フリーランス医師の末路は、東京都新宿で暮らしながらコロナワクチンバイトに精を出す日々だった
・3年間に渡るぼくのコロナワクチンバイトの歴史
・時代の流れと共に、東京に身を移し
・コロナワクチンバイトのために、ぼくは新宿暮らしとなった
・たまに都会で暮らしてしまうという運命
・東京都コロナワクチンバイトの栄枯盛衰と衝撃の結末
目次
・3年間に渡るぼくのコロナワクチンバイトの歴史
ぼくは今どこの病院にも組織にも属さないフリーランスの医師として、日本全国でコロナワクチンのスポットバイトをしながら生計を立てている。2021年6月末から大阪市でコロナワクチンバイトを開始し、そこからいくつかの医師派遣サイトに登録しスポットバイト案件を手に入れる術を身につけ、コロナワクチンバイトに従事しながら日本各地をさながら旅するように渡り歩き、もはや3年以上の月日が流れ去ってしまった。
2024年3月でコロナワクチンが無料で受けられる期間は終了してしまったが、おそらく日本で唯一最後まで残された大規模接種会場でコロナワクチンバイトの終わりを迎えることができ、これで100%やり切ったという非常に潔い気持ちで労働を完全終了し、コロンワクチンバイトで蓄えた資産と共に世界一周の旅を再開できるというものだ。
・時代の流れと共に、東京に身を移し
最初から最後までコロナワクチンの全ての期間を乗り切った身としてこの3年間を振り返ると、本当に日本各地色んな場所で仕事をしてきたと痛感させられる。優良な案件があれば西であろうが東であろうがどこにでも飛んでいくことができるその行動力と柔軟性は、まさにどの組織にも属していない自由な医師だからこそ発揮できた特殊能力だろう。まるで日々日本一周の旅でもしているかのような激動の労働期間だった。しかもその3年間に一度たりとも同じような時期は存在せず、月日が巡る度に次々に状況は移り変わっていった。
最も大きかった出来事は、ぼくが住んでいる関西から高額良質案件が徐々に消滅していったことだ。コロナワクチンバイト初期は日本全国で高額な応募が溢れるようにあったので日本中行きたい放題だった。そのためぼくは西は大阪を、東は東京を中心として、新幹線や飛行機を駆使しながら毎日のように労働に精を出していた。1回目、2回目、3回目の接種まではまだ関西にも高額良質案件が転がっていたが、不思議なことにその数は減少していき、ついに東京周辺にしかまともな金額のコロナワクチンバイトがなくなってしまった。関西にも案件があるにはあるが以前に比べてかなり金額が低下し、以前の金額を詳しく知る者としては誰がこんな値段でやるねんという気持ちで、その後はすっかり東京に活動の中心を移してしまった。
このように関西がダメになったらすぐに関東へと、瞬時に身の振り方を方向転換できるその柔軟性が、その後のぼくの資産形成を大いに助けたと思われてならない。関西に住んでいるのだから関西でやり続けなければと思い込んだり、病院など決まった勤務地があるから関西を抜け出せなかったり、家族や人間関係の影響で関西に留まらざるを得ないような状況にあるような人は、どんなに関西のコロナワクチンバイトの相場が没落してもそれにしがみつくしか選択肢がないだろう。実際に関西のコロナワクチンバイトはどんなに安価でもすぐになくなってしまっていた。関西の医師はこんな値段でコロナワクチンバイトをやるのかと、全期間に渡って全盛期を体験してきた身としては一抹の寂しさを覚えざるを得なかった。
関西のコロナワクチンバイトで最後まできちんと良好な給料を出そうと頑張っていたのは、兵庫県の伊丹市!あんたは偉い!ぼくも伊丹市には散々お世話になったが、いくら伊丹が高額優良案件でもさすがに伊丹だけではコロナワクチンバイトを毎日はできないので、活動の拠点を東京に移してしまった。それでもぼくは伊丹市のことが忘れられず、コロナワクチンバイト後期の2023年11月になっても東京勤務の間に少しだけ顔を出した。時給は初期の17500円から15000円に下がってしまっていたが、関西では信じられないほど値段を落としていないし、それくらい思い入れがあった。
・コロナワクチンバイトのために、ぼくは新宿暮らしとなった
