アメリカを経由せずに日本からメキシコへ飛ぶには????!(アメリカビザ取得が面倒臭い)

ESTAキャンセル界隈がメキシコへ飛ぶには?イラン入国歴があるぼくはアメリカ経由でないフライトを探すのに苦労した
・ミズイロノタビはついに恐怖の中南米編へ!
・中南米の旅の始まりはメキシコの死者の日
・ESTAキャンセル界隈が日本からメキシコまでアメリカを経由せずに移動する方法を徹底考察
・最も安いアメリカ経由ではないメキシコ行き航空券をSkyscannerで検索しよう
・死者の日のメキシコは普段とは異なるので注意が必要だった
目次
・ミズイロノタビはついに恐怖の中南米編へ!
ぼくは元来、とても用心深く臆病な性格だ。だからインドへ行く時もお腹を壊しそうで怖かったし、アフリカ縦断をする時もマラリアにかからないかとても心配だった。本当ならばインドもアフリカも恐ろしいので行きたくないのだが、世界一周しなければならないという旅する炎が根源から燃え盛っていたので、おそれを乗り越えて自らの内なる声にただ純粋に従って、旅立ちたくないという気持ちと旅立たなければならないという使命感のような情熱に自分自身で引き裂かれそうになりながら、何とかインド一周とアフリカ縦断を完了させた。
そして次の世界一周の目的地は、ぼくが最も恐ろしいと感じる中南米だ。インドもアフリカも怖いことには怖いがまぁ死ぬことはないだろうという感じがするが、中南米ってマジで殺されそうなイメージがあるし実際に日本人の若い旅人が強盗に殺されたというニュースを何度か見かけたこともあるので、まさに世界一周の最強ラスボスに挑むような気持ちになっていた。さらに中南米は英語が通じずにスペイン語の最低限の知識が必要、イランに行ったことがあるのでアメリカ経由の飛行機を使おうとするとアメリカビザ取得が必須になるなど、数々の困難が目の前に立ちはだかっていた。
ただスペイン巡礼で出会った南米の人々は、今まで出会ったことのないほど明るくて朗らかで一緒にいて楽しい気質だったので、南米に住む人のイメージは全く悪くなくむしろよかった。また世界一周している旅人には南米が最も魅力的な場所だったと語る人も多いので、そういう意味で恐れてばかりいて訪れないのは勿体無いほど価値ある素晴らしい場所なのかもしれない。
・中南米の旅の始まりはメキシコの死者の日

2025年のぼくは高齢のおばあちゃんの体調の問題があり、なるべくそばにいてあげたかったので外国には出ずに故郷に留まり、その合間合間にマイカーで東日本周遊、北海道一周、西日本一周、日本の離島を巡る旅をして、結局日本一周2回目の旅を行うという結果となってしまった。そんな大好きなおばあちゃんも安らかに遠いお国へと旅立ってしまったので、ぼくも中南米への旅立ちの時が来たのだろう。
人間の体のことなのでおばあちゃんの体調がいつどうなるかわからず、ぼくもいつ外国に出られるのかわからないような状態だったが、一応いつ中南米に行けるようになってもいいように、ひとつの目安を設定しておいた。それは2025年11月1日・2日のメキシコ「死者の日」に参加することだ。
死者の日で有名なメキシコのオアハカという町は、直前だと全く宿が取れないかものすごく高額となるので、行けるか行けないかはわからないけれどとりあえずかなり前からキャンセル無料のAirbnbで民泊の予約を抑えておいた。ぼくが2025年3月に予約した時点ではオアハカには当然ながら多くの宿の空きがあり、4泊12800円ほどで予約することができた。死者の日1ヶ月前の現時点ではドミトリーでも4泊7万円くらい、個室なら20万円くらいすることが確認されるので、何事も早めに行動することの重要性を痛感させられる。
正直言って宿を予約した3月の時点では、死者の日なんか行けるかどうか全くわからないような状況だったが、おばちゃんが旅立った日を考慮するとメキシコの死者の日へ旅立つ準備をするのにちょうどいい期間が残されていた。これはメキシコへ旅立つようにおばあちゃんが導いてくれているのだろうか。
