海一面に広がる流氷の絶景!凍りつくフレペの滝とムクムクのエゾシカさんから真冬の知床半島の情緒を感じ取った

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夏と全然違う姿でした。

海一面に広がる流氷の絶景!凍りつくフレペの滝とムクムクのエゾシカさんから真冬の知床半島の情緒を感じ取った

・ふたたび、フレペの滝へ
・移りゆく知床の大自然の姿
・流氷とシャボン玉
・冬のエゾシカはムクムク
・冬のムクムクエゾシカ写真集

・ふたたび、フレペの滝へ

今日は友達のてらちゃんと知床半島で合流し、再度フレペの滝に出かけてきた。その他の行き先の候補としては、知床五湖や流氷ウォークなどが挙げられたが、今回の旅のテーマは「流氷」ということで、崖の上からの流氷の絶景が見られるこのフレペの滝の訪問をほくが激しく推奨したために、フレペの滝を訪れることに決まった。そして何より無料という点が最大の魅力のポイントだ。これ以上ない絶景を見られるのに無料だなんてもはや行かない手はないといった感じである。

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てらちゃんにとっては最初の知床半島の旅なので、フレペの滝訪問は見るものすべてが新鮮に映るはずだ。そしてぼくにとっては、2日ぶりのフレペの滝訪問となる。しかし、2日ぶりだろうが何だろうが、このフレペの滝の絶景は、何度訪れても人々を魅了する力にあふれているように感じる。ちょうど沖縄の美しい碧色の海が、何度見ても繰り返し感動してしまうことに似ている。ぼくは喜んでフレペの滝訪問に付き添った。

フレペの滝までの遊歩道のある、知床自然センターのバス停までのバスは本数が少なく、朝の9時半を逃すと12時20分になってしまうので、ぼくたちは早起きして9時半のバスに乗り込んだ。バスの左側の車窓に広がるオホーツク海が白い雪と流氷で埋め尽くされた姿を見て、はじめてのてらちゃんは感動し、この滞在で何度も見てきたぼくも再度感動していた。このような不思議に広がる動かない海の風景を、人生であと何度見ることができるのだろう。

てらちゃんにはあまりに恐ろしかったのか優しかったのかよくわからなかった不思議なおじさんの話をあらかじめしていたので、「知床国立公園」の大きな看板が出てきたところで、ここでおじさんに出会ったんだよと教え、またはプユニ岬では、ここでおじさんがウトロとは逆方向に車を発車させたから恐怖だったなどと、おじさんとの思い出を逐一聞かせてしまった。きっと彼はおじさんの話なんか聞かずに集中して流氷を見たかったことだろう。

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バスが走り出して10分ほどで知床自然センターまでたどり着く。2日前に来てすっかり慣れていたので、迷いもせずに速やかにフレペの滝にたどり着くことができた。フレペの滝と崖から見える流氷の姿は、2日前とは少し変わっているように見えた。

 

 

・移りゆく知床の大自然の姿

なんだか今日の方が、フレペの滝を取り囲んでいる淡い水色の色彩がはっきりしているような気がした。それに加え、滝の水が落ちた後の海の色彩が、同様の淡い水色に染まり、それが広大な海原へと続いている。あの水色は、フレペの滝の水の色なのだろうか。フレペの滝の水色と、海の本来の青い色が重なり合って、またそれが凍りついたり液体のまま残っている部分が混じり合うことによって、独特の色彩のグラデーションを呈してる。

驚いたことには、時折滝から氷ついた雪が崖の下に落ちていく轟音が聞こえた。「ズドーーーン」というとどろきにつられて滝に目をやると、ちょうど雪が海へ向かって激しく真っ逆さまに落ちていった。2日前に来た時はフレペの滝の「静」の絶景だったが、今回はそれに加え動的な、大自然も生きていて常に移り変わっているんだということを思い知らされるような生き生きとした絶景も見ることができた。

今日は気温が高めだからか、何度か滝に張り巡らされた氷の落下する様子を確認することができ、その度に知床半島の自然の偉大さを思い知ったような気がした。ふと海の方に目をやると、海も凍りつくのをやめて、流氷がゆらゆらと水の上を揺らいでいるのが見える。流氷は凍りついた海に固定されているだけでなく、水面につられて上下し、流され移動し、ひとところに留まってはいないようだ。

ぼくは流氷という氷さえ、ロシアから来たはるかなる旅人であることを思い出した。ようやく海を隔ててこのような異国へとたどり着いても、流氷は旅をやめることなく、氷のままの姿としてさらに押し流され。または姿を変えてさらに永遠にこの地球上を流転する運命にあるのである。まるで旅人の魂のような運命に共感を感じざるを得なかった。

 

