11月はいくら稼げる?フリーランス医師が全力で秋のインフルワクチンバイトに挑戦してみた

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11月はいくら稼げる?フリーランス医師が全力で秋のインフルワクチンバイトに挑戦してみた

・コロナワクチンバイトがなくなった今、フリーランス医師はどのように稼げばいいのか?
・ハピナス君のこれまでの労働の歴史
・2023年11月に月収300万円を突破したフリーランス医師のスケジュールを大公開!
・フリーランス医師がスポットバイトだけで月収300万円を達成するためには何が必要か
・時給5万円も!秋の健診シーズンのバイトの報酬を医師が体験談を元に徹底解説
・ダンピング医師の存在
・クリニックの独自のルールに注意!インフルワクチンバイトの問診業務について解説
・インフルワクチン接種は医師ではなく基本的に看護師が行う
・医師のインフルワクチンバイト案件の見つけ方を徹底解説
・新たなインフルワクチンバイトを経験し過去の自分を乗り越えた

・コロナワクチンバイトがなくなった今、フリーランス医師はどのように稼げばいいのか?

ぼくは2021年6月から2024年3月まで、コロナワクチンバイトのみで生計を立てるフリーランス医師として労働した。しかし2024年3月でコロナワクチンの集団接種は完全終了し、2024年秋もその復活の兆しは見られない。ぼくはコロナワクチンバイトがなくなってしまえば潔く労働を辞めて世界一周の旅を再開しようと決めていたので問題なかったが、コロナワクチンバイトをメインとして稼いできたのにこれからも働き続けなければならないその他のフリーランス医師などは、コロナワクチンバイト亡きこの世の中で今後一体どのように活動していくべきなのだろうか。

健診バイトや脱毛バイトなど様々な可能性が考えられる中、そのヒントとなりそうなのがぼくのフリーランス医師の後輩であるハピナス君の存在だ。彼とは2023年5月にコロナワクチンバイトの会場で一緒になり、たまたまぼくのブログを見てくれていたということで仲良く話すようになった。聞くと彼はつい最近激務だった病院をやっとの思いでドロップアウトし、バイトのみで生計を立てることを決意したということだった。ぼくとは労働のスタイルが異なり健診バイトをメインにしているようで、ぼくがコロナワクチンバイトしかやったことがないと言うと、今の時代でもそんなことができるのかと驚かれた。そこでぼくはコロナワクチンバイトのノウハウについて彼に一から手取り足取り教え、やがて一緒にコロナワクチンバイトをする機会も多くなっていった。

ハピナス君はコロナワクチンバイトがなくなった後も当然労働を続ける予定らしく、1年を通して勤務しやすい健診バイトや秋に集中して出るインフルエンザワクチンのスポットバイトについてよく研究しているようだった。以下の文章はハピナス君が2023年11月にインフルエンザワクチンでどれくらい稼げるのか、その実体験をまとめた非常に有益なレポートとなっている。コロナワクチンバイト亡きこの世の中で路頭に迷ってしまったフリーランスの医師や、どのように効率的に稼げばいいのかを模索している医師にとっては極めて参考になるだろう。ぼくの真似をして文章を書いているらしく非常に紛らわしいが、以下に出てくる「ぼく」というのは全てハピナス君のことなのでご注意いただきたい。

 

 

・ハピナス君のこれまでの労働の歴史

ぼく(ハピナス君)は今どこの病院にも組織にも属さないフリーランス医師として、コロナワクチンなどのスポットバイトをしながら生計を立てている。2023年5月にコロナが5類になったことをきっかけにコロナワクチン案件は激減し、さらに健診の時給も悪化、フリーター医師は再び苦境に立たされることになってしまった。ネット上でも多数の医師がスポットバイトの賃金低下を嘆いているのが現状である。

病院を退職し2023年4月からフリーランス医師としてスポットバイト1本でやってきたぼくは、そんな逆風の中でも諦めることなく月収100万円、200万円と着実に収入を増やし、10月には月収300万円を余裕で突破することに成功した。10月はXBB対応の新たなコロナワクチン秋接種が開始されたばかりであり、需要も大きかったことが大台に乗ることができた理由のひとつだろう。しかしその需要もすぐに減退し、11月はコロナワクチンバイトだけでは月収200万円台となる見込みとなった。

せっかく月収300万円を達成したのだから何とかこれを継続させたい!試行錯誤の末、例年11月はインフルワクチンや健診バイトの繁忙期と聞きつけ、さらなる給与アップを狙ったぼくは11月はインフルエンザワクチンをメインとした予定を組み立てる方針とした。

 

・2023年11月に月収300万円を突破したフリーランス医師のスケジュールを大公開!

