これが全部無料なんてすごすぎる!!!!!
全部無料!佐賀県有田町の九州陶磁文化館で日本の陶磁器の歴史を学んだ
・日本という祖国を深めてゆく旅
・雑誌Popeyeの博物館特集が面白かった
・「九州陶磁文化館」は入場料無料の衝撃!
・日本や世界の陶磁器の作品や歴史に触れられる「九州陶磁文化館」
・30分ごとに動き出す有田焼の巨大カラクリ時計
目次
・日本という祖国を深めてゆく旅
日本海沿いを北上する車中泊の旅をするために、関西からまずは長崎県へと車で向かった。
途中で岡山県、広島県、山口県を深める旅をして、自分の中で知られていなかった日本の部分部分を埋めて行くような不思議な感覚になった。日本は、自分の祖国なのにまだ知らない異国を旅しているような冒険感に溢れている。
山口県の下関でフグを食べてから九州へと渡り、後から来るつもりで福岡県をスルーして佐賀県へとたどり着いた。前回九州一周の旅をした際に佐賀県も訪れたが、佐賀県は有田焼や伊万里焼など焼き物が盛んという印象が強く残った。
・雑誌Popeyeの博物館特集が面白かった
ぼくがたまに読むPopeyeという雑誌の最新号で博物館特集がやっていて、日本各地の変わった博物館や美術館が地方別に紹介されていてとても興味深かった。日本の博物館や美術館を巡るのは本当に楽しい。日本語で解説されているから理解しやすいし、普段考えない物事や知らないことについて重点的に深い学びを得ることができる。今回の日本海沿いを北上する旅でも、可能な限り面白そうな博物館を訪れようと考えていた。
その中でも気になった博物館のひとつに佐賀県有田町の「九州陶磁文化館」があった。焼き物の有名な佐賀県にぴったりのイメージの博物館でぜひ訪れてみたいと感じ、長崎県へ到着する前に佐賀県の有田町に立ち寄って見ることにした。
・「九州陶磁文化館」は入場料無料の衝撃!
驚いたのは、「九州陶磁文化館」は2万6000点の所蔵品を誇る九州最大規模の焼物博物館であるというのに、入場料がかからず無料だということだった。こんなことがあるのだろうか!もちろん駐車場代もかからないし、さらには中でWi-Fiが繋がり、写真撮影も可能で、かなり快適で心地よい博物館だった。
”陶磁文化館”らしく、ドアの取っ手やトイレの案内板なども美しい陶磁器で作られており、その細やかな仕組みに感動した。
・日本や世界の陶磁器の作品や歴史に触れられる「九州陶磁文化館」
2万6000点の所蔵品も豊富で日本の佐賀県の焼物を中心に、中国や韓国のもの、さらにはヨーロッパで作られたものまで展示されていて興味深い。精細な美意識を備えた作品を見ることはどの分野においても楽しく、時が経つのも忘れて作品に見入ってしまう。
また日本における陶磁器の歴史や、土器と陶器と磁器の違い、または製造過程など普段考えもしない陶磁器についての知識を深めることができて勉強になる。こんなにたくさん学べて本当に無料でいいのだろうか。
陶磁器の技術は中国や朝鮮などの大陸からもたらされたようだ。中国や朝鮮の陶磁器も展示されていて比較することもできる。外国の美術館でも中国の陶磁器と日本の陶磁器が並べられているのをよく見かけたりもしたが、ぼくの中のイメージでは、中国のものは白と青の色彩で大胆な作品が多く、朝鮮のものは茶色っぽいものが多く、日本のものは色彩豊かで繊細で小さくて細やかなイメージだ。ぼくは自分が日本人だから当たり前かもしれないが、日本のものが最も情緒深く美しいと自然と感じられた。このようにどこか外国から学んで教えてもらったとて、その通りそっくり同じには作らずに全然異なる感性で独自の世界観を作ってしまうから文化の流動は興味深い。
中国の陶磁器はヨーロッパで人気で大量に輸出されていたが、明が滅亡して内戦が相次ぎとても陶磁器どころではなくなったので代わりに陶磁器を輸出するための供給地を探していたところ、日本の佐賀県の伊万里焼が見出されたという物語は面白い。伊万里焼は過去ヨーロッパに貿易品として輸出された歴史があったようだ。
アジアの陶磁器の文化がヨーロッパにも伝わり、ヨーロッパでも独自の陶磁器を作るようになったらしい。ぼくも行ったことがあるが、ドイツのドレスデンなどはマイセンで世界的にも有名なようだ。ヨーロッパで作られた陶磁器も展示されていたが、豪華絢爛な風貌でやはりアジアの感性とは異なっていて面白い。
・30分ごとに動き出す有田焼の巨大カラクリ時計
感動的だったのは博物館の真ん中に置かれていた、有田焼の陶磁器によってのみ作られたカラクリ時計だった。30分ごとにカラクリ時計が動き出し、時間が来ると有田焼の美しい人形たちや歯車が音楽に合わせてダイナミックに動き始める。あまりに楽しくて少年心に帰ったように夢中になって見入ってしまった。何度も不思議に思うことだが、こんなに素晴らしい展示たちが無料だなんて本当にすごい!!!!!