・ESTAキャンセル界隈が日本からメキシコまでアメリカを経由せずに移動する方法を徹底考察
いざメキシコへ行こうとすると、問題なのかフライトチケットだ。日本からメキシコ行きのチケットで最も安いのは、全てアメリカを経由したものばかりだ。しかしぼくはイランへの渡航歴がありアメリカのESTAを取得できない、俗に言う”ESTAキャンセル界隈”の一員なので、アメリカ経由のフライトに乗るためにはアメリカのビザが必須となり、それを取得するためには面談のためにアメリカ大使館を訪れなければならないし料金も185ドルかかるし色々と面倒事が多い。できることなら安く、そしてアメリカを経由せずに日本からメキシコへ渡りたいのだが、そんなことは可能なのだろうか。
skyscannerでフライトチケットを検索しようとしても「アメリカを経由しない」という設定ができないので、自分で地道にコツコツ航空券の値段を調べていくしかなさそうだ。条件としてはアメリカを経由しないこと、乗り換えが少ないこと、長時間のフライトが予想されるのでなるべくLCCを避けたいのが本音だ。有力なのはヨーロッパ経由、カナダ経由だろうか。カナダ経由ならZIPAIRやティーウェイ航空などのLCCを駆使してバンクーバーへ飛び、そこからアメリカ経由を避けるために直行便でメキシコシティに飛ぶのがよさそうだ。日本からバンクーバーまでのLCCは4〜5万円台から、バンクーバーからメキシコシティの直行なら便利なフルサービスキャリアでも5万円台から確認できた。カナダで乗り継ぎするためにはeTAを取得する必要があるようだが、オンライン申請でき料金も7カナダドルと安いので問題なさそう。
ヨーロッパのいくつかの都市からもメキシコへの直行便が出ているようだが、フルサービスキャリアだと料金が高め。乗り換えのない直行便のLCCに絞って検索するとベルギーのTUI fly BelgiumやポルトガルのOrbestという航空会社があり、それぞれブリュッセルからカンクン、リスボンからカンクンまで飛んでいるようだ。ヨーロッパから直行便で安くメキシコへ飛ぼうとすると、カンクン着になりそうだ。ヨーロッパ経由ならビザの必要もないので乗り換えは楽。しかし日本からブリュッセル、日本からリスボンへ行くためのフライトチケットはやや高めの印象(何回も乗り継いだりLCC利用なら4万円台からあるが、航空会社も変わるし確実に面倒臭そう)。それでもヨーロッパは全て陸で繋がっているので必ずしもブリュッセルやリスボンに到着する必要はなく、周囲の代表的な都市で調べてみると、大阪発マドリード着の便では中国のフルサービスキャリアが頻繁に運行されているのを確認できた(料金は4万円台からあり)。
カナダ経由もヨーロッパ経由も値段はそんなに変わらず9〜10万円くらいだった。安いと言われるアメリカ経由でもアメリカビザ代を加えるとこのくらいかかりそうな上面談も必要なので、それならばカナダ経由もしくはヨーロッパ経由を選択する方が賢明だと判断した。カナダ経由でもヨーロッパ経由でもどちらでもよかったが、三井住友カードゴールド(NL)の海外旅行保険改悪により10月16日以降に出発すると利用付帯ができなくなる関係もあり、日本からマドリードへ飛び、そこからスペイン、ポルトガルを10日間ほど周遊して、リスボンからメキシコのカンクンへ飛ぶというヨーロッパ経由の移動をすることにした。スペインは2019年のスペイン巡礼の旅以来、ポルトガルは人生初の一人旅である2011年以来となる。バンクーバー周辺で10日間過ごすよりもスペイン、ポルトガルを10日間巡る方が絶対に楽しいだろうと思ってヨーロッパ経由を選んだが、中南米はスペイン、ポルトガルに支配された歴史があり言語もスペイン語、ポルトガル語となっているので、もしかしたら中南米に行く前にその大元となる国々に触れるべきだと本能的に理解していたのかもしれない。
