美女?安全?ウラジオストクの北朝鮮レストラン「平壌」に行ってきた

 

人生初の北朝鮮との接触でした。

美女?安全?ウラジオストクの北朝鮮レストラン「平壌」に行ってきた

・ウラジオストクの北朝鮮レストランへ行こう
・北朝鮮レストランは開いてなさそうで開いている
・北朝鮮と韓国の関係
・北朝鮮冷麺とキムチチャーハン
・北朝鮮レストランの不思議な支払い方法

・ウラジオストクの北朝鮮レストランへ行こう

ウラジオストクに北朝鮮国営のレストランがあると言うのでこれは行くしかないと思って行ってきた。もちろん北朝鮮なんて行ったこともないし、北朝鮮人なんて見たこともない、北朝鮮料理も食べたことがない。人生で触れたことのない文化に新しく触れる体験をするというのは貴重な機会である。

人間は大人になるごとに新しいものに接触する機会がなくなり、また積極的に新しい世界へと飛び込まなくなり、新しく学びとることさえやめ、既知の世界の中に閉じこもろうとする傾向がある。そして自分でその既知の世界を選んでおいて、知っているものばかりの世界は退屈だからと、暇つぶしに人の噂や陰口を言ったり批判したりして人生を終えていくのだ。そのような老い方に追従すべきではない。

しかしぼくはこのシベリア鉄道の旅に出る前に、北朝鮮拉致被害者の蓮池薫さんの話を聞く機会があった。どのように拉致され、どのように北朝鮮で過ごし、どのように帰ってきたかを彼の講演会で詳細に聞くことができ、この時ぼくの中では北朝鮮=拉致のイメージになってしまっていた。なんでもビーチでデートしている時に、いきなり顔面を殴られ、船に詰め込まれて北朝鮮に送られたらしい。おそろしい…。

そのイメージが先行して強く頭の中に残っていたから、本当に北朝鮮レストランなんて安全なのだろうか。いきなり食事中に顔面を殴られてどこかに連れ去られたらどうしよう。十分注意しなければ…という警戒心を抱きつつ、北朝鮮レストラン平壌に向かった。そんなに不安なら行かなければいいのにと自分でも思うのだが、きっと好奇心優先に動いていたのだろうと思う。

北朝鮮レストランまでは、ウラジオストク鉄道駅から歩いて30分くらい。グーグルマップであらかじめチェックしておけば簡単に徒歩でたどり着くことができる。しかし、北朝鮮レストランまでの道はあまり歩いている人を見かけなかった。もしかしたらバスでも行けたかもしれなような雰囲気だったが、ぼくは歩いてウラジオストクの街並みを見てみたかったので敢えて歩いてたどり着いた。行くまでの道自体は一本道であり、決して難しい道のりではない。しかし、到着してからの方がぼくは困惑した。

 

 

・北朝鮮レストランは開いてなさそうで開いている

北朝鮮レストラン平壌の入り口は堂々たる2人の白い石像があるのですぐわかる。問題はこのレストランが今、開いているのかどうかということだ、ガラス越しに見える扉の中も薄暗く、どう見ても営業しているような雰囲気には見えない。しかしグーグルマップには正午から深夜12時まで開いていると書いているので本来ならば開いているはずだ。けれどグーグルマップに書かれている時間帯はたまに間違っていることもあるので疑うべきでもある。

こんなに長い間歩いてきたのに開いていないのだろうか…。ぼくは残念に思いながらも念のため扉を開けてみた。するとなんと扉は開いた。扉の中にはまた扉。静寂に包まれており、これまた影響している風には見えないのだが、意を決してつぎの扉を開く。また開いた!するとそこには美しい風景がの描かれた北朝鮮レストランが広がっていた。

お客は誰もいない。それゆえあまりに静かだったのだろうか。おそらく北朝鮮人の女性のウェイトレスさんが丁寧に席まで案内してくれる。予想していたよりも、ちょっと高級店という雰囲気に包まれている。壁一面には風光明媚な大自然の風景が描かれている。北朝鮮とはこのようなところなのだろうか。絵から滲み出る四季の移ろいを大切に思い感性は、なんだか日本人と同様なものを思わせる。

それにしても本当にこのレストラン、店の前からだと閉まっているのだと本気で思うような雰囲気だった!もしこれから行く方がいらっしゃれば、外から見るとまるで閉まっているかのような雰囲気を醸し出しているけれど、めげずに中へ中へ扉を開けて行くとちゃんと中で営業しているので、引き返さないで中まで攻めていってください!

