蘭嶼島をバイクで一周だ!!!!!

蘭嶼島一周の見所を徹底解説!雄大な大自然からタオ族の伝統的文化までバイクで蘭嶼島の魅力に触れた
・台湾南東部の離島、蘭嶼島の大冒険へ
・レンタルバイクで蘭嶼島を一周してみよう
・蘭嶼島一周の途中で壮大な滝を発見
・蘭嶼島でも沖縄の亀甲羅墓を見つけた
・巨石が重なり合ってできた自然のトンネル「紅頭岩洞口」
・自然の洞窟の中にあるキリスト教の教会「五孔洞」
・2匹の巨大な獅子が並んでいるように見える「双獅岩」
・蘭嶼島で見られるタオ族の伝統的な風景
目次
・台湾南東部の離島、蘭嶼島の大冒険へ

ぼくは2023年の夏、台湾南東部の離島である蘭嶼(らんしょ、中国語読みでLanyu)島を訪れるために台湾を訪れた。この旅のメンバーは台湾人の哲ちゃんとアリス、香港人のルーディ、そして日本人のぼくの合計4人だった。蘭嶼島なんて見たことも聞いたこともなかったが、台湾で最も美しい哲ちゃんの心の故郷だということで連れて行ってもらうことにした。
直接蘭嶼島に行くだけではちょっと物足りないので、その前に台湾東部にある瑞穂(Ruisui)温泉に立ち寄った。瑞穂温泉では日本とは全く違う台湾の温泉文化を楽しんだり、激流のカヌー川下りツアーに参加したりして、台湾の新たな一面を発見した。
瑞穂温泉からは電車で台東駅へ移動、さらに台東の富岡港から蘭嶼島行きのフェリーに乗り込み、ついに蘭嶼島に上陸した。
・レンタルバイクで蘭嶼島を一周してみよう

この日はバイクに乗って、蘭嶼島を一周してみることにした。蘭嶼島は周囲40kmほどの小さな島で、観光には手軽なレンタルバイクが最も便利だった。蘭嶼島は休みなしで運転するとバイクで1時間ほどで一周できてしまうが、途中には様々な風景が広がっておりぼくたちも色んな場所へ立ち寄ったのでもちろんもっと時間がかかった。




外食文化の盛んな台湾では、朝から外食するのが一般的だ。台湾らしく海の見えるカフェで美味しい朝食をいただいてから、蘭嶼島一周の冒険に出発した。蘭嶼島は島の外周に沿ってきちんと一周道路が整備されているので一周しやすい。西表島のように一周できそうなのに一周できる道路がないような不便な場所ではなかった。

辺境の離島でもしっかりセブンイレブンがあるので便利だ。






草むらの中に山羊たちが出現するその風景は、まさにぼくが10年間暮らしたことのある沖縄にそっくりだと感じた。
・蘭嶼島一周の途中で壮大な滝を発見

バイクで走っていると途中に雄大な滝があったので立ち寄ってみることにした。確かに上の方に小さく滝が見えるが、あんなところまで行けるのだろうか。









滝までの道のりは容易ではない。生い茂る深い草むらや険しい上り坂、巨大な岩石をいくつも乗り越えてようやく滝まで辿り着くことができた。

日差しの強い夏の暑い日なので、滝のそばに来るだけで涼しく爽やかに感じられる。哲ちゃん曰く、雨のある時期にしか出現しない滝だという。何だか幻の滝を見たような気分になって嬉しかった。


途中に何歳か見当もつかないガジュマルの巨木もあった。やっぱり蘭嶼島は沖縄にそっくり。
・蘭嶼島でも沖縄の亀甲羅墓を見つけた
滝から戻ってきて蘭嶼島の一周を続ける。

荒々しくうねる龍のような岩石。大自然が作り出す迫力ある芸術作品だ。

蘭嶼島の海の色は、沖縄県の与那国島の色によく似ている。

ここで蘭嶼島のお墓を発見。沖縄や中国、台湾、ベトナムでも見かけた亀甲墓の形をしている。亀甲墓は子宮の形を表し、人は死ぬと母胎に回帰するという死生観が含まれている。
一緒にバイクに乗っていた香港人のルーディは、罰が当たるから中国ではお墓の写真を撮ってはならないと言われていると、普通にお墓の写真撮影をしている日本人のぼくを気味悪がっていた。お墓に対する感性も、日本と中国では少し違うようだ。やはり儒教の濃厚な国で、先祖の霊に敏感なのだろうか。まぁぼくも今回は沖縄と同じ亀甲墓が台湾の果ての離島にも存在したことを記録しかっただけで、普段は日本のお墓を好んで写真に撮ったりしないだろう。



蘭嶼島南部の集落のお土産屋さん兼カフェで、アイスクリームを食べて一休み。

蘭嶼島の住民であるタオ族の像。伝統的衣装や帽子を身に纏っている。海に向かって魚を持ち、タオ族が海洋民族であることが示されているようだ。

アダンの味が実っているのも、琉球諸島の世界と通じるものがある。
・巨石が重なり合ってできた自然のトンネル「紅頭岩洞口」



蘭嶼島一周の道の途中にある、自然のままの巨石が重なり合ってできた天然のトンネル「紅頭岩洞口」。蘭嶼島の北西部に位置し、島随一のフォトジェニックスポットとなっている。岩が上から落ちて来ないかとヒヤヒヤしてしまう迫力あるトンネルだった。

トンネルから見下ろす蘭嶼島の大自然の風景。
・自然の洞窟の中にあるキリスト教の教会「五孔洞」




次に現れたのは壮大な洞窟の中に巨大な十字架が聳え立っている、自然のキリスト教の教会「五孔洞」。実は蘭嶼島のタオ族には意外とキリスト教徒が多いという。日本統治時代にはまだキリスト教は導入されておらず、タオ族独自のアニミズム(祖霊信仰・海や山の霊)を維持していたが、第二次世界大戦終戦後から宣教師が布教活動を活発化させ信者を増やしたのだという。隙さえあれば台湾の果ての離島に住む原住民にさえキリスト教を布教させてやろうとする宣教師の執着心は凄まじい。いやむしろまだ一神教に染められていない素朴な原住民だからこそ狙いを定められたのだろうか。
・2匹の巨大な獅子が並んでいるように見える「双獅岩」


蘭嶼島の北部にある、2匹の巨大な獅子が並んでいるように見える「双獅岩」。小さな岩は子供の獅子のようにも見え、夫婦と子供の獅子の形をした岩石だとも言われている。
・蘭嶼島で見られるタオ族の伝統的な風景

まるで沖縄県のような集落の石垣も発見した。



タオ族の伝統的なトビウオ漁を支えている木造船チヌリクランは、特徴的な色と形で蘭嶼島のシンボル的存在とも言える。


タオ族男子の伝統的な衣装は褌で、日本のお相撲さんによく似ている。また不思議な兜(ヘルメット)も被っている。


魚の干物が干してある風景。


普通にその辺に生きているタコや魚が置いてある。美味しそう。


蘭嶼島のお土産物屋さん。

蘭嶼島はこのように代表的な観光スポットから素朴で伝統的な風景まで見所が沢山あるので、とても1日で島を一周しただけでは十分に見て回ることができなかったので、実際は何日かに分けてじっくりと島中を巡るのがいいだろう。
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