東日本大震災を予感させる日本昔ばなし!宮城県気仙沼市の「みちびき地蔵」へ実際に行ってみた

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突然ですが日本昔ばなしを始めます。昔むかし、あるところに…。

東日本大震災を予感させる日本昔ばなし!宮城県気仙沼市の「みちびき地蔵」へ実際に行ってみた

・日本昔ばなし「みちびき地蔵」のあらすじ
・過去を見捨て未来へと進むべきだというのは本当か?
・宮城県気仙沼市のみちびき地蔵へのアクセスと駐車場情報
・なんとみちびき地蔵は東日本大震災で流されてしまっていた!
・東日本大震災の歌?中島みゆきの「倒木の敗者復活戦」

・日本昔ばなし「みちびき地蔵」のあらすじ

宮城県気仙沼にある「みちびき地蔵」は、明日亡くなるという人の魂がうまく天国へ導いてもらうためお地蔵様に会いに来るという言い伝えがあった。母子が仕事の帰り道、そのみちびき地蔵に人の気配を感じた。なんとみちびき地蔵の前には、何人もの亡者の魂が列を作っていた。その亡者の間には、馬や牛も立っているのだった。どうして明日という日に、こんなに大勢の人たちが死ぬというのだろう。母親は不思議で恐ろしくて仕方がなかった。家に帰って父親に相談しても、狐に騙されたのだと一笑されて終わった。

その次の日はお節句で大潮の日でもあったので浜辺は村中の海藻をとるための親子連れで賑わった。こんなに潮が遠くまで引いたのは何十年なかったことだと年寄りたちは話した。その上潮が満ちるはずの時間になっても全く潮が戻ってこなかった。

その時巨大な津波が突如として浜辺を襲った。「津波だ!」と浜辺の人々は逃げ惑い、巨大な津波は村々にまで到達し、洗い流した。逃げ遅れた人は61人死亡し、牛と馬は6頭死んだと今でも村の書き付けに残っているという。逃げられた母子は昨日のことを思い出し「やっぱり本当だったんだ。あの亡者たちは津波に流された人たちだったんだ」と納得した。

今もこのお地蔵様はみちびき地蔵と呼ばれて、人々は花やお線香を絶やさないという。

 

 

・過去を見捨て未来へと進むべきだというのは本当か?

現代の人間はやたらと前を向いたり、未来へと進んでいくことの重要性を主張する。ぼくが幼い頃から見ている子供向けのテレビ番組においても、ドラえもん「あの日あの時あのダルマ」では過去の思い出ばかりにひたって未来へ目を向けないのび太くんを批判しているし、クレヨンしんちゃん映画「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」では希望に満ちあふれた昭和の過去の匂いを懐かしみ、もはや未来へと向かわないで過去の世界の中を生きていく人物が敵として描かれている。そしてそれとは対照的に、未来に希望を抱き未来へと進みたいと願うのが”正義”としてのしんのすけなのだ。鬼滅の刃映画「無限列車編」でも、夢の中で炭治郎が家族の殺されていない幸せな過去に戻ることができ、ずっとここで生きていたいと心から願いながらも、現実を受け入れ今を生きていかなければならないと悟り夢から目覚める。

過去を懐かしがることが悪いというのは本当か?

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このようにいつも過去をふり返ることは悪で、未来へと足を進めることは善だという対照を描きながら進んでいく物語は非常に多い。しかしぼくはこの物語の展開にいつも疑問を感じていた。本当に過去をふり返ることはそんなに悪いことで、ただむやみやたらと未来へ目を向けることが正義なのだろか。過去をきちんと深く知り、過去をきちんと見つめなければ、本当の意味での未来なんて訪れないのではないだろか。物語たちはいつも過去を捨て去り、未来を生きよと単純に主張するけれど、真実は、根を持った未来を築き上げるという作業は、過去という確かな土台なしに成立しないのではないだろか。ぼくたちは本当の意味でふさわしい未来を生きるために、きちんと過去を見つめなければならないのではないだろか。

そういう意味で「日本昔ばなし」というのは非常に参考になる。日本の民族が何を思い、何を後世に伝えたかったか如実に知ることができるからだ。今回の気仙沼の「みちびき地蔵」の物語も、多くの人が津波に飲み込まれた最近の東日本大震災を思い出さずにはいられない。過去の「みちびき地蔵」の物語をきちんと知っていれば、東日本大震災を予言までできなくともこの周辺は津波の危険な地域だとぼんやりと淡く予想くらいはできたのかもしれない。過去の津波の事故を知ることで、同じような未来の津波の可能性を示唆されるからだ。未来という時代は、いつも過去から押し寄せてくる。

 

・宮城県気仙沼市のみちびき地蔵へのアクセスと駐車場情報

ぼくはこの「みちびき地蔵」の物語をYouTubeで見たときから、今も実際にあるという宮城県のみちびき地蔵を訪れたいと願っていた。過去を見つめながら未来を切り開く重要性を教えてくれたありがたいお地蔵様だと感じていたからだ。しかし辺鄙なところにあるのでなかなかいく機会もなく、今回「日本海沿いを北上する旅」「太平洋沿いを南下する旅」日本一周の旅の途中で、やっと訪れることができた。車中泊の旅をしていたので自由にどこへでも行くことができたからだ。

みちびき地蔵の場所はグーグルマップで検索すれば出てくるので、グーグルマップのナビを頼りについに憧れのみちびき地蔵へたどり着いた!駐車場は狭く、1台分しかなかったがぼくの他に訪れる人はいなかった。

 

 

・なんとみちびき地蔵は東日本大震災で流されてしまっていた!

 

みちびき地蔵にやっとたどり着いてからぼくは衝撃の事実を知った!なんと今も残されているというみちびき地蔵は、あの東日本大震災で流されてお堂ごと消失したというのだった!

 

 

説明書きによると2011年3月11日に発生した東日本大震災の大津波により、木製の3体のみちびき地蔵はお堂とともに流失してしまったという。しかしそのことを知った全国の人々の心温まる支援により、今は再建を果たすことができたという。今は新しく製作されたみちびき地蔵が、お堂の中に並んでいるという。

 

日本昔ばなしで語られていた昔からのみちびき地蔵を見られないのは残念だったが、それでも新しいみちびき地蔵がきちんと祀られていることに希望を感じずにはいられない。新しい3体のみちびき地蔵は堂々としていて美しく、古代のみちびき地蔵にさえ祈るつもりでぼくはお参りさせてもらった。もう古いみちびき地蔵は戻ってくることはないのだろうか。インターネットで調べてみても、流される前のみちびき地蔵の画像を見つけることはできなかった。やはり東日本大震災の前はあまり有名ではなかったということだろうか。

 

 

・東日本大震災の歌?中島みゆきの「倒木の敗者復活戦」

中島みゆきの隠れた名曲に「倒木の敗者復活戦」という歌がある。誰から見てもまぎれもない敗者であるところの人に、それでもなお救いは残されていると高らかに歌い上げるその歌唱は神聖ですらある。

打ちのめされたら 打ちひしがれたら
値打ちはそこ止まりだろうか
踏み倒されたら 踏みにじられたら
答えはそこ止まりだろうか

光へ飛び去る翼の羽音を背中で聞きながら

望みの糸は切れても救いの糸は切れない
泣き慣れた者は強かろう 敗者復活戦
あざ嗤え英雄よ 嗤うな傷ある者よ
傷から芽を出せ 倒木の復活戦

この「倒木」のことが「東北」に聞こえ、打ちのめされた東北地方に対する応援歌であるという解釈を、中島みゆきは否定することがなかった。

 

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