それが達成されたのは2023年11月のことだった。11月1日は埼玉県所沢市の日給14万円からスタートし、その後は茨城県・群馬県・栃木県・千葉県・埼玉県など関東地方を幅広く遠征した。午前の案件と午後や夕方夜の案件を組み合わせるなど工夫をしながら日給12万円から18万円をゲットできたことが勝因だったと思われる。上旬は遠方案件の給与が高く前泊も行いながら勤務していたが、中旬・下旬は東京都心に近い案件も複数ゲットしていった。

以下に2023年の11月にどのような予定を立ててフリーランス医師が月収300万円を達成したのかを記載する。

日付

場所

給与(円)

派遣会社

111

埼玉県所沢市

153000

MRT

112

茨城県つくば市

100000

MRT

113

千葉県習志野市

100000

オンコール

114

東京都八王子市

90625

MRT

115

千葉県習志野市

100000

オンコール

116

群馬県前橋市

120000

MRT

117

千葉県市原市

150000

MRT

千葉県千葉市

118

埼玉県児玉郡神河町

180000

MRT

埼玉県児玉郡

119

千葉県市原市

120000

MRT

1110

埼玉県比企郡

150000

MRT

埼玉県深谷市

1111

東京都八王子市

90625

MRT

1112

休み

0

1113

千葉県成田市

120000

MRT

1114

栃木県那須郡

140000

MRT

1115

東京都渋谷区

101250

MRT

1116

埼玉県飯能市

140000

MRT

神奈川県海老名市

1117

東京都練馬区

101875

MRT

1118

東京都八王子市

90625

MRT

1119

東京都青梅市

95000

オンコール

1120

埼玉県久喜市

156000

MRT

1121

東京都板橋区

35000

m3

群馬県邑楽郡

90000

MRT

1122

東京都渋谷区

101250

MRT

1123

東京都青梅市

95000

オンコール

1124

東京都練馬区

101875

MRT

1125

東京都八王子市

90625

MRT

1126

千葉県旭市

100000

MRT

1127

群馬県前橋市

150000

MRT

茨城県水戸市

1128

千葉県成田市

120000

MRT

1129

東京都港区

110000

MRT

1130

東京都港区

110000

MRT

合計

3402750

 

・フリーランス医師がスポットバイトだけで月収300万円を達成するためには何が必要か

このように表にして見ていくと11月はぼくが登録している医師派遣サイトの中でもMRTとオンコール、m3を使いこなしながら案件を取得していたことがわかる。基本的に終日勤務可能で高い給与の案件を狙っていき、午前と午後で異なる案件を組み合わせることのできる日はそれを狙うというスタイルを確立した。午前中は東京都板橋区で勤務、そのまま電車で移動して午後は群馬県太田市で勤務するという荒々しいスケジュールも今ふり返れば何となく愛おしい。

決して関東だけで働きたいわけではなく静岡や長野、山梨まで含めて案件を狙っていたが日給が十分上がり切らずに消えていくことが大半だったため、結果的に関東圏のみの勤務となった。特に静岡案件は、泥医にとって重要と言われていたが残念ながら給料はそこまでよくなかった。よく表を見てみると神奈川県での勤務もわずか1回、それも半日であることがわかる。東京都に次いで神奈川県は医師が多いとされ、静岡案件は神奈川県と愛知県の医師が応募するため給与を上げなくても充足しているのだと想像する。静岡県の案件は新幹線代が出ることも多く楽しみにしていたが勤務できなかったのは意外だった。逆に埼玉県は人口当たりの医師が少なく、また横への移動が鉄道・車どちらも弱いとされている県であるため比較的良質な案件が出現していた。

またインフルエンザワクチンや健診バイトは主に平日にあるため、土日や祝日はコロナワクチンバイトを行う方針とした。東京都八王子市と練馬区はMRTで、千葉県習志野市や東京都青梅市の案件はオンコールが独占しているからとアプリのチェックを怠らず確保、千葉県旭市は唯一日曜日にコロナワクチンバイトがあるのが26日であるという情報を掴んでおりこちらも案件が出現した瞬間に確保した。

コロナワクチンバイトは病院で労働していた頃に比べたら全然疲れないので、先月の10月は1日も休まずに毎日働いていた。インフルワクチンや健診も同様に疲れないので、11月の休日は用事があったわずか1日であり、その結果月収300万円を突破することができた。