 

・北朝鮮と韓国の関係

メニューには意外と、ロシア語とハングルの他に日本語表記も存在していた。多くの日本人がここを訪れるのだろうか。ぼくは冷麺とキムチチャーハンを注文した。

しばらくすると、数人のお客さんが入ってきた。みんな韓国語を話しており韓国人のようだ。ひとりの韓国人がぼくの席の隣に座ったので少し話をした。ぼくは彼に「北朝鮮料理と韓国料理って違うんですかねぇ?」と尋ねると、彼は「ほとんど同じだけれど、ちょっと違う点もあるよ!冷麺の上に乗っているものなんかが違うね!」と教えてくれた。

ほとんど同じということは、韓国人の人はみんなウラジオストクに来て、自分の国の料理が恋しくなってここを訪れているのだろうか。それにしても、韓国と北朝鮮って今でも戦争中なのに、こんな風に敵の店に気軽に現れるものなのだろうか。

ぼくは戦争中の時代を生きたことがないのでわからないが、おばあちゃんの話によると、アメリカとの戦争中は敵の言語だからと英語も話してはいけなかったそうだ。だから野球するときも、ストライクとかボールとか言わずに、よし!とか待て!とか言っていたとか。

それほどまでに戦争中というのはお互い敏感になるものらしいけれど、少なくとも今は、韓国人が国営の北朝鮮レストランを訪れて食事をしている。国営ということは、ここで支払った料金は、そのまま北朝鮮の国の費用になるということだ。敵国にお金をあげてもいいのだろうか。いろいろ疑問が湧いたが、そんなことは隣の韓国人には聞かなかった。そのような質問は、食事の時間に野暮というものだ。

しばらくして冷麺とキムチチャーハンが届けられた。

 

 

・北朝鮮冷麺とキムチチャーハン

冷麺はこれまでの人生で食べたことのないものだった。なんだかもずくみたいな不思議な色をした麺の上に、チキンやキムチやキュウリなどの野菜が添えられている。味はあっさりめであり、夏に食べるとさわやかでよさそうだ。

ぼくはこれを、北朝鮮の冷麺なんて珍しいし今後の人生で食べられる機会もそうそうないだろうと思って注文したが、味としては別に普通だった。珍しさをお金で買ったと言えよう。むしろ、東北の旅のさなか、岩手県で食べた盛岡冷麺の方が何百倍も美味しかった気がする。しかし北朝鮮というなかなかお目にかかれない異文化に触れたという点非常にで満足である。

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そしてキムチチャーハン!これは美味しかったが、言ってみれば日本で食べられるよなぁという感想だった。しかし冷麺もキムチチャーハンも、値段以上のボリュームがあり、2品も頼んだことを若干後悔するほどに満腹となった。

客も少なく、ゆっくりと食事を楽しむことができた。店内を見渡しても、どこかなつかしいアジアの情緒のようなものが感じられる。これが北朝鮮では“雅”とされている空間だろうか。

噂通りウェイトレスさんも美人が多い。夜の20時からは彼女らによる弾き語りなども行われるようだが、ぼくが訪れたのは残念ながら真昼だった。中国にいる店員さんなどはあまり笑わないことが多く、社会主義というのはそんな感じなのかなぁ北朝鮮人もそんな感じかなぁと思っていたが、美人のウェイトレスさんは普通に自由に笑っていて愛想がよかった

“北朝鮮”というものがあまりに未知すぎるゆえ、見るもの聞くものすべてが新鮮に感じられるのは誠に面白い。しかしふと気付いたが、ぼくは北朝鮮旅行に来たわけではなくロシア旅行に来たのだった。

 

 

・北朝鮮レストランの不思議な支払い方法

支払いは現金でもカードでも可能だった。しかし、この支払い方法が謎だった。今思い出してもどういう意味だったかわからないが、一部を現金で、一部をクレジットカードで支払いしてほしいと言うのでそれに従った。ぼくの現金の持ち合わせになにか問題があったのかもしれないが、よくわからなかった。北朝鮮人の美女は楽しそうにいたずらっぽく笑っていた。

よく考えてみると、国営の北朝鮮レストランでクレジットカードで支払いするということは、ぼくのクレジットカード情報が北朝鮮という国に渡ってしまうということなのだろうか。そう考えるとちょっと怖いが、あれから4ヶ月経った今でも不正請求などは起きていないので考えすぎだろう。

やはり閉ざされた国というのは独特で面白い。きちんと独自の感性や文化を色濃くレトロなままに残し受け継いでいるような感じがする。ぼくたちは開かれたことや国際的になることをやたらと主張しがちになるが、世界が統一された色彩になっているのを見てなにか面白いだろうか。それぞれの国がそれぞれの珍しい独自の文化を持って歩んでいる方が、お互い心が触れ合った時に面白く楽しいのではないだろうか。

そんなことを考えながらまた30分間歩いて街の中心まで帰った。

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