スペイン巡礼25日目!雲の中を歩く神秘的な巡礼と遂にガリシア地方に突入

 

雲の中を歩いて行こう。

スペイン巡礼25日目!雲の中を歩く神秘的な巡礼と遂にガリシア地方に突入

・人間の都合から遠くかけ離れた大地
・ガリシア地方は紀伊山脈の気配
・雲の中を歩く神秘的な巡礼路
・タコ
・スペイン巡礼25日目記録

・人間の都合から遠くかけ離れた大地

 

大地というものは、配分というものをまったく考えてくれていない。高い標高の場所へ行かせるというのならば、1日かけてゆっくりゆっくりと高い標高の村に導いてくれればいいものの、地形というものは、人間の都合になんてまったく関心を持っていない。そんなことを感じた25日目の巡礼だった。

 

 

今日はVillafranca de BierzoからO Cebreiroまでの28kmの道のり。この巡礼の中で、不思議と最も心地よく歩いていける道だった。なんだか故郷の熊野古道に似ているような気がしたのだ。入り組んだ山道を清流沿いに曲がりくねって進んでいくところも、所々に歴史を感じさせる古木が立っているとところも、山間の村々の雰囲気も、不思議と熊野古道のある紀伊山脈を思い出すものだった。ぼくたちはついに、ガリシア地方に入ってきたようだ。

 

 

最初の道は常に平坦であり、どこまで行ってもどんなに歩いても平坦。ここまで平坦だと、もはや今日はずっと平坦なのではないかと思い込まされるような道だったが、最後の最後で大どんでん返しが待っていた。最後の最後のめちゃくちゃ急峻な坂をただひたすらに登らさせられるのだ。さっきまでの平坦な地形はなんだったのかと疑ってしまうほどに、本当にひたすらに山道を登っていく。一応木漏れ日あふれる美しい山道なのだが、そんなことも通用しないほどに、登山する肉体は激しい熱を帯びていた。この日も、美しい快晴だったのだ。

 

 

こんなに登らなければならない運命ならば、いっそ朝のうちから少しずつ登らせてくれて、バランスよく徐々に徐々に山頂にまで導いてくれればいいものの、カミーノの道はただひたすらの平坦な道と、最後の最後に激しすぎる上り坂を巡礼者に与えただけだった。この変化率の高さも、巡礼者に課せられた使命だろうか。

 

山を登っていくほどに、目の前に広がる景色は壮大になっていく。目前に広がっていく緑の光景、そしてもっと山の上の方では、山頂が雲海に包まれていて神秘的だ。この時はまさか、この雲海の中を突き進んで歩いていくなんて思いもよらなかった。

 

 

・ガリシア地方は紀伊山脈の気配

O Cebreiroまでの上り坂の間にも、美しい村々が点在している。ぼくは山間の村の水飲み場で、ガリシア地方出身で今はバルセロナに住んでいるという青年と出会った。ぼくが“日本のカミーノ”である熊野古道出身だと聞かせ、日本民族は古来から石や水や木を信仰してきたのだということを伝えると、彼の出身地であるガリシアも、同様に多くの自然であふれ、美しい水や木を大切にしていることを教えてくれた。

ガリシア地方に入ってから、不思議ととてもなつかしい気持ちになっている理由がわかった気がした。ぼくはガリシアと紀伊半島の山々の間に、共通の自然の神秘的な空気を感じ取っていたのだった、

「スペイン巡礼の道」と「熊野古道」。世界にたったふたつしかない「道」の世界遺産だ。ぼくは紀伊半島を深く旅した後で、その運命に導かれスペイン巡礼を開始したが、そのふたつはたまたま「道」の世界遺産になったというだけで、片方はキリスト教の祈りの道だし、片方は神道や仏教の祈りの道だし、似ている点や共通点など皆無だと思い込んでいた。しかしフランスヵらの600kmの歩行の果てに、ようやくガリシアにたどり着くと、そこには熊野古道と同じような“気”に満ちている大地が広がっていたのだった。これはまったくの予想外だったし、驚くべき幸福でもあった。

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北スペインを600km歩いてきて、ぼくはずっと“スペイン”を感じ取っていた。当然だがこんなに遠く離れたところで、日本に似ているものなど何も見つけられなかった気がする。空の色も、大地の風景も、作物も、日差しも、なにもかもが異なっていると感じた。スペイン巡礼と熊野古道は当然のように異質だと感じ取っていた。

しかしスペイン巡礼の最終目的地サンティアゴのあるガリシア地方に入ってからは、まったく予想していなかったことに、日本の奥深い大自然と同じような“気”を感じ取るようになっていた。ふたつの「祈りの道」の世界遺産は、果てしなく長い距離の隔たりを超えて、確かに通じ合っているのだと感じていた。それは深く熊野古道を旅した後に、実際にスペイン巡礼を800km旅しているからこそ、敏感に感じ取った感性なのかもしれない。

 

・雲の中を歩く神秘的な巡礼路

 

青年との会話を終えてさらにO Cebreiroまでの道を登っていくと、このスペイン巡礼で最も神秘的な道がぼくを待っていた。なんと下から見上げていた雲海の中へと巡礼の道が続いていくのだ。ぼくは雲海の中を進むにつれて、まるで天空の国を旅しているような気持ちになってきた。そして雲海は次第に濃霧に変わり、霧の中に神秘的な町が突如現れた、それが今日の目的地O Cebreiroだった。

 

深い霧の中の静かな町は、今までのスペインの旅でも訪れたことのないほどの不思議だと神秘性に満ちていた。ぼくはまるで、紀伊山脈で最も神秘的だった深い霧の中の「玉置神社」での体験を思い出していた。このスペイン・ガリシア地方の山頂の町でもまた、意識が紀伊山脈と確かに繋がったのだった。

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深い霧に包まれたガリシアの山々に住む人々。このような先のほとんど見えない霧の中で育まれた精神というものはいかなるものだろうか。閉ざされた霧の向こうに、見えないものを信じる心、見果てぬものに思いを馳せる瞳、見えないが故に敏感に神秘を感受する精神、そのすべてが織り成すガリシアの人々の心象風景は、紀伊山脈のそれと同じなのかもしれない。

見えない不安が心に宿ると、心は時間を長く感じる。霧の向こうがまったく見えないガリシアの風景の中に佇む時間は、まるで永遠のように感じられた。

 

 

・タコ

 

ガリシア地方に入ると途端にタコの看板が多くなる。タコ料理はガリシア地方の名産なのだ。タコ料理というのは他の料理と比べて意外と高く、20ユーロするのも珍しくはない。ぼくはせっかくガリシア地方に入ったのだしタコが食べたくて食べたくて仕方がなかったのだが、他の料理に比べてあまりに値段が違うので、もうちょっとガリシア地方の中心部へ行けば安くなるかもしれないと思いこの町では思いとどまった。

 

まだまだガリシアは始まったばかり!タコを安く食べられる日も近いだろう。ちなみにスペイン語でタコはpulpo!ガリシア地方では頻繁に目にする言葉なので覚えておこう。

 

 

・スペイン巡礼25日目記録

出発6時半 到着17時00分
消費カロリー1125kcal 歩数50966歩
移動距離31.3km

 

 

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