・流氷とシャボン玉

フレペの滝展望台の手前にはさらにもうひとつの絶景ポイントがあり、こちらもオホーツク海に広がる壮大な流氷の姿を眺めることができる。ちょうど知床自然センターから歩いて来てフレペの滝展望台の直前で左側に曲がるとたどり着くことができる。ここもフレペの滝展望台に勝るとも劣らぬ素晴らしい景観に出会うことができるので、ぜひ見逃さないようにしたい。

ここで流氷をぼんやりと眺めたり、なぜだかシャボン玉をしたり、情緒深い倒木と一緒に写真を撮ったりして時を過ごしていた。シャボン玉は、氷点下だとシャボン玉の表面に結晶が形成されながら凍りつくのだという動画を見て、ぜひその様子を見てみたかったのだが、今日は気温がやや高かったためまったくそのような現象は確認されず、“ただただフレペの滝でシャボン玉をしている変な2人組”という構図ができあがっていた。

そんな知床半島まで来てわざわざ普通にシャボン玉をしている2人のもとに、愛らしい訪問者がやって来た。エゾシカである。

 

 

・冬のエゾシカはムクムク

知床半島に初めて来たてらちゃんはもちろんエゾシカを見るのは初めてだが、ぼくは夏以来の2回目の再会である。夏も、このフレペの滝で出会うことができた。あの時の感動は今でも忘れることができない。秋には出会うこともなく、2日前も見られなかったので、もしかしたら寒くなるとエゾシカはどこかあたたかいところに隠れてしまって、人間の見える範囲には出てこないのではないかと推測していたが、またこのようにぼくの前に姿を現してくれた。

しかしなんだか冬のエゾシカは、夏に見たエゾシカと様子が違った。なんだか夏と違ってムクムクしている。太っているというか、毛がモコモコしているというか、とにかくずんぐりむっくりと余計愛らしい姿に変身していた。もしかしたら、エサのない寒く厳しい冬を乗り越えるために、脂肪を蓄えて毛を増量させたのかもしれない。

真っ白い雪の世界に突如として現れたエゾシカは、動かないでいるとその周囲の木の色と区別がつかない。もしかしたらわざと木の色に自分自身を似せているのだろうか。自分自身をまるで木のように見せることによって、白銀の世界の中で目立つことをせず敵から自分自身を防衛しているのかもしれない。

 

エゾシカはひたすらに雪の中に口を突っ込んでエサをさがしているようだった。雪の中にエサなんかあるのだろうか。雪の中に草が生えているとも思えないが、あまりの空腹に耐えかねてありもしない草を探しあぐねているのだろうか。それとも雪をむしゃむしゃ食べて水分補給しているのだろうか。ぼくたち人間にはまったく関心を寄せずに、ひたすらにむしゃむしゃと雪の中に口を突っ込んでいる。

ぼくは波照間島で見たウミガメの姿を思い出した。波照間のウミガメも、こちらがどんなに近づこうとも、まったく見向きもせずに、ただひたすらに海藻をむしゃむしゃと頬張り続けていた。やはり動物って、海の中のものだろうが山の中のものだろうが、ひたすらに食べ物を探し求めて生きているものなのだろうか。そういえば与那国島の与那国馬も、いつも何か草を食べていた気がする。

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ぼくたちが1匹のエゾシカに気を取られていると、後ろからもう1頭のエゾシカが姿を現した!真っ白な流氷の神秘的な世界の中、2匹のエゾシカに巡り会えるなんて幸運だ!

 

 

彼らは家族なのだろうか。後ろのエゾシカも、むしゃむしゃ雪を食べているようだ。そしてそのうちに真っ白な雪の中に座り込んで眠り始めてしまった。

食べるということ、眠るということを繰り返しながら、エゾシカは必死にこの厳寒の土地の冬を乗り越えていくのだろうか。彼らが無事に冬を越えて、暖かい幸福な春が訪れるように祈りながらその場を立ち去った。

 

宿に帰ってから夏のエゾシカの写真を見て、そして今日の冬のエゾシカと見比べてみると、やっぱり明らかにムクムクしている。夏はすっきりスマートでカッコいい感じなのに、急になんだかどんぐりみたいになってしまったというような愛嬌がある。

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それにしても、寒い冬の季節が来たからと言って太ることができたり、毛がモコモコと生えてくるなんて羨ましい。人間にもエゾシカと同様に冬はやって来るのだから、寒く厳しい冬が訪れた時には、人間にもモコモコと大量の毛が生えてくれば、あたたかくてコートを買う必要もなくて楽なのにと、エゾシカの体の仕組みの便利さを心の中で密かに賞賛していた。

 

 

・冬のムクムクエゾシカ写真集

 

 

 

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