東京公演と大阪公演の違いは?中島みゆき歌会VOL.1はフェスティバルホールの歌唱が絶好調だった
・中島みゆきのコンサート「歌会VOL.1」の日程
・大阪公演でも当日券はやっぱり最後尾の席だった
・「歌会VOL.1」大阪公演セットリストは東京公演と同じ
・大阪フェスティバルホールの音質はめちゃくちゃいい
・大阪フェスティバルホールはスムーズに入場できた
・大阪フェスティバルホールでは最後尾でも比較的みゆきさんが近い
・大阪公演のみゆきさんの歌唱は絶好調だった
・歌唱が全然違う!それぞれの楽曲を東京公演と比較してみた
・中島みゆき大阪公演のラスト曲前の重要なトーク
・「歌会VOL.1」の東京公演と大阪公演に両方参加した感想
目次
・中島みゆきのコンサート「歌会VOL.1」の日程
2024年現在、中島みゆきのコンサート「歌会VOL.1」が開催中だ。「歌会VOL.1」の公演予定は、以下の通りとなっている。
1月19日(金) 東京:国際フォーラム ホールA
1月21日(日) 東京:国際フォーラム ホールA
2月20日(火) 東京:国際フォーラム ホールA
2月22日(木) 東京:国際フォーラム ホールA
3月13日(水) 東京:国際フォーラム ホールA
3月15日(金) 東京:国際フォーラム ホールA
3月29日(金) 大阪:フェスティバルホール
3月31日(日) 大阪:フェスティバルホール
4月9日(火) 大阪:フェスティバルホール
4月11日(木) 大阪:フェスティバルホール
4月23日(火) 大阪:フェスティバルホール
4月25日(木) 大阪:フェスティバルホール
5月8日(水) 東京:国際フォーラム ホールA
5月10日(金) 東京:国際フォーラム ホールA
5月29日(水) 東京:国際フォーラム ホールA
5月31日(金) 東京:国際フォーラム ホールA
・大阪公演でも当日券はやっぱり最後尾の席だった
ぼくはこの中で、初日の1月19日の東京国際フォーラム公演に当日券で参加した。当日券はどれだけ素早く画面を先へ先へと進めることができるのかを競うゲームとなっており、運などとは関係のない完全に実力勝負の世界だった。当日券を勝ち取るためには可能な限りインターネットを素早く操る能力とその環境、さらにはどのように進めれば最速で当日券確定の最終画面まで辿り着けるのかを見極める調査能力が求められるだろう。ぼくの場合はコロナワクチンバイトの高額優良案件をゲットするためにMRT最速戦士になっていたので、中島みゆきの当日券は余裕で手に入れることができた。
今回は家族がファンクラブで当選していた4月11日の大阪フェスティバルホールのチケットがあったので一緒に参加した。東京公演に続き、歌会は2回目だ。その日に親戚の人も一緒に行きたいが一般選考が当たらなかったということだったので、ぼくが当日券を取ってあげて3人で参加することができた。やっぱりぼくにとって当日券を取ることは非常に簡単だったが、今回は人の役に立てたので喜ばしい気持ちだった。
東京公演では当日券は一番後ろの端っこというよくない席だったが、インターネット上の情報も加味すると当日券はすべて最後尾の席があてがわれているのだろうと予想していた。今回の大阪公演でもその予想は当たり、やはり当日券は舞台から最も遠いよくない席(3階の最後尾)のようだった。ちなみにファンクラブで取られたぼくの席も3階の4列目だったので、そういい席だったというわけではなかった。
今回は久々に中島みゆきの歌会に参加することができ、東京公演と大阪公演の両方を経験することができたので、東京公演初日と比較しながら今回の4月11日の大阪フェスティバルホール公演を振り返ってみようと思う。(以下ネタバレ注意!)
