スペイン巡礼33日目!サンティアゴで巡礼証明書獲得と地の果てフィステーラで巡礼の旅の終わり

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スペインの巡礼は終わりました。

スペイン巡礼33日目!サンティアゴで巡礼証明書獲得と地の果てフィステーラで巡礼の旅の終わり

・サンティアゴで巡礼証明書を獲得
・サンティアゴでのミサとぼくたちの大失敗
・バス停までの上り坂を死ぬ思いで走った
・巡礼し歩くということの尊さ
・フィステーラ岬から望むまん丸な夕日

・サンティアゴで巡礼証明書を獲得

 

スペイン巡礼の最終目的地、サンティアゴ・デ・コンポステーラまで到着した翌日、ぼくたちはまず午前中に「巡礼証明書」をもらうために、Pigrim’s reception officeへ赴いた。ここで巡礼手帳を見せて、自分のスペイン巡礼の軌跡を確認してもらい、どこからどれだけの距離の巡礼を達成したか、その終了の証しに証明書を受け取ることができるのだ。到着した昨日に行ってもよかったのだが、午後は混んでいるらしく、朝一に並んだ方が待ち時間が少ないだろうということで、てらちゃんと意見が一致した。

 

 

朝一の8時の15分前にPigrim’s reception officeへ到着すると、そこには今朝にサンティアゴへ到着したばかりの巡礼者の列が出来上がっていた。そこには巡礼の途上で出会った人々も何人かいて、無事に巡礼を終了した喜びを抱きしめあい喜びあった。8時に開館して、並んだのは約30分ほど。巡礼手帳を係員に見せると、3ユーロで巡礼証明書を発行してもらえる。

 

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・神聖なものは800km歩いたくらいじゃ姿を現さない

 

その後はサンティアゴ大聖堂内を見学へ、大聖堂の料金は無料。しかし、なんと2019年内は大規模な内装の修復工事が行われており、普段行われているスペイン巡礼終了を感じられるミサは、2019年いっぱいここでは行われないという。代わりに近くにあるサンフランシスコ教会Convento de San Francisco de Santiagoで、大規模なミサが行われるようだ。

サンティアゴ大聖堂の内装工事の風景は、至る所に白い布が覆い被されていてたり鉄の棒で立体的に足場が組まれていたりして、これはこれで迫力のあるものだった。800km歩いてきてその全貌を見られなかったのは残念ではあったものの、白い布に覆い被せられたその様相は2019年の今しか見られないものだろうと思うと趣深いものがあった。きっと、1回800km歩いたくらいじゃ神聖なものの全貌なんて見せてやらないよという、聖なる者からの指摘だったのかもしれない。

 

もしかしたらぼくはもう一度、修復された美しいサンティアゴ大聖堂を見るためにまた、巡礼の道を歩くのかもしれないなぁとぼんやりと感じていた。

 

・サンティアゴでのミサとぼくたちの大失敗

サンティアゴ大聖堂を見学した後、ぼくたちは最後のミサに参加するためにサンフランシスコ教会を訪れた。ぼくたちの大失敗は、ミサが終わるとそのままフィステーラ行きのバスに乗ろうとしていたので、でかいバックパックをミサに持ってきてしまったことだった。なんと大きな荷物はミサに持ち込み禁止なのでPigrim’s reception officeにまで預けに行けというのである。そしてその預け料はひとつの荷物につき2ユーロだった!高い!こんなことになるのならホテルに無料で預けることができたのに、ミサが始まるまでに時間がなく、ホテルに戻るには時間がかかりすぎるので、有料でPigrim’s reception officeに預けるしかなかったのだった。本当にもったいない無駄な出費をしたと後悔している。

ミサの始まるギリギリの時間に到着したものの、巡礼の途上で出会ったキリスト教の仕事をしているフランス人の優しいおじちゃんがぼくたち分の席を取っておいてくれたのでとても助かった。この巡礼の旅で最後のミサが始まる。昨日のサンティアゴ大聖堂に到着しても、いまいち巡礼が終わったのだという実感が湧かなかった。もしかしたらこのミサを受けると終わったという感情が沸き起こるかと期待してみたが、このミサが終わっても、不思議とまだ巡礼が終わったという感じはしなかった。

 

 

・バス停までの上り坂を死ぬ思いで走った

 

ミサが終わると、ぼくたちはフランス人のおじさんと、その知り合い計10人の大人数で昼食を食べに行くことにした。またしてもこれが大変な運命の始まりだった!ぼくたちの乗りたいバスは2時半で、あと1時間半しかない。バス停へ行くために歩く時間を考えても1時間しか食べる時間はないのだが、1時間あれば大丈夫というおじさんの言葉を真に受けて一緒に昼食へと向かってしまった。