 

・時給5万円も!秋の健診シーズンのバイトの報酬を医師が体験談を元に徹底解説

では1回のインフルワクチン業務に従事すると、どれくらいの給料をもらえるのだろうか。その答えはコロナワクチンバイト同様「日による」「場所による」というのが正直なところだ。同じ業務内容でも直前まで医師が集まらないと報酬が高く引き上げられていることもある。そのため遠方や車通勤必須の案件は高く設定されることが多いが狙う医師も多くいつ応募するかが重要だ。

とはいえ医師にとって最も気になるのは秋の健診シーズン、インフルワクチンバイトの給料の相場ではないだろうか。11月上旬・中旬には時給15000円~20000円、日給は12万円~18万円ほどの案件を確保、下旬でも日給10万円~15万円の案件を確保することができた。振り返ってみると11月の平日は最低でも日給10万円だった。これは相場が崩壊しつつある現在の医師のバイトの中でもかなり高額な値段だと思う。

コロナワクチンバイト全盛期に一度だけ、北海道最北端の稚内市の案件で驚愕の時給50000円案件が出現したと聞いたことがある。今回の時給50000円の案件も従事は2時間だけとはいえ群馬県前橋市なので都内からのアクセスが良く、時給があがるタイミングを待ち過去最高の時給を手に入れることが出来た。

 

・ダンピング医師の存在

都内は特にバイト相場が崩壊しており最も安い傾向にあるため、11月上旬は埼玉や千葉、茨城、栃木と幅広く遠征していた。とはいえ近場の都心でも働いてみたいと思ったぼくは大量の案件や紹介会社のサイトを常にチェックしていた。

そこで目についたのが「ダンピング医師」の存在だ。ダンピングと聞くと医師であれば胃がん術後のダンピング症候群を思い浮かべるだろうが、今回の場合は不当廉売、正当な理由がないのに原価を著しく下回る対価で商品やサービスを継続的に供給する行為を指している。近年マスコミや大学、弁護士などの法曹関係者でも労働ダンピングという言葉が使われており、労働者の給与が不当に下げられているという意味だ。

ネット上(X 旧twitter)ではインフルワクチンバイトは時給2万円以下で労働するなと呼びかける医師のポストが話題になっていたことが記憶に新しいが、何と今年は時給2万円どころではなかった。千代田区や港区、中央区の案件はたとえ労働時間が1時間や2時間と短くても時給0.8万円や1.2万円で消えていくのを見て、ぼくは開いた口が塞がらなかった。板橋区や江戸川区でも時給1.5万円が限界で2.0万円まで耐え切ることができない。さらに東京都寄りの埼玉県でも時給1.5万円で消えていき、下旬にかけては時給1万円で消える始末であった。時給が上がるまで待ちそこから競争すればいいのにと思わなくもないが、都会は需要に対して供給が過多なのかもしれない。医療以外の分野でも小遣い稼ぎ主婦が賃金の低下を招いているという指摘もあるが、近年増えていると言われているゆるふわ医師も相場崩壊の一因ではあるのだろう。

そんな中東京都渋谷区の日給10万円を二つ(しかもそのうちひとつは渋谷スクランブルスクエア!)、東京都港区の日給11万円を二つゲットしたのは上出来だと思われる。

 

・クリニックの独自のルールに注意!インフルワクチンバイトの問診業務について解説

インフルワクチンバイトはコロナワクチンバイトと基本的には変わらないが、大きく異なるのは接種基準について雇用する側であるクリニック独自のルールがあるという点だ。インフルエンザワクチンでアナフィラキシーを起こした過去がある人には接種できないというのは同様だが、クリニックによって卵・鶏肉アレルギーの既往がある人や妊娠の可能性がある人には接種しないというルールを設けているところもある。妊娠していてもインフルエンザワクチン接種は問題ないというのは医師にとって常識だがクリニックの方針なので従うしかない。また、卵・鶏肉アレルギーがあってもインフルエンザワクチン接種の経験がある人は摂取してよいというルールになっているクリニックもあるため、現場に到着したら担当者に方針を聞くのがよいだろう。

数か所の現場を移動しながらインフル問診をする類の案件には特に注意が必要だ。休憩60分と書かれていても全く休憩がない案件も散見され、休憩がなかった分の給与は求めれば実際に支払われるのでしっかりと申請することが重要だ。