・「歌会VOL.1」大阪公演セットリストは東京公演と同じ
まず、大阪公演のセットリストは東京公演と全く変わらず以下の通りだった。夜会の曲も変わらなかったし、地上の星が新・地上の星になることもなかった。
前半
1.はじめまして(フル)
2.歌うことが許されなければ(フル)
3.俱に(フル)
4.病院童(フル)
5.銀の龍の背に乗って(フル)
6.店の名はライフ(フル)
7.LADY JANE(フル)
8.愛だけを残せ(フル)後半
9.ミラージュ・ホテル(ほぼフル)
10.百九番目の除夜の鐘(notフル)
11.紅い河(notフル)
12.命のリレー(notフル)
13.リトル・トーキョー(フル)
14.慕情(フル)
15.体温(フル)
16.ひまわり”SUNWARD”(フル)
17.心音(フル)アンコール
18.野ウサギのように(notフル)
19.地上の星(フル)
・大阪フェスティバルホールの音質はめちゃくちゃいい
まず感じたのは、大阪フェスティバルホールってめちゃくちゃ音がいいなということだった。ぼくは音の良し悪しなんてわかる種類の人間ではないと自分では思っていたが、明らかにこの前見た東京国際フォーラム公演よりもはるかにいい音質で歌会を堪能することができていると断言できてしまうほどだった。というか東京国際フォーラムの音が悪いだけ?ぼくは歌会初日で何だか音が悪いなと心のどこかで何となく思っていたが、あれは気のせいではなかったのかもしれない。
・大阪フェスティバルホールはスムーズに入場できた
東京国際フォーラム公演では入る前からアホみたいに混雑していて、地下鉄からやって来る一般の人などもいて並びにくいし、あまりに長蛇の列になり屋外まで列ができているという有様だったが(雨の日などはさぞ不便だろう)、大阪フェスティバルホールではほとんど混雑を感じることがなくスムーズに入場することができて快適だと感じた。
・大阪フェスティバルホールでは最後尾でも比較的みゆきさんが近い
それぞれの会場ではみゆきさんの見え方にも違いがあると感じた。東京国際フォーラムでも大阪フェスティバルホールでも歌会は最後尾付近でみゆきさんを見ることになってしまったが、どんなに後ろの席でも大阪フェスティバルホールの方がみゆきさんが大きくて見えやすいような気がした。今回の大阪公演ではあらかじめ席がわかっていたこともあり、東京公演の反省を踏まえきちんと双眼鏡を持参していったが、双眼鏡なしでもみゆきさんの服装や表情が初日よりもわかりやすかった。
・大阪公演のみゆきさんの歌唱は絶好調だった
またこれは日によるのかもしれないが、観客のノリも大阪の方がいいように感じられた。観客のノリがいいとみゆきさんのノリもよくなり、テンションが高くなり、それがその日の歌唱にも直結するのどうなのかわからないが、4月11日の歌唱はかなりの絶好調だった。それぞれの楽曲も歌い方が変わり、表現豊かになり、特にこの日はガナリ歌唱が多いような気がした。もしも観客のノリがいいとみゆきさんの歌唱もよくなるというのであれば、観客のノリという要素もまんざら軽視できないだろう。日本という国は地形的に、西の民族は南の民族となり、東の民族は北の民族となるので、西の民族が集まりやすい大阪は南国的となり、陽気なノリになりやすい傾向があるということなのだろうか。トーク時のキャラクターとしては最初から最後まで、もはや可愛いおばあちゃんキャラというか、ゆる~いおとぼけキャラになっていた。
・歌唱が全然違う!それぞれの楽曲を東京公演と比較してみた
それぞれの楽曲について言及すると、3曲目「俱に」はより情感を込めて優しい雰囲気で歌われていた。声の調子のよさを感じ始めたのは5曲目「銀の龍の背に乗って」で、最後の絶唱が本当に素晴らしく迫力があった!もはや本当に銀の龍が天空に向かって飛んでいく様子が見えているかと錯覚してしまうほどの感動的な絶唱だった。
驚いたのは15曲目の「体温」で、今回の大阪公演ではこの楽曲に若干のガナりが入っていた。ガナりっていうか低い声で少し威圧的な雰囲気?CD音源の「体温」はほのぼのとしたかなり軽めの印象で、コンサートの中でも箸休め曲的な立ち位置かと思っていたので、まさかこの曲が化けてしまうなんてと意外な変化だった。ちなみに東京公演では普通にほのぼのと歌われていた記憶がある。
今回のコンサートの中でも最も重要な中心的な意味を担っていそうな16曲目「ひまわり”SUNWARD」も相変わらず迫力ある歌唱だった。今回の公演でも東京公演に引き続きラストサビの”たとえ”の後の歌詞は歌われていなかったので、そういう演出だったということが明らかになった。どうして敢えてそういう演出になっているのだろう?
