台湾の蘭嶼島でも、日本と同じように山の神様が信仰されていた!!!!!

台湾の原住民タオ族と日本の山の神様の違いは?蘭嶼島でフクロウを観察するナイトツアーに参加した
・台湾南東部の離島、蘭嶼島の大冒険へ
・蘭嶼島の固有亜種のフクロウを観察するナイトツアーに参加した
・蘭嶼島の原住民タオ族の信仰する山の神様と、日本の山の神様の違いを考察
目次
・台湾南東部の離島、蘭嶼島の大冒険へ

ぼくは2023年の夏、台湾南東部の離島である蘭嶼(らんしょ、中国語読みでLanyu)島を訪れるために台湾を訪れた。この旅のメンバーは台湾人の哲ちゃんとアリス、香港人のルーディ、そして日本人のぼくの合計4人だった。蘭嶼島なんて見たことも聞いたこともなかったが、台湾で最も美しい哲ちゃんの心の故郷だということで連れて行ってもらうことにした。
直接蘭嶼島に行くだけではちょっと物足りないので、その前に台湾東部にある瑞穂(Ruisui)温泉に立ち寄った。瑞穂温泉では日本とは全く違う台湾の温泉文化を楽しんだり、激流のカヌー川下りツアーに参加したりして、台湾の新たな一面を発見した。
瑞穂温泉からは電車で台東駅へ移動、さらに台東の富岡港から蘭嶼島行きのフェリーに乗り込み、ついに蘭嶼島に上陸した。
蘭嶼島はバイクで一周するのに1時間ほどしかかからない、周囲40kmほどの小さな島だった。ぼくたちは蘭嶼島の港で1日500台湾ドルでレンタルバイクを借りて、5泊6日の滞在中は毎日蘭嶼島内を駆け回っていた。蘭嶼島では漁業が盛んで、新鮮なシーフードや台湾スイーツなど日本人の口に合う様々な食べ物を楽しむことができた。
・蘭嶼島の固有亜種のフクロウを観察するナイトツアーに参加した
この日は蘭嶼島の固有亜種のフクロウである、蘭嶼角鴞(らんしょかくしょう)を観察するためのナイトツアーに参加した。蘭嶼角鴞はリュウキュウコノハズクとも呼ばれ台湾の蘭嶼島、日本の奄美大島以南、フィリピンのバタン島のみに生息しいている珍しいフクロウだ。
ツアーの料金は300台湾ドルで、所要時間は約2時間だった。ツアーは19時30分から開始され、料金に送迎は含まれていないので自分自身でレンタルバイクで集合場所まで行く必要があった。
ナイトツアーではみんなの中で山の中に入っていき鳴き声を頼りにしてフクロウを探すのだが、残念ながら結果的にはフクロウの声は聞こえたけれどフクロウの姿を見ることはできなかった。現地の人によると、見られる確率は50%ほどなのだという。それでもガイドの人がフクロウの鳴き真似をしてフクロウの居場所を見つけ出そうとする、その方法を見られたことは興味深かった。




またフクロウとは別の巨大ヤドカリ(ヤシガニ?)やカエルやトカゲなど、山に入ったからこそ見られる蘭嶼島の珍しい生物を発見することもできた。
・蘭嶼島の原住民タオ族の信仰する山の神様と、日本の山の神様の違いを考察
ぼくがこのナイトツアーで興味深ったことは、蘭嶼島の原住民であるタオ族のガイドが山に入る前に、山の神様にお祈りを捧げていたことだった。具体的には山の神様はタバコが好きなので、山に入る前にタバコをお供えしていた。またお酒が好きだという特徴もあるらしく、お酒が供えられているのも確認できた。タオ族の人々が信じる山の神様は酒好き、タバコ好きであり、どちらかというと男性的な神様として語られることが多いようだ。

タオ族の宗教は第二次世界大戦後の布教によりキリスト教がメインとなっているが、それ以前のアニミズム(精霊信仰)も根強く残っている。キリスト教は一神教であるにもかかわらず、このように精霊信仰・自然崇拝として山の神様を信仰し、山に入る前には山の神様の怒りに触れないように必ずタバコをお供えして祈りを捧げるという様子を今回見ることができて、タオ族の昔ながらのアニミズムに直接触れることができて嬉しかった。このような自然を崇拝するという信仰の形は、八百万の神を信じる日本人にとっても親しみ深いものと言えるだろう。
またぼくは日本一周の旅をしてきて山の神様の神社を観察したり、日本昔ばなしのアニメを見たり、日本の古来からの伝統的な山の猟師であるマタギの言い伝え・伝説などを踏まえて、日本における山の神の特徴を考察してきた。ぼくが導き出した日本の山の神様の性質・特徴には、まとめると次のようなものがあった。
・日本の山の神は女性の神様。
・日本の山の神はものすごい不細工。
・日本の山の神は恥ずかしがり屋の性格で引きこもりがち。
・日本の山の神は喜怒哀楽が激しく、すぐ泣いたりすぐ怒ったりすぐ喜んだりする。
・日本の山の神の神社には男根が祀られている。
・日本の山の神は性欲旺盛で男根好きな女神。
・日本の山の神は醜い女神なので男性に相手にされず、男根を見せると喜ぶ。
・日本の山の神=田の神=豊穣の神であり、子孫繁栄の源である男根と結び付く。
・日本の山の神は嫉妬深いという性格を持ち、女性に敵意を向ける。
・古来よりマタギの山に女性が入れないのは、山の神の怒りに触れないため。
・山の神の怒りを避けるため、マタギは山に入る前に女性と交わることが禁じられている。
さらに詳しい日本の山の神の特徴は、以下の記事に徹底的にまとめた。
つまり日本人のぼくとしては、山の神=嫉妬深くて不細工で男根好きなエッチな女の神様という認識だったので、台湾の蘭嶼島の少数民族であるタオ族の山の神様が全く女性的ではなく、酒やタバコを好むむしろ男性的な神様として信仰されているのはとても新鮮だった。同じ自然崇拝、精霊崇拝、アニミズムで信じられている山の神様であっても、民族によってこれほどまでに特徴が異なるというのは考察に値する。
タオ族はフィリピンのパタン諸島から移住したと考えられ、言語も非常に類似していると言われるが、もしかしてフィリピンの原住民の間でもまだタオ族と同じように山の神様が信じられていたりするのだろうか。それならばその山の神様の特徴は、やっぱり蘭嶼島の山の神様の特徴に類似しているのだろうか。ぼくはまだこの人生でフィリピンに一度も行ったことがないが、いつか行って確かめてみたい。
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