イヴィロン修道院でついに日本人修道士と遭遇!アトスの礼拝は人間の五感をフル活用させた肉体的な祈りだった【アトス巡礼記ブログ20】

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アトスで暮らす日本人修道士とついに巡り会えた!!!!!

Iviron修道院でついに日本人修道士と遭遇!アトスの礼拝は人間の五感をフル活用させた肉体的な祈りだった

・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ
・ついにアトスで修行する日本人修道士に巡り会った!
・アトスの祈りは五感をフル活用させた極めて肉体的なもののように思えた
・アトスの食事は聖書が読まれている間に食べ終わらなければならない
・修道士の生活も思ったより忙しそう

・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ

2017年に偶然「孤高の祈り ギリシャ正教の聖山アトス」という写真集を見かけて衝撃を受けた。ギリシャ正教の辺境の聖地アトスでは何と1406年から今に至るまで女人禁制が貫かれており、一般的な世界とは隔絶された宗教世界の中で黒ずくめの衣装を纏った僧侶たちが自給自足の生活を営みながら祈りに専念しているのだそうだ。神秘的で美しく荘厳なアトスの写真の数々を目にしたぼくは、せっかく男性の肉体を持ちながらこの世に生まれ着いたことだし、世界一周の旅の中で絶対にギリシャのこのアトスへと立ち寄ろうと直感的に心に決めた。

 

・ついにアトスで修行する日本人修道士に巡り会った!

Iviron修道院の内部や周囲を散策し終わったところで、ついにお祈りの時間がやってきたので同室のハンガリー人と一緒に教会へと向かった。ハンガリー人は確信はないがおそらく先ほど日本人修道士と擦れ違ったという。果たしてぼくもお祈りの時間にお会いすることができるだろうか。

アトスに日本人修道士がいる?!イヴィロン修道院は予約なしでも宿泊させてくれた

教会に入ろうとしたその直前に、ハンガリー人が後ろに座っているのが多分日本人修道士だろうと耳打ちしてくれた。振り向いてみると、確かに他の修道士と同じく長髪と長く伸びた髭の中に日本人らしい顔立ちが!ぼくが歩み寄り声をかけてみると「あ〜なるほどね〜」と日本語で話しかけてくれた。日本語を聞いたのは本当に久しぶりだ!何がなるほどか全然わからなかったが、ついに隔絶されたギリシャ正教最大の聖地アトスで修行する日本人修道士の方にお会いすることができた。

アトスに日本人修道士の方がいるなんて、日本を出発した時には思いもよらなかった!アトスでは日本語はもちろんギリシャの他の地域に比べて英語も少し伝わりにくく不便な旅をしてきた印象だったので、ここで日本語を話せてしかもアトスに住んでいるという方にお会いできたのは非常に心強かった。

アトスで生きる日本人修道士のこの上なく珍しいお話を伺えると共に、これまで巡礼の旅の中で感じてきた数々のアトスに関する謎や疑問について解決できる貴重な機会となった。

 

 

・アトスの祈りは五感をフル活用させた極めて肉体的なもののように思えた

しかしやっと巡り会えたと言っても日本人修道士のTさんにはこれからお祈りの仕事があるので、すぐにお話を伺えたわけではなかった。まずはお祈りと食事を済ませ、その後でお話しする時間をいただいた。

アトス1泊目のZografou修道院では異教徒はお祈りの見学自体禁止されていると言われてしまったが、ここIviron修道院は2日目のPantokratoros修道院と同様に、教会に2つある部屋のうち本堂ではない後ろの部屋からならば異教徒でも見学して構わないということだった。お祈りの見学の際もTさんが丁寧に案内してくれ、アトスで初めて不安なくお祈りを見学することができた。

他の修道院と同じように教会内だけは写真撮影禁止だったが、アトスの祈りの魔法のように神秘的な雰囲気と暗闇の中に浮かび上がる数々のイコンの荘厳な情景は忘れることができない。

短い滞在期間でアトスの祈りに対して抱いた印象は、五感をフルに活用しながら精神的なだけではなく肉体に根ざした祈りを捧げているということだった。外からの光が入り込みにくい蝋燭だけが頼りのほとんど暗闇の空間で、黒い衣装をまとった修道士の人々と煌びやかなイコンが浮かび上がる神秘的な光景はそれだけで視覚的なインパクトがあった。また修道士の人々が歌い上げる聖歌の肉声やお香を揺らすときに生じる鈴の音が聴覚的な印象を残す。お祈りの最中に2度ほど、係の修道士がお香の入った器具を揺らしながら巡礼者にお香の煙をかけるという場面があったが、このお香がとてつもなくいい匂いで嗅覚的な記憶も刻まれた。正教徒はお祈りの際にイコンにキスをするので、人間の器官の中でも最も敏感な部分と神聖なイコンが通じるという触覚的な体験も生じる。またお祈りの最後には食事の時間が待っているので、味覚的な喜びも満たされていく。

このように五感という五感をフル活用し、肉体的に直接祈りを刻ませるのが正教の祈りの神髄ではないかと、何もわからない素人としての感想を抱いた。

 

 

・アトスの食事は聖書が読まれている間に食べ終わらなければならない

祈りが終わると今度は食事の時間だ。アトスの食事方法は興味深く、係の修道士が聖書(お経?)を読み上げる間だけ巡礼者は食事を食べることができるというものだった。たとえまだ食べ終わっていなくても、修道士が聖書を読むのをストップしてしまえばそこで食事を終えなければいけないシステムのようだ。

しかしこのシステムにも修道院によって違いがあるらしく、巡礼者の食事スピードも考えず聖書を読み終えれば問答無用で食事をストップさせてしまう修道院もあれば、巡礼者が食べる時間を考慮して長い間聖書を読み続けてくれる優しい修道院もあった。Iviron修道院は後者だったので安心して食べることができた。

ここIviron修道院でも異教徒は正教徒と同じ机で食事を取ることが許された。結局異教徒がお祈りを見学することも許されず、食事も正教徒とは別の机に隔離されたのは最初のZografou修道院だけだった。

異教徒が受ける様々な区別!Zografou修道院ではギリシャ正教徒でない者は食事も祈りも仲間外れにされた

 

・修道士の生活も思ったより忙しそう

食事が終わると日本人修道士のTさんが外で待っていてくれ、もう少し仕事があるけれどそれが終わればお話ししようとおっしゃってくれた。修道士の生活というのもなかなか忙しそうだ。早朝の3時とか4時とかまだ明るくならないうちからお祈りがあり、夕方にもまたお祈りがあり、それに加えて様々な役割が担わされているというのだから、宗教的な祈りを捧げるために隔絶されたアトスに籠ったとはいえど、少しは社会的な労働者の側面もありそうだと感じられた。ぼくはTさんの仕事の終わるのを待ちつつ、中庭の椅子に腰かけながら猫と戯れたりして時間を潰した。

 

 

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