たとえどんな名前で呼ばれるときも
花は香り続けるだろう
たとえどんな名前の人の庭でも
花は香り続けるだろう
悲しい戦争や争いが世界中で起こっているときに、このように願い祈り続ける弱き人々がいる場合であっても、暴力や戦火がそのような人々の心や声をいとも簡単にへし折り、踏みにじり、やがては消し去ってしまうという残酷な事実の暗示なのだろうか。もしくはどんなにこのように祈り続けても、結局人間は戦争や暴力へと突き進んでしまう習性を持った生き物であるという諦めの気持ちを表現しているのだろうか。
ラスト曲の「心音」は東京公演と同様、完全で完璧な文句のつけようもないほどの絶唱!この曲のためにこれまですべてのエネルギーが残されていたのではないかと疑ってしまうくらいに、心を動かされ歌の世界にのめり込んでしまう。まるで夜会のラストシーンを見せつけられているのと同じような衝撃が、魂にダイレクトに響き渡る。このような神秘的な衝撃が、人間には生きているうちに果たしてあと何度与えられるのだろうか。中島みゆきが音楽の精霊か、言葉の神様のように見えてしまう瞬間だった。
アンコール最後の「地上の星」も、東京公演ではCDのように当たり障りなく歌われていた印象だったが、大阪公演では高揚感のあるガナり歌唱に。最後の最後まで満足感の高い大阪公演だった。
・中島みゆき大阪公演のラスト曲前の重要なトーク
トーク内容としては東京公演と大きく変わることがなかったが、17曲目「心音」前の重要なトークに若干の変更が加えられているように感じられた。
「4年待ったのに、もう最後の曲になりました。
4年も考える時間を持たされてしまって、さすがの中島もちょいと考えましたね。なんか、コンサートって何なのかしら?なんてね。考えちゃいましたね。でもね・・・わかんなかったわ!
明日何が起こるかなんて、誰にもわからないんだもの。1秒先に何があるなかんて、誰もわかんないんだもの。それは今に限らず元々そういうものだったんでしょうし、これからもきっとそうなんでしょう。私だってまさかここに至ってアニソンデビューするとは。
本当にもう思いがけないことばっかりだっていうのは
しみじみわかりきっているはずなんだけれど
なのに私はね、ものすごく先案じするタイプなの
もしもああなったらどうしよう、こうなったらどうしようって
なんか案じるばかりで時間を使っちゃって、今を粗末にするたちなの
だからちょっと何とかしたいと思うの、この性格。
今の、今日、ここにいられて、うれしいわーっていう、この今を、大事に思いたいの。
今日は貴重な時間を使ってくださって、ありがとうございました。」
・「歌会VOL.1」の東京公演と大阪公演に両方参加した感想
今回「歌会VOL.1」を2回も、東京公演と大阪公演の両方に参加できたのは貴重な経験だった。同じ公演だし、同じ楽曲だし、きっと同じトークだし、変わるのはお便りコーナーの内容くらいだろうし、2回も行くと何か違うのかなと最初は思っていたが、感動的な衝撃だらけで大阪フェスティバルホールに来られて本当によかったと心から感じられた。
まず同じセットリスト、同じ楽曲であっても、日程が違うだけでこんなにも歌唱表現が異なり、その日によって歌に込められる気持ちや、歌の意味すら違って聞こえてしまうなんて、これぞ生ものであるライブの醍醐味なのだと思い知らされた。行けば行くだけその曲の様々な側面を垣間見られることになり、楽曲に対する理解や思いが深まっていくのだと実感できた。またみゆきさんも生ものの人間なので、歌唱の調子が絶好調の日とそうでもない日があるのかもしれないと感じた。もしくはそれは、その日の観客の雰囲気に左右され得るのかもしれない。
またライブなんてどこでやっても同じだと思っていたが、今回東京公演と大阪公演の両方に参加して、ホールにもそれぞれ特色があり、どのホールに行くかってめちゃくちゃ重要なことなのだと認識させられた。ぼくの中では音質、入場のスムーズさ、みゆきさんとの近さなどどれを取っても大阪フェスティバルホールの方がはるかに優れていると感じられた。きっとこれはいつものように大阪フェスティバルホール公演だけに行っていたならわからなかったことだろう。
ファンとしてあるまじきふるまいかもしれないが、ぼくは今回の「歌会VOL.1」では何もグッズを買っていなかった。理由はシンプルに欲しいものがなかったからだ。いつもは最低でもパンフレットくらいは買っているのだが、そもそも「歌会VOL.1」のポスターの写真もアルバム「世界が違って見える日」の使い回しだし、何だかものすごく手抜き感が感じられたので、4000円も払って買う価値があるのかわからないと思ってしまったのだ。しかし4月11日の大阪フェスティバルホール公演があまりに素晴らしかったので、その満足感と感動をありがとうという気持ちを込めて、お布施のようなつもりで帰り道パンフレットを購入してしまった。この4000円でみゆきさんがこれからも素晴らしい音楽作品を作り続けてくれる小さな手伝いができればという、ほんのささやかなせめてもの気持ちだった。
ぼくはそろそろアフリカに旅立つ予定なので、もう「歌会VOL.1」を見る予定はないが、同じ内容であっても複数回鑑賞することの貴重な意味を、ただただ教えられたコンサートとなった。