10年ぶりのウィーン!2度目に訪れる街は1度目よりも深く人を感動させてくれる

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初めては1回きりだが、2回目だって1回きりだ。

10年ぶりのウィーン!2度目に訪れる街は1度目よりも深く人を感動させてくれる

・2回目の街
・「おひさしぶりです」と「はじめまして」
・街と人間

・2回目の街

ぼくたちは様々な街を旅する。その中で人生で2回訪れる街なんていくらあるだろう。国内の近い場所ならばいくつもあるだろうが、遠い場所、特に外国になるとかなり限られていくるのではないだろうか。2回訪れるくらいならば、別の新しい場所を訪れて旅行してみたいという気持ちは至極自然なものだろう。2回訪れたいという街は、成り行きはあるかもしれなくともほとんどの場合、何かしらの魅力があったからに他ならない。

 

 

・「おひさしぶりです」と「はじめまして」

ぼくはウィーンを2回訪れた。今回が2回目の訪問だ。

2回目というのはいい。初めては1回きりだが、2回目だって1回きりだ。この“2回目”というものを大切にしないといけない。2回目というのは多すぎず、少なすぎない。1回目のすべてが新鮮な感動とも違うし、3回目の物知り顔ができる雰囲気とも違う。

2回目は「おひさしぶりです」と「はじめまして」が混じり合う貴重な再会だ。過去の思い出と、新しい現在とが重なり合う宇宙だ。長らく出会わなかったものたちに、久しぶりに出会い感動する。なぜならその再会は当たり前ではないからだ。ヨーロッパの街なんて日本から遠いのに、人生で2回も訪れるかわかりはしない。みんなこれが人生で最初で最後かもしれないと、はじめての訪問を大切に過ごすのだ。新しく出会えた感動ともう一生出会えないかもしれない寂しさが行き来し合うのが1回目の訪問だ。それゆえに2回目にもう一度訪れられた街との再会の感動はひとしおである。

ここに来たことがあるような気がする。昔の不確かな記憶がぼんやりと蘇る。記憶を頼りに街を巡ると、意外と道を覚えていて思い通りにたどり着けたりする。逆にまったく違う場所に出てしまうこともある。昔に行った場所を探し回ってもたどり着けないこともある。たしかにこの街にあるはずなのに、写真にだって収められているのに、もはや二度と出会えない景色もある。知らない道を歩いてみようと冒険の心で裏路地を歩いていても、ふと昔知っていた場所にたどり着くこともある。その度に運命的に「おひさしぶりです」と心で思う。昔に一緒に来た人と、今一緒に来ている人は違う。季節も違うし、服も変わったし、友達も移り変わった。もはや何もかもが変わり果てているのに、街は思い出と同じようにそこにある。そして自分という存在もそこにある。

見たこともない景色に出会えるのも楽しい。はじめての時には時間がなくて行けなかったカフェやオペラの鑑賞、この街との新しいつながりを、思い出に上書きすることができる。街を歩いててもたくさんの知らない場所がある。はじめての訪問のときだってたくさん歩いて見て回ったのに、それでも全然この街のことを知らなかったのだと気がつく。訪れたことのある場所でさえ、はじめての時にはまったく気がつかなかった位置関係に驚く。こんなにも遠かったことと、こんなにも近かったことを知るのが楽しい。街は変わらずに迎えてくれたような気がするけれど、実はたくさん変わったのかもしれない。変わったことに気づかずに、変わらないものを探し求めて、気持ちが慌ただしくなっているのかもしれない。

そして自分自身で歩かないと気づかないことが多いことに気がつく。はじめて来た時にはたくさんの仲間が一緒だったけれど、ひとりで歩かないと街の顔をちゃんと見ていなかったことに気がつく。友達の顔ばかり見ていたことに気がつく。

 

 

・街と人間

2回目が尊いのは、街でも人でも同じではないだろうか。

2回目に出会って既に知っていることを見つけて安心すること、まだ知らないその人のことを発見して嬉しく思うこと。1回目で終わってしまう人と、2回目も巡り会う人との違いはなんだろう。「おひさしぶりです」と「はじめまして」をもう一度言いたくなるような人間はどんな人だろう。「これきりです」と冷たく振り払われる人との違いはなんだろう。

一度出会っただけではすべてわからないというのは重要だ。はじめてですべてを見せてしまえば、もっと知りたいとはなかなか思わない。一度読んでしまった本だって、もう一度読みたいと思うものは稀だ。映画だって、音楽だって、人だっておんなじなんだ。一度だけではわかりかねること、けれどもしかしたらわかるかもと期待させること、けれど決して浅はかに見せないこと、何かしら深い部分に宝物が隠されているように装うこと。

何度も出会いたくなるようなものは、大抵はじめてではわからない深遠な形をしている。もう一度出会いたくなるものは不思議で掴み難い色をしている。けれど決して自分の人生とは関係のないところにあるとは思わせない。自分の人生と深く繋がっているはずなのに、不可解でわかりにくいこと。何度ものぞいてみたくなること。その度に新しい発見があること。その度に故郷の景色が見えること。見たこともない新鮮と、既に見た安堵が共存する存在。

2回目も出会えた人に、ありがとうと言いませんか。通り過ぎる数多の人々の中で、そのような人は稀ですから。2回目も出会えた街に、喜びを伝えませんか。もう二度と会えないと思っていた心には、街も人も宝石のように映るのです。

 

 

 

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