世界遺産「那智の滝」で、まるで古代日本のような祈りの姿を目撃した!!!!!
まさに神武東征の世界観!和歌山県「那智の滝」では原始的で純粋な自然崇拝の形が受け継がれていた
・男根崇拝に大洞窟風呂!2021年に紀南の小旅行へ出かけた
・那智の滝を見に、世界遺産の那智大社を訪れよう!
・まさに絵に描いたような「熊野古道」の世界観を体感できる「大門坂」
・まるで古代!「飛瀧神社」で那智の滝に祈りを捧げる神主さんが神秘的だった
・神武東征とは?那智の滝の自然崇拝は神武天皇の発見が起源とされている
・日本人は本来何に対して祈りを捧げていたのか、その答えは熊野古道にある
目次
・男根崇拝に大洞窟風呂!2021年に紀南の小旅行へ出かけた
2021年、ぼくは1泊2日の紀南(和歌山県の南)の小旅行に出かけた。
1日目は和歌山県白浜の「歓喜神社」「白浜美術館」を訪れ、日本だけではなく世界中の生殖器崇拝についての知見を深めることができた。
また宿としては那智勝浦の「ホテル浦島」に宿泊し、有名な巨大洞窟露天風呂を堪能することができて満足した。
・那智の滝を見に、世界遺産の那智大社を訪れよう!
1日目は白浜のマイナーな観光地を訪れただけで終わってしまったが、2日目はきちんとした世界遺産の観光地である熊野古道・那智大社を訪れ、まさに絵に描いたような観光客としての1日を過ごした。
那智大社は2019年の紀伊半島一周・車中泊の旅でも訪れたが、熊野三山の中でも最も好きだと感じた場所だったので、何度訪れても心が洗われる思いがした。
・まさに絵に描いたような「熊野古道」の世界観を体感できる「大門坂」
那智大社へ辿り着くまでの「大門坂」の風景は、誰もが頭に思い浮かべる「熊野古道」の風景が繰り広げられていて相変わらず美しい。古より続く神聖なこの道の先で、那智大社と那智の滝が待っている。
・まるで古代!「飛瀧神社」で那智の滝に祈りを捧げる神主さんが神秘的だった
まずは那智の滝へ参拝するために「飛瀧神社」を訪れた。「飛瀧神社」は那智大社の別宮であり、那智の滝そのものを御神体として祀っている。「飛瀧神社」へ参拝すれば、那智の滝を真下から間近で眺めることができる。「飛瀧神社」の鳥居をくぐり抜け、階段を少し下っていけば、目の前に壮麗な那智の滝が姿を現す。
那智の滝って本当に美しい!和歌山県の那智の滝は日本三大瀑布のひとつに数えられていて、ぼくは2020年の日本一周の旅の中で、その他の2つの滝も訪れてみた。その他の2つの滝とはすなわち、茨城県「袋田の滝」と栃木県「華厳の滝」である。どの3つの名瀑も見応えがあってものすごく感動したが、やっぱり最も見事で美しいのは那智の滝であると感じられた。白い絹の布のように、上空からスーッと滑らかに落ちていく水の流れが神秘的で麗しい。
滝の真下でうっとりと那智の滝を眺めていると、目の前でいきなり伝統的な衣装を着た神主さんが登場し、なんと那智の滝にお祈りを捧げ始めた!まずは滝に向かってお辞儀をし、何やら紙を取り出して広げ、それを読み上げている!おそらく神様へ捧げる言葉の祝詞が書かれてあるのだろうか。
御神体である荘厳な滝の前で、日本の伝統的な衣装に身を纏った神主さんが祈りを捧げている姿を見ると、まるで古代の世界にタイムスリップしたような感覚に陥った。そして大自然へと祈りを捧げるこのようなスタイルは、もしかしたら古代日本から脈々と現代に至るまで受け継がれているのではないかと感じられたのだった。
・神武東征とは?那智の滝の自然崇拝は神武天皇の発見が起源とされている
那智大社は、天皇一代目である神武天皇の東征を起源としているという。神武東征とは、神武天皇が日本の地を治めるために、宮崎県から船出しやがて奈良県の橿原へと辿り着いたとされるまでの旅路のことを指している。宮崎県を出発し、大分県、福岡県、広島県、岡山県、大阪府と船旅を継ぎながら、最終的には和歌山県の丹敷浦(にしきうら)(現在の那智の浜)へと上陸した。紀元前662年のことであるとされる。
熊野那智大社社伝には「神武天皇が熊野灘から那智の海岸“にしきうら”に御上陸されたとき、那智の山に光が輝くのをみて、この大瀧をさぐり当てられ、神としてお祀りになり、その御守護のもと、八咫烏の導きによって無事大和へとお入りになった」と記録されているという。神武天皇はこの滝を大己貴神(おおなむちのかみ)すなわち大国主命(おおくにぬしにみこと)の現れたる御神体とした。那智の滝の守護と八咫烏の導きによって、ついに奈良県の橿原に辿り着き、紀元前660年2月11日に初代天皇として即位したというのが、神武東征の旅路の結末となっている。
ぼくは旅人として、この神武東征の物語が大好きだ。神武天皇も旅人でいらっしゃったんだなぁとも感じるし、そんなに古代から人間は日本中を旅してきたんだなぁと思うと、やはり人間は旅を継ぎながら様々な歴史を紡いできたのだと古代に思いを馳せずにはいられない。そして最も重要なポイントは、神武天皇も紀元前662年にこの那智の滝をご覧になり、神様として祀ったという事実ではないだろうか。
現代を生きるぼくたちがこの那智の滝という壮麗な滝を目の前にして、極めて神々しいと感じ、自然と自発的に祈りを捧げてしまうのと同じように、紀元前660年の日本の人々もまた、自然とこの大自然の生み出した美しい滝に祈りを捧げていたのだと思うとなんだか感動せずにはいられない。それくらい日本人というのは、根底の部分では基本的な感性を古来より保ち続け、長い間精神的な構造が変わることのない民族なのではないだろうか。ぼくの目の前で神主さんが那智の滝に祈りを捧げているようなまさにそのような姿で、紀元前の神武東征の時でさえ、人々は同じように那智の滝に祈りを捧げたのではないかと思うと、時空を超越してもなお変わらずに貫かれたものを目の当たりにしたようで心が満たされた。
・日本人は本来何に対して祈りを捧げていたのか、その答えは熊野古道にある
世界では様々な宗教が入り乱れている。本来信仰していた宗教や祈りが奪い取られ、新しく侵略してきた外部の神々を信じるように強要される国や人々もあるだろう。やがて世代が経つにつれて自分たちが本来は何を信じていたのかさえわからなくなり、忘れ去り、外部の習わしに染まってしまう。大地とそこに生きる人々の感性が自然発生的に育んできた、精神の根源と繋がりのあった祈りの形態は、受け継がれる術もなく、止むを得ず忘却の彼方へと置き去りにされてしまう。
「ぼくたちは本来、何に祈りを捧げてきたのか」
仏教という外来種ではなく、神道という政治的目論見ではなく、その遥か以前の古代より日本人のぼくたちが何に対して祈ってきたのか、その答えが今でもすぐそばにあるということの尊さに、ぼくたちは気づくべきではないだろうか。
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