看護師のMRTコロナワクチンバイト争奪戦がすごすぎた!!!!!
看護師のMRTコロナワクチンバイト争奪戦を目の当たりにし、医師がぬるま湯の中で生きていることを悟った
・看護師のMRTコロナワクチンバイトが激しい争奪戦だというのは本当か?
・医師が看護師のMRTコロナワクチンバイト案件取得を手伝ってみた
・看護師のMRT争奪戦は生きるか死ぬかの激しい戦争のようだった
・看護師に比べたら医師はぬるま湯の中の弱小兵士に過ぎなかった
目次
・看護師のMRTコロナワクチンバイトが激しい争奪戦だというのは本当か?
MRTといえばスポットバイトを応募すればほぼ99%の確率で案件が確定するという、医師からすれば非常にありがたい医師派遣サイトだ。どこの病院にも組織にも属していないフリーランス医師のぼくも、m3や民間医局やメディカル・コンシェルジュなど様々な医師派遣サイトに登録しているが、コロナワクチンバイトを探す手段として使い勝手のいいMRTを最も重宝していた。
そんなMRTには看護師用のサイトもあるらしく、看護師の間ではMRTの争奪戦がしばしば話題になっていた。看護師の間でも他の仕事に比べて時給の高いコロナワクチンバイトは非常に人気が高いらしく、MRTにコロナワクチンバイトの案件が一気にアップロードされた時には、目にも止まらぬ速さで一瞬のうちに案件がなくなっていき、確保するのが大変困難だということだった。本当に一瞬で全部の案件が消えてしまうから、アップロードされた瞬間にきちんとMRTを開いていないと、案件が出たという事実にすら気づくことができない有様だというのだった。
ぼくは看護師さんのその話を聞きながら、いくらなんでもそれは大袈裟なのではないかと疑っていた。確かに医師の場合も高額で人気の案件はなくなるのが早い傾向にあるが、それでも案件をじっくり読みながら日にちを選ぶくらいの余裕はある。しかし看護師さんらによると案件を読んでいる暇なんてない、そんなことをしていたら他の人に取られてしまうので、とにかく日にちも役割も給与も何も読まずにわからないままで、とりあえず早押しで応募ボタンをクリックして案件を確保するのが最優先なのだそうだ。本当にそのような激しい争奪戦が、看護師の間では繰り広げられているのだろうか。医師であるぼくには真実を知る由もなかった。
・医師が看護師のMRTコロナワクチンバイト案件取得を手伝ってみた
そんな看護師のMRTの実情を、なんと体験する機会がぼくにも訪れた。それは東京都の多摩センターでコロナワクチンバイトをしていた時のことだった。経過観察の役割を担っていた看護師が心ここに在らずという感じでソワソワしていたのでどうしたのか尋ねてみると、なんと今この瞬間に来月の八王子の案件がMRTにアップロードされているというのだ!しかし彼女は今経過観察の時間なのでスマホを触ることを許されておらず、来月取りたい八王子の案件が取れないままで終わってしまうだろうと無念の表情を浮かべていた。八王子案件は看護師の間で非常に人気が高いので、例によって一瞬のうちに消えてしまうということだった。
あまりに彼女が不憫だったのに加え、救護対応担当だったぼくは具合が悪い接種者もおらずやることがなく暇だったので「ぼくが代わりに取りますよ!」とMRT八王子案件応募の代理を買って出た。そして彼女からスマホを借りるといつも自分が医師のMRT案件に応募する要領で、看護師専用のページを操った。しかし看護師のMRTページの様子は、医師のそれとは一味も二味も異なっていた。
本当に…本当に案件が、まるで真夏の屋外でアイスキャンディーが溶けていくかの如くみるみるうちになくなっていく…!こんなに案件が素早く消滅していく世界が本当にあったなんて…!どんなに更新ボタンを押してリロードしても、新しい案件が出たと思った次の瞬間にはもう既に消えてなくなっている。かろうじて「詳細応募」のボタンを押せたとしても、次ページの最下部にある「応募する」ボタンを押した時には「この案件は既に他の人が取りました」というような主旨の表示が出てきて全く応募することができない!つまりぼくが「詳細応募」ボタンを押してから次に「応募する」ボタンを押すまでのわずが1秒ほどの間に、誰か他の人がより早く「応募する」ボタンを押して応募が完了してしまっているのだ!何回やっても何回やっても「応募する」ボタンを押した時点で他の人が既に応募してしまっているので全く応募できず、そうこうしているうちに全ての八王子案件が出尽くしたらしく、最終的には何度更新ボタンを押しても新しい案件が出現することがなくなってしまった。
