 5%
195万円を超え330万円以下 10%
330万円を超え695万円以下 20%
695万円を超え900万円以下 23%
900万円を超え1800万円以下 33%
1800万円を超え4000万円以下 40%
4000万円越え 45%

この所得税率が上がらないうちに今年の労働をやめてしまうというのは、確かに効率のいい考え方だろう。ぼくもこの所得税率の表を見て、年収1800万円で今年の労働をやめてしまおうと決意していた。しかしコロナワクチンバイトは自分の感性に合っているのか、楽しくて楽しくてやめられなくなってしまい、どんどん次の案件を入れて休むことなくただひたすらに毎日働いてしまうので、結局は「基礎控除」がなくなってしまう年収2600万円前後でなんとか踏みとどまろうとしているところである。

ぼくのフリーランス医師の友達もみんな「基礎控除」がなくならないうちには今年の労働をやめようと計画している。しかし実際「基礎控除」がなくなるとどうなってしまうのだろうか。そんなに手取りに影響があるほどの威力が、この「基礎控除」には隠されているのだろうか。

 

・年収2590万円〜2700万円は年収が100万円増えても手取りが30万円しか増えない魔のゾーンだった

年収 住民税の基礎控除 所得税の基礎控除 年収2590万円と比較した
手取り増加金額
2590万円(基準) 43万円(基準) 48万円(基準) (基準)
2600万円(+10万円) 29万円(ー14万円) 32万円(ー16万円) ー2.8万円

年収は+10万円
住民税ではー2.4万円
所得税ではー10.4万円

2610万円(+20万円) 29万円(ー14万円) 32万円(ー16万円) +2.2万円

年収は+20万円
住民税ではー3.4万円
所得税ではー14.4万円

2620万円(+30万円) 29万円(ー14万円) 32万円(ー16万円) +7.2万円

年収は+30万円
住民税ではー4.4万円
所得税ではー18.4万円

2630万円(+40万円) 29万円(ー14万円) 32万円(ー16万円) +12.2万円

年収は+40万円
住民税ではー5.4万円
所得税ではー22.4万円

2640万円(+50万円) 29万円(ー14万円) 32万円(ー16万円) +17.2万円

年収は+50万円
住民税ではー6.4万円
所得税ではー26.4万円

2650万円(+60万円) 15万円(ー28万円) 16万円(ー32万円) +14.4万円

年収は+60万円
住民税ではー8.8万円
所得税ではー36.8万円

2660万円(+70万円) 15万円(ー28万円) 16万円(ー32万円) +19.4万円

年収は+70万円
住民税ではー9.8万円
所得税ではー40.8万円

2670万円(+80万円) 15万円(ー28万円) 16万円(ー32万円) +24.4万円

年収は+80万円
住民税ではー10.8万円
所得税ではー44.8万円

2680万円(+90万円) 15万円(ー28万円) 16万円(ー32万円) +29.4万円

年収は+90万円
住民税ではー11.8万円
所得税ではー48.8万円

2690万円(+100万円) 15万円(ー28万円) 16万円(ー32万円) +34.4万円

年収は+100万円
住民税ではー12.8万円
所得税ではー52.8万円

2700万円(+110万円) 0円(ー43万円) 0円(ー48万円) +31.5万円

年収は+110万円
住民税ではー15.3万円
所得税ではー63.2万円

年収1800万円を超えてくると所得税は40%、住民税は年収に関わらず一律10%なので合計で50%の税金が取られることになり、100万円増えるごとに手取りはざっくり50万円しか増えていかないことがわかる。頑張って働いても半分が税金として消えていくのなら、労働意欲を見出せないのも仕方がない。100万円稼いでも50万円ずつしか増えない過酷な年収1800万円以上の世界の中で、さらに追い討ちをかけるようにして「基礎控除」がなくなってしまう年収2590万円〜2700万円の”魔のゾーン”が待っている。

年収2590万円を基準として、10万円年収が増えていくごとにどれだけ手取りが増えていくかを計算してみた。住民税の次元と所得税の次元を分けて考えなければならないのでややこしい。例えば年収が2590万円から2600万円に増えたとすると、住民税の次元では(2590万-43万)×0.1で表される住民税金額が(2600万-43万)×0.1の住民税金額に変化する。すなわち住民税は2.4万円増えることになる。所得税の次元では(2590万-48万)にかかっていた所得税が(2600万-32万)に対してかかることになるので所得税の増加額は{(2590万-48万)-(2600万-32万)}×0.4=10.4万円である。従って年収が10万増えたのに手取り額は10万-2.4万-10.4万=-2.8万円なので2.8万円少なくなることがわかる。こんな意味不明な現象があるだろうか!

ぼくが計算した上記の表を見てみると、年収2590万円から年収2690万円に100万円増えたとしても、手取りはたったの34.4万円しか増えないことがわかる。さらには年収2690万円から年収2700万円に10万円増えたとしても、なぜか手取りが下がってしまうという不可思議な現象すら起きてしまう。この現象は年収2590万円から年収2600万円への移行時、年収2640万円から年収2650万円への移行時など基礎控除が減額されているスポットで共通して起こっており、年収が増えても手取りが減るというのはまさに信じ難い悪魔の仕業だとしか思えない。これこそがぼくが年収2590万円〜2700万円を”魔のゾーン”と勝手に呼んでいる由縁である。

 

 

・「基礎控除」を考慮して労働をやめるかはどうかは人生の価値観による

しかしこの”魔のゾーン”を越えれば今まで通り年収が100万円上がるごとに手取りは50万円ずつ増えていくので、ぼくたちフリーランス医師が相談しているように”魔のゾーン”の直前で労働をやめてしまうほどの動機となるかは賛否が分かれるところだろう。

流石に効率の悪い年収1800万円以上の世界の中でもさらにより一層効率の悪い年収2590万円〜2700万円の”魔のゾーン”の途中で働くのをやめようとは思わないが、”魔のゾーン”を突き抜けてしまえばこれまで通りの効率で稼ぐことができるので働き続けるのも悪くないのかもしれない。

しかしどんなに頑張って労働しても年収2700万円を超えると「基礎控除」という名の基本的人権を根こそぎ奪われた効率の悪さが自分の手取りの中に常に内包されてしまっているという事実は改めて認識すべきである。

年収2600万円も稼いでしまえばこれ以上年収を増やしても税金が増えるだけだし手取り増加の効率も悪いので、これまでたくさん働いてきた分のんびり休んだり自分の好きなことや情熱を感じることに徹底的に時間を割くのも豊かな生き方のひとつの選択肢となるだろう。逆になるべく早い時期に資産形成を達成したいのであれば、税金を50%取られていくら効率が悪かろうが一応手取りは少しずつ増えていくので、働き続けるのも悪くない。最終的には自分の人生の価値観やお金に対するものの考え方に応じて判断していくしかないだろう。

 

 

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