東京に数日間だけ出張気分で出向くような時は、いつもその接種会場へ行きやすいスーパーホテルを適当に選んでいたが、2022年の後半頃から活動の拠点を東京に移してからは宿を移動することなく毎日そこに住むことになるので、行くと予想される全ての接種会場に行きやすい駅ということで新宿のホテルで暮らすことにした。個室だけれど格安の宿(東京ビジネスホテル)を以前から見つけており、まだコロナ禍で外国人もいない分かなりかなり安く泊まることができた。東京でコロナワクチンバイトをすれば毎日日給10万円を稼げるので、ホテル暮らしをしてもお財布的には全く問題なかった。
コロナワクチンバイト後期にもなるともはやぼくはコロナワクチンバイトのプロとして労働のスタイルが確立されており、使う派遣会社は基本的にMRTのみ、勤務するのはMRTが確保している東京都の練馬区、杉並区、八王子市、足立区、目黒区などが定番となっていた。練馬区案件へは新宿三丁目から乗って副都心線からの西武池袋線で、杉並区案件へは新宿三丁目から乗って丸の内線で、八王子市へは新宿駅から乗って京王線かJRで、目黒区へは新宿三丁目から乗って副都心線からの東急東横線でそれぞれ乗り換えなしで行けるので、新宿暮らしが最も便利だった。唯一足立区の会場だけは新宿線からの日比谷線へと乗り換えが必要だったが、それほど不便でもなかった。
・たまに都会で暮らしてしまうという運命
ぼくは旅をしていても、都会よりも田舎や辺境の方が断然好きだ。だから東京にはあまり興味がないし別に東京に住みたくなんてないのだが、どういうわけかぼくの人生にはこのように一定期間東京の都心で暮らしたり、大阪の梅田や難波で暮らしたりする期間が存在する。新宿駅と言えば世界中で最も人の乗り降りが多い駅だというし、その一帯は紛れもない大都会だろう。このように辺境が好きなのに都会で暮らしてしまうという運命に、何か意味があるのだろうか。
・東京都コロナワクチンバイトの栄枯盛衰と衝撃の結末
2023年頃からはもはやコロナワクチンバイトが絶滅してしまったとか、応募しても全然勤務が確定されないといった嘆きがインターネット上でも散見されたが、はっきり言ってMRTの上記の案件はまだまだ生きていた。ただぼくのようなあらゆる情報を知り尽くしたコロナワクチンバイトのプロたちが瞬時に見つけ出し、瞬時に応募し、瞬時に確定させることに成功していたので、コロナワクチンバイトに真剣に向き合っていないような素人の医師には、もはやコロナワクチンバイトの案件がこの世から消えてしまったように見えただけだろう。2023年にもなるとぼくが毎日スポットバイトをしている、そしてコロナワクチンバイトしかしたことがないと言うと、今の時代にそんなことができるのかと他の医師に驚かれたりしたが、コロナワクチンバイトのプロからすれば全然可能だった。
しかし永遠に続く栄華はないように、徐々に上記案件も衰退の兆しを見せ、まずは目黒区が脱落、そして杉並区が終了、練馬区がなぜか最後の最後にウェルネストに半分占領されるなど紆余曲折ありながらも先細って消滅、そして最後の最後まで頑張ってくれた八王子市も2024年の1月に急な短縮と共に散っていた(足立区は元からショートスパンの詰込み型で季節もの)。徐々になくなっていく都内の大規模接種会場を眺めながら、時代の移り変わりの儚さを心の中で嘆いたりしていた。
しかしコロナワクチンバイトがいつまでも続くわけではないことは百も承知なので、その都度時代の流れに合わせて柔軟に対応し、消えてしまった会場があるならその分残りの会場を多く確定させるだけのことだ。別に目黒区がなくなってもその分杉並区を多く応募すればいいし、その他全てが消滅しても月の全日程を八王子案件にすればいいだけだった。そのような心意気と行動力で毎日コロナワクチンバイトに励んでいたものの、2024年の1月に最後の砦だった八王子市のコロナワクチンが終了するという知らせを聞いたときは、もはやぼくのコロナワクチンバイト生活もこれまでかという実感があった。公費による無料のコロナワクチン接種は2024年の3月までだったはずだが、さすがにそこまでは大規模接種会場が生き残るのは不可能だったのだろうか。2021年の6月というかなりの初期からここまで継続的にやって来れたコロナワクチンバイトもついに2024年1月で終わってしまうのだろうか。
そんな時に奇跡のような出来事が起きた!なんとMRTがこんな最後の最後の時期に、東京都庁45階の大規模接種会場の案件を落札で勝ち取ったというのだった!(続く)
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