何度も必死に挑戦したにもかかわらず、結局ぼくが応募できた八王子案件は0件だった…。
・看護師のMRT争奪戦は生きるか死ぬかの激しい戦争のようだった
ぼくはこの経験を通して、看護師とはなんて地獄のような争いの世界に身を投じているのだろうと驚かずにはいられなかった。看護師のMRTは本当に激しい戦争のような、阿鼻叫喚が響き渡る修羅の国のような有様だった。そこには食うか食われるか、生きるか死ぬかの壮絶な世界が広がっていた。あんな一瞬で次々とすぐになくなってしまう案件、一体誰が取れるの…?!コロナワクチン会場に来ている看護師さんは、みんなあの激しい争奪戦をくぐり抜けて生き延びた勝者なのだということがわかった今、彼女たちに尊敬の念というか、畏怖の念を感じずにはいられなかった。
逆にぼくは医師という職業でよかったと心の底から感じた。もしもぼくが看護師だったなら、あの争奪戦でボコボコにやられて1件も案件を取れずに、生きていくためのお金を稼ぐこともできず路頭に迷ってしまっていただろう。医師のMRT案件が消える速度は、看護師のそれに比べたらまるで亀が歩くほどに遅かった。そもそも医師の八王子案件なんて1日経ってもそのまま残っていることなんかザラにある。激しい戦場へと巻き込まれることもなく、ぬるま湯の中でぼんやり生きている医師という集団の中にいたからこそ、こんなぼくでも1月から6月まで休みなく毎日良質なコロナワクチンバイトをゲットできていたのだろう。
ちなみに八王子案件だけではなく練馬区も、多摩センターも、大阪府も、すなわちどのような場所の案件であろうと、看護師のコロナワクチンバイトは生きるか死ぬかの争奪戦が繰り広げられているということだった。やはり医師に比べて圧倒的に看護師の母数が多いということが、その争いの激しさが増す原因なのだろうか。
しかし聞くところによるとやはり看護師でもなかなかあの争奪戦で勝利できる者は少数らしく、みんな看護師の仲間同士でグループやコミュニティを作って、その中でかろうじて取れた案件をトレードすることによってお互いに助け合っているということだった。また案件をなるべくたくさん取った後で付加価値を付けてそれを他の看護師に売却するという闇の案件売人の看護師も存在するという専らの噂だが、その真相は定かではない。
・看護師に比べたら医師はぬるま湯の中の弱小兵士に過ぎなかった
ぼくが今回の件で学んだことは、まず看護師のMRT争奪戦は誇張なんかではなく事実だったということだった。本当にそんな激しい争奪戦が繰り広げられているのだろうかと疑った過去の自分を反省させたい。
また医師同士のMRT案件の取り合いが看護師に比べていかに生ぬるいものだったかをぼくは身をもって体験した。医師同士の案件の取り合いならいっぱい高額良質案件が取れているし割と得意な方だろうと自惚れていたが、自分がいかにショボショボの弱小兵士であるかということを痛感させられた。逆に言えばそのような弱小兵士でもたくさんの高額良質案件をゲットできていたのだから、看護師がいかに強豪だらけで、医師がいかに弱小兵士の集まりかということが理解できて切なかった。
今後ぼくが看護師のMRT戦争にまた参加することがもしあったなら、せめて1つくらいの案件は確保できるよう、日々MRTで鍛錬を惜しんではならないと覚悟した。医師というMRT兵士がみんな弱小だからといってそれに甘えていては、決して看護師同士の戦いに勝つことはできないのだ。
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