アトスに日本人修道士がいる?!イヴィロン修道院は予約なしでも宿泊させてくれた【アトス巡礼記ブログ18】

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隔絶されたギリシャ正教の聖地アトスに日本人修道士がいるって本当?!?!?

アトスに日本人修道士がいる?!Iviron修道院は予約なしでも宿泊させてくれた

・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ
・予約なしでもアトスの修道院に直接頼めば宿泊できるのか?
・首都カリエスからIviron修道院を目指して
・予約なしでもIviron修道院に泊まれるかどうか直接尋ねてみよう
・ショック!Iviron修道院には予約なしでは泊まれないと明記されていた
・衝撃!Iviron修道院では日本人修道士が修行していた

・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ

2017年に偶然「孤高の祈り ギリシャ正教の聖山アトス」という写真集を見かけて衝撃を受けた。ギリシャ正教の辺境の聖地アトスでは何と1406年から今に至るまで女人禁制が貫かれており、一般的な世界とは隔絶された宗教世界の中で黒ずくめの衣装を纏った僧侶たちが自給自足の生活を営みながら祈りに専念しているのだそうだ。神秘的で美しく荘厳なアトスの写真の数々を目にしたぼくは、せっかく男性の肉体を持ちながらこの世に生まれ着いたことだし、世界一周の旅の中で絶対にギリシャのこのアトスへと立ち寄ろうと直感的に心に決めた。

 

・予約なしでもアトスの修道院に直接頼めば宿泊できるのか?

アトスに7年間住んでいるというギリシャ人のおじさんに一旦別れを告げて、ぼくは首都カリエスからKarakallou修道院に向けて1人で歩き出した。カリエスからKarakallou修道院までの巡礼路の途上には様々な修道院が点在しているので、それを見て回るのも楽しそうだ。

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しかし今日はまだ宿泊できる修道院が決まっていない状態なのでそんな呑気なことも言っていられないのかもしれない。まずは泊めてもらえる修道院を確保することが最優先だ。どの修道院でもいいから、とりあえず宿泊させてもらえるかどうかを訪ね歩きながら確認するのが重要だと考えた。泊まれる修道院が見つからずに、アトスで野宿するということだけは避けたい。果たして予約も取れていないのに、アトスの修道院には簡単に泊まれるのだろうか。それとも予約なしは受け付けないと冷たく追い出されてしまうのだろうか。

 

 

・首都カリエスからIviron修道院を目指して

 

Karakallou修道院は昨日の夜宿泊させてもらったPantokratoros修道院と同じアトス半島の東海岸に位置しているので、カリエスから途中まで昨日と同じような巡礼路を辿っていく。首都カリエスからKarakallou修道院に向かう道の途上で、最初に出くわすのがIviron修道院だ。したがってまずはIviron修道院を目指して歩き出した。

 

 

グーグルマップの示すIviron修道院までの道のりは、古来より使われている獣道や山道ではなく幅の広い車道だった。頻繁に巡礼者を乗せたミニバスは通り過ぎて行くものの、昨日一昨日と全く同じで歩いて巡礼する人の姿は今日も見当たらない。まるで今日もぼくはアトスで歩くただ1人の巡礼者になったような気分だ。いくつものミニバスを見送りながら、ただひたすらにIviron修道院への歩みを進めていく。

 

カリエスからIviron修道院までの歩行時間は約1時間半。カリエスは高地にありIviron修道院は海沿いにあるので、高いところから低いところへ下っていくという比較的気軽な巡礼だ。グーグルマップが表示した通り、所要時間は1時間半ほどだった。

 

・予約なしでもIviron修道院に泊まれるかどうか直接尋ねてみよう

目的地は一応Karakallou修道院だったが、とりあえず物は試しということでここで宿泊できるかどうか尋ねてみることにした。アトスで初めて予約なしで修道院に泊めてもらえるかどうか聞くのがこのIviron修道院ということになる。果たしてうまくいくのだろうか。