10人の大人数がいるにもかかわらず、1時間という短時間で昼食を取るというのは実に困難な体験だった。みんなフランス人、スペイン人、イタリア人だからよく喋るし、彼らとうまく会話を繰り広げながらも急いで食べ物を口へと運んでいかなければならないので、脳をフル回転させながら会話と素早い食事を繰り返さなければならない。もはや食事の味なんてしなかった。

 

そしてバスの時間があるからとぼくたち2人だけ早々と退散し、荷物をPigrim’s reception officeで受け取り、バス停まで走ろうとした瞬間!また感動の韓国人女性との再会がぼくたちを待っていた。彼女は足の裏にマメができてつらかった時に、ぼくに足の治療道具を与えてくれたり、さらにはどのようにそれらを使うか教えてくれた恩人で、しかしそれ以降まったく会うこともなく、ぜひ会いたいと願っていた人だった。彼女のおかげでぼくの足のマメはよくなったのだと感じていた。

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巡礼の途上ではまったく会わなくなっていたので、まさかまさかの再会に感極まり、喋りまくり写真を撮ったりしているうちに、バスの出発時間は差し迫っていた。彼女と名残惜しく別れを告げ、そのままバス停までダッシュしたのだが、この道がやたらとキツかった。サンティアゴの街はやたらと坂が多いのが気になっていたが、バス停までの道のりは上り坂ばかりで、しかもその道を10kgのバックパックを背負いながら走るので、本当にどの巡礼の道よりもしんどかった。

なんとか間に合いそうかと思ってバス停まで駆け込むと、ぼくたちの乗りたかったバスは目の前で出発してしまった…。本当に、20分間走っただけで、1年分疲れた思いだった。2時半のバスを逃して、次のバスはなんと7時だった…。それを知った瞬間、2年分疲れた。

 

 

・巡礼し歩くということの尊さ

なんとか4時間暇を潰しつづけ、7時のフィステーラ行きのバスに乗り込んだ。フィステーラとは大航海時代以前は世界の「地の果て」と信じられていた港町で、スペイン巡礼者はサンティアゴで終わらずにこの地の果てフィステーラで巡礼を終わらせる人々もいるらしい。サンティアゴからフィステーラまでは歩いて3日間かかる。ぼくたちはフライトの関係で歩くことができなかったのでバスで向かうことにした。

1ヶ月以上まったく文明の利器を利用せず、バスにも電車にも乗っていなかった。ぼくたちはただひたすらにスペイン巡礼の道を歩いていた。巡礼後初めてバスに乗る。それは思いもよらないおかしな体験だった。

ぼくが感じたのは、バスの車窓から見る景色の果てしない違和感だった。どうしてこんなに高速に景色が変化してしまうのだろうと脳が不思議に感じてならなかった。1ヶ月間歩いてきた巡礼者のぼくらにとっては、景色とは歩行の速度で移動していくのが当然の成り行きであり、こんなにもめまぐるしく景色が変わっていくなんて信じられない現象だった。しかも本来ならば景色と共に与えられるはずの感覚、すなわち川のせせらぎや、木々の匂いや、照りつける太陽の痛みや、風が肌に当たる優しさや、足に感じる自分自身の重みが、まったく感じられないなんて、巡礼後のぼくらにとってはとても異常なことだった。ぼくたちは速さを手に入れる代わりに、沢山の人間として、生命として受け入れて生きて行くべき大切な感覚を手放していたのだ。それは果たして正解だったのだろうか。

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32日間歩くことを実行し、その後で歩くことを手放した時に初めて、歩くことの尊さを学んだ。

 

 

・フィステーラ岬から望むまん丸な夕日

 

夜の8時にやっとフィステーラに到着し、宿に荷物を置き、フィステーラ岬へ夕日を見にいくことにした。街中からフィステーラ岬までは歩いて1時間ほどの道のり。巡礼が終わったのに、なんでこんなに歩いたり走ったりしているんだろうと不思議に思いながら、フィステーラ岬まで足を進めた。

 

 

「地の果て」だと信じられたその岬からの夕日の眺めは、実に情緒的で美しかった。海へと沈んで行く見事にまん丸なオレンジのお日様が、まるで丸い食べ物のようで、丸い食べ物って何だろうと思い描きながら夕日を見ていた。おまんじゅう、おせんべい、お団子、たこ焼き、お好み焼き…。

 

夕日に照らされて、海にオレンジの道ができあがっている、沖縄で何度も見た風景だ。そして夜に明るい月が出ると、今度は夜の真っ暗な海に月の道ができる。ぼくはこの夕日を見て、やっと、ああスペイン巡礼が終わったのだなと思えた。

 

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