大阪城でコロナワクチンバイト!2021年の仕事納めは東京駅と大阪城案件だった
・3年間に渡るぼくのコロナワクチンバイトの歴史
・案件閑散期だった2021年12月の思い出
・様々な会場で勤務した大阪市の思い出
・2021年の仕事納めは、大阪城近くの城見ホールで
・中島みゆき「真夜中の動物園」
目次
・3年間に渡るぼくのコロナワクチンバイトの歴史
ぼくは今どこの病院にも組織にも属さないフリーランスの医師として、日本全国でコロナワクチンのスポットバイトをしながら生計を立てている。2021年6月末から大阪市でコロナワクチンバイトを開始し、そこからいくつかの医師派遣サイトに登録しスポットバイト案件を手に入れる術を身につけ、コロナワクチンバイトに従事しながら日本各地をさながら旅するように渡り歩き、もはや3年以上の月日が流れ去ってしまった。
2024年3月でコロナワクチンが無料で受けられる期間は終了してしまったが、おそらく日本で唯一最後まで残された大規模接種会場でコロナワクチンバイトの終わりを迎えることができ、これで100%やり切ったという非常に潔い気持ちで労働を完全終了し、コロンワクチンバイトで蓄えた資産と共に世界一周の旅を再開できるというものだ。
・案件閑散期だった2021年12月の思い出
最初から最後までコロナワクチンの全ての期間を乗り切った身としてこの3年間を振り返ると、本当に日本各地色んな場所で仕事をしてきたと痛感させられる。優良な案件があれば西であろうが東であろうがどこにでも飛んでいくことができるその行動力と柔軟性は、まさにどの組織にも属していない自由な医師だからこそ発揮できた特殊能力だろう。まるで日々日本一周の旅でもしているかのような激動の労働期間だった。
そんな中でも3年間ずっと絶え間なく安定して案件が出続けたわけではなかった。最初にコロナワクチンバイトの案件が激減したのは、1,2回目接種が終了し3回目接種が始まるまでの間の2021年12月が思い出される。コロナワクチンは1,2回目接種のみで終了だとその時は誰もが思っていたし、1,2回しかないのだからその間だけでも頑張って稼ごうと毎日労働していたのに、まさか3回目接種があるなんて思いがけない知らせだった。(最終的にはこれが最大7回目接種まで延長されるなんて、この時は誰が予想できただろうか。)
どうせ2022年1月から3回目接種が始まるのだから、2021年12月は案件が少ないしゆっくり休息すればいいやと気軽に構えていたのだが、そのような閑散期であっても意外と仕事は舞い込んできた。そのひとつが東京都が運営している東京駅地下の行幸通りの案件だった。この時期にはコロナワクチンバイトの優良案件を求めながら西の大阪、東の東京を行き来するというスタイルが既に確立されていたので、何度も通った東京の2021年の仕事納めを東京駅で迎えられたことに感慨深い気持ちでいっぱいだった。
・様々な会場で勤務した大阪市の思い出
しかし東京での仕事納めは東京駅だったが、2021年の本当の仕事納めは大阪市案件の大阪城だった。閑散期の2021年12月でも切れることなく大量の案件を確保できたのは、大阪市がかなり多くのコロナワクチンバイトを確定させてくれたことが理由である。この時期の大阪市案件では難波駅のOCATや、アメリカ村のBIG STEP、大阪市立中央スポーツセンター、天王寺駅のやすらぎ天空館、大阪城の近くにある城見ホールなど多様な会場に行くことができ、ぼくは特にやすらぎ天空館と城見ホールの勤務が多かった。
やすらぎ天空館というのは実は葬儀場なので、命を守るために打つコロンワクチンを葬儀場で打つなんて縁起が悪い気もするけれど大丈夫だろうかと人々の間では囁かれていた。またアメリカ村と言えばぼくが高校生の時によく服を買いに行っていた場所だが、治安が悪くいつも歩いていると年上のお兄さんにめちゃくちゃ客引きされるので怖い場所というイメージがあった。まさかよく行っていたその中心地であるBIG STEPで自分が労働することになるなんて、思いも寄らない出来事だった。人生って何が起こるかわからないものだ。ものすごく久々にアメ村に行くことになったが、さすがにもう大人になったので客引きされることもないだろうと安心して向かったが、普通に昔と同じように服屋の客引きをされたのでげんなりした。
・2021年の仕事納めは、大阪城近くの城見ホールで
2021年の本当の仕事納めは、大阪城近くの城見ホールだった。ここもかなり特殊な場所で大阪城ホールの間近にあるので、たまにライブ客などでごった返していた。勤務日にドリカムのライブがあることがあったが、接種会場では全然歌声などが響いてこなくて残念だった。また矢沢栄一のライブの日には、白いスーツを着た変な髪形をしたおじさん軍団が登場し、そういう文化や風習があるのか何なのか分からないがそんな光景を生まれて初めて見たので驚愕した。きっと息の長い歴史あるアーティストにはそれぞれのファンのしきたりのようなものがあるのだろう。
それにしてもその直前に東京駅で東京での労働を終了し、さらにその次に大阪城を眺めながら何となくめでたい気持ちで2021年の仕事納めをすることができるなんて、2021年の最初には全く予想できないことだった。2021年の最初といえば世界一周を中断し、日本一周・車中泊の旅も終了し、無職でのんびり過ごしていた時期だ。それなのに年末には日給10万円で毎日忙しく楽しく働いているなんて、本当に人生というものは何が起こるか分からない。
労働している場所だったそうだ。医師になったからには、病院という閉鎖された空間の中で働くしかないとぼくは思っていた。しかしフリーランスの医師となって気付いたのは、医師はどこでだって働けるという事実だった。医師になったのに病院とは関係のない東京駅や大阪城で働けるなんて、医師になった時には思いも寄らなかった。しかし実際にはそれが起きている。起きるはずのないことが、起こるということもある。会えるはずのない人に、いつかきっと出会える時が来る。疑うということを知らずに、息をすることも忘れ、必死になって生き抜いているのならば、きっといつか。
・中島みゆき「真夜中の動物園」
今ではもうない草原の はるか彼方から
滅びた群れが連なってやって来る
逢えない相手が逢いに来る
逢えない相手が逢いに来る
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