Iviron修道院は入り口を入るとすぐ右側に売店があり、他の修道院と同じようにワインやお香やイコンなど、ギリシャ正教的な様々なお土産品が売られていた。売店の修道士のおじさんに今日はここに泊まりたいのだが可能かどうか尋ねてみる。おじさんは売店専門なので、それならゲストハウスに直接行くように命じられた。

 

 

・ショック!Iviron修道院には予約なしでは泊まれないと明記されていた

 

おじさんに説明された通りゲストハウスと呼ばれる建物に入ろうとすると、その扉にははっきり「Only pilgrims who have made a reservation may stay the night at the monastery.」と明記されていた。つまり予約してない巡礼者は宿泊お断りということだ!がーん!こんなに堂々と予約していない人は泊まれないと宣言されているのに、一応聞くだけ聞いた方がいいのだろうか。ぼくはもはや心細くなり、しかしせっかく来たんだしダメ元で尋ねてみることにした。もしかしたら今日は泊まる人数が少ないからとかいう理由で、優しさで泊めてもらえる可能性もあるかもしれない。

 

中に入るとレセプションのようなデスクがあったが「すぐ戻るから待っていて!」という立て札が設置されていて、そこには誰もいなかった。これはしばらく待つしかなさそうだ。中で座っていた見知らぬおじさんに、ルクミとコーヒーを自分で好きに食べたり飲んだりしていいよと教えられたので、お言葉に甘えていただくことにした。今までの修道院では修道士の人がわざわざルクミとコーヒーなどを運んできておもてなししてくれたけれど、ここIviron修道院ではセルフサービスのようだ。まだ泊まれるとも決まっていないし普通に考えれば泊まれない可能性の方がかなり高いはずなのに、ぼくは待ち時間にルクミとコーヒーをいただくことになった。

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しかし待てど暮らせど係の人は戻って来ない。仕方がないのでもう一度売店まで戻り、さっきのおじさんに係の人が全然来ないことを伝えた。しかしおじさんも専門外のことなので、もうちょっと待っててとしか言えないようだった。どうしよう。泊まれないのなら今日泊まる修道院を探すためにまた巡礼を始めなければならないのだから、とりあえずここに泊まれるのか泊まれないのかだけでも教えてほしいなぁとぼくは内心焦りながら感じていた。

その時売店にいた別の修道士がぼくに「どこ出身なの?」と尋ねてきた。ぼくはすぐに「日本だ」と答えると、その修道士は驚いたような顔つきをして「本当?!この修道院には日本人の修道士がいるんだよ!話すといいよ!」と教えてくれた。えー!こんな辺境のギリシャ正教の聖地に日本人修道士が?!

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実はアトスに日本人修道士が1人いるという情報は、ウラノポリからのフェリーの上で話したイギリス人男性に教えてもらっていた。その時もものすごく驚いたが、どこの修道院にいるかまでは知らないということだったので、20もの修道院があるこの広大なアトスの中でしかも3泊4日という限られた巡礼期間において、その日本人修道士に巡り会うことは不可能だろうと思っていた。しかしまさかこのIviron修道院にいて、日本人の自分がそこに泊まろうとしているなんて!

日本人修道士は今仕事中だがいずれ会えるだろうということだった。もはやぼくが日本人ということがわかって時点で、ここIviron修道院に泊まれることが確定しているような雰囲気だった。そしてぼくが感じた雰囲気の通り、めでたくIviron修道院に宿泊できることになった。「Only pilgrims who have made a reservation may stay the night at the monastery.」の注意書きは何だったのだろうか。もちろんぼくが日本人だから泊まれたというわけではなく、たまたま空いていたから泊めてもらえた可能性も十分にある。しかし何はともあれ予約なしでも、そして予約なしの巡礼者は泊めないと宣言されている修道院でさえも、当日直接頼み込めば修道院に泊まることは可能だった!

よかったーこれで一安心!しかも日本人修道士とお話しすることができるなんて!ぼくは自分自身でアトス巡礼の旅をして、アトスの謎が明らかになった部分もあったが、まだまだ真相はどうなのかわからないこともかなり多かったので、ここはぜひ日本人修道士の方に伺ってみようと思った。

 

 

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