・最も安いアメリカ経由ではないメキシコ行き航空券をSkyscannerで検索しよう
ぼくが予約した航空券は以下の通りだ。Skyscannerで値段を念入りに調べた上で購入した。
まずは大阪からマドリードまで中国国際航空を利用して、北京経由で行くことになった。利用したサイトはHISだった。HISとか手数料めちゃ取って高額なイメージがあったのに、まさかHISが最安値になることがあるなんてと驚きを隠せなかった。ただハピタスなどのポイントサイトを経由した場合はやや高く、Skyscannerを経由した場合のHISの値段だけが何故か安かった(理由は不明)。料金は48910円だった。
次にリスボンからカンクンまでの航空券はBooking.comを利用して、LCCであるOrbestの直行便を予約した。料金は57808円、所要時間は10時間の予定だった。
・死者の日のメキシコは普段とは異なるので注意が必要だった
ただメキシコ旅行の詳細を調べていくと、ぼくの選択は詰めが甘かったとも感じた。ぼくは10月30日から11月3日までオアハカの宿を予約しており、10月30日にはオアハカに移動しなければならない。しかし死者の日周辺のカンクンからオアハカまでの飛行機が普段と比べてかなり高額だったのだ!ぼくはメキシコシティだろうがカンクンだろうが、とりあえずメキシコに到着してさえいれば何となくオアハカに簡単に移動できるだろうと思っていた。しかし普段はそうでも世界的に有名で人気な死者の日周辺のメキシコはオアハカの宿だけではなくオアハカ行きの航空機代もバカ高くなっており、その移動手段を再考せねばならなかった。本来ならば強盗被害を避けるためにも時間効率的にもLCCなどの飛行機で移動するのがメキシコでは最善なのだが、普段は1万円〜2万円で予約できるカンクン発オアハカ着の直行便のチケットが死者の日周辺だけは5万円も6万円もするのは買うのが躊躇われる。別に買えないことはないが、何だか勿体無く感じられてしまう。
メキシコでは長距離バスも発達しており、特に外国人観光客にはADOバスというバス会社おすすめのようだ。オンラインでも予約できるので便利そうで、早速検索してみたのだが何とカンクンからオアハカへ行くためのADOの長距離バスはなかった。それもそのはずで地図を眺めてみると、カンクンとオアハカはめちゃくちゃ離れていて陸路で移動していたら24時間以上かかる距離なので、おそらくその路線の需要がないということなのだろう。一方で首都のメキシコシティからオアハカ行きのADOバスは頻繁に出ているようで、その理由はメキシコシティからオアハカまでの距離が近いからだ。ぼくはきちんとメキシコシティ、カンクン、オアハカの地理的関係性を把握しておらず、地図を見ればメキシコシティとオアハカは近く、カンクンからオアハカまではかなり遠いので、このような事態は予測できたはずだった。普段ならばカンクンからオアハカへの移動もLCCが安いので何の問題もないのだが、死者の日周辺の航空機代の高騰という異常事態を知らずにカンクン・インにしてしまったことはぼくの失敗だと言えるだろう。もしもカナダ経由でメキシコシティ・インにしていたならば簡単に安く(50USD)ADOバスでオアハカまで移動することができたのに!
しかし安い航空券を買ってしまった以上もはやキャンセルもできず後の祭りなので、スペインとポルトガルに導かれたのだと思ってその2ヶ国をまずは楽しむより他はない。初めてのメキシコで地理的情報をしっかりと把握していなかったことに加えて、死者の日は普段とどう違うのか外国人には全くわからなかったので今回は仕方ないと諦め、お祭りというものには十分注意しなければならないことを学んだ。