また、移動には通常クリニック側が手配したハイエースなどを使用し皆で移動するのが一般的だ。しかし毎回タクシーを呼んで移動するというクリニックもある。都心から遠く離れた田舎の場所ではタクシーが全く捕まらず、それに困ったクリニックの担当者から『医師が車で来ているはずではないか』と言われたこともあった。そのクリニックの案件では車通勤は不可となっており、ぼくは電車とバスを使って現地に到着したが車で出勤する医師もいるのだろう。ハイエースなどを自社で手配せずに医師の車で移動すればその分お金を浮かせる、車通勤不可という条件なのに車で通勤してきたという後ろめたさから荷物も運んでもらおうというせこい算段が事前に見え透いていたからこそ、この発言は想定内であった。ワクチンや注射器など割れては危険なものを個人の車で運ぶなど賠償責任にもなるし、人によっては自動車保険の観点からも論外だ。確かにクリニックによっては車通勤不可と募集要項には書かれているが実際には車通勤可の案件も存在する。しかし車通勤不可と書かれているのだからそれを遵守し公共交通機関を使用して出勤すべきだろう。

 

・インフルワクチン接種は医師ではなく基本的に看護師が行う

コロナワクチン接種は医師が接種を行うという会場は滅多になく、接種を行う人は十中八九看護師だ。一方インフルワクチン接種は医師が担当するという会場も珍しくない。募集要項に記載があることが多いが、いざとなっても注射できるよう準備はしておこう。

 

・医師のインフルワクチンバイト案件の見つけ方を徹底解説

インフルワクチンバイトや健診バイトを見つけるために、ぼくはインターネット上の医師派遣会社を利用して案件に申し込むという方法を取った。ぼくが登録していた医師派遣サイトは以下の通りだ。

MRT
オンコール
民間医局
Dr.あるナビ
m3

どのサイトもとてもお世話になったが、毎日スポットバイトをやってきた身からすると、MRTは申し込めばほぼ100%の確率で案件が確定するので最もお勧めだ。あまりに使いやすいので月のほとんどがMRT案件で埋まっているということも全く珍しいことではない。

コロナワクチンバイトと違うのは誰よりも早く案件を見つけて応募するという技術がほとんど必要ない点だ。むしろ直前まで我慢して粘り、給与が上がったところを素早く応募・確定させるという相場を読む力と瞬発力が要求された。1か月後の日程がほぼすべて決まっているコロナワクチンバイトとは異なり、その月になるまで、下手すると前日夜や2日前まで仕事が決まっていないなどザラだったため、経済的にも精神的にも不安定さは比べ物にならないと感じた。

また、紹介会社によっては日給4万円の案件しか回ってこない場合もありそのような会社には早々と見切りをつけていた。東京都昭島市周辺の案件は特に給与が低く、いったいその場所で働く医師は何を考えているのか全く見当がつかなかった。繁忙期であるにもかかわらず時給1万円程度の案件しか手に入れられない、閑散期でも日給5万の格安案件に応募してしまうような医師であれば医局に入った方がトータルではプラスとなるであろう。医局やハイボリュームセンターに入ることでワクチンバイトなどの高賃金のバイトを斡旋してもらえることもあるため、紹介会社でいい案件に応募できないようであれば就職するのも一つの手だと考える。

 

 

・新たなインフルワクチンバイトを経験し過去の自分を乗り越えた

今回の自分自身の経験から、コロナワクチンバイトだけでなくとも本気を出して労働すれば月収300万円の収入を得ることが可能であるということがわかった。しかしそのためには経験を積むことによって得られる知識や判断力、運のよさなど様々な要素が必要だったと推測される。

このように積極的に医師派遣サイトを駆使して案件を獲得できたのも、厚顔無恥な大阪市が労働基準法第26条をきちんと守ることなく休業手当なしで医師をシフトカットしたという話を伝え聞き、ぼくに大きな危機感を持たせてくれたおかげである。

コロナワクチンバイト全盛期には月収300万円は全く珍しいものではなかったということだが、今年度は10月を除いて月収300万円に満たない。そんな中インフルワクチンバイトという新しい分野に挑戦しそこでも月収300万円に到達したというのは、自分の中の記録を更新している気持ちになり楽しいものだ。2024年3月でコロナワクチンの無料接種は終了となる。その後のフリーランス医師は一体どうなってしまうのか不安視する声も多い。ぼくは逆風が吹き荒れようともスポットバイト医師として己を信じて突き進む予定だ。来年は月収200万どころか100万すら怪しいとどこもかしこも囁かれる中、どこまで稼げるかとても楽しみにしている。

 

 

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