アトスの首都カリエスからPantokratoros修道院までの美しい石畳の道は熊野古道のようだった【アトス巡礼記ブログ15】

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こんなに風情ある巡礼路がアトスにも!!!!!

アトスの首都カリエスからPantokratoros修道院までの美しい石畳の道は熊野古道のようだった

・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ
・アトスの首都カリエスからPantokratoros修道院まで歩いて巡礼しよう
・アトスでさえグーグルマップは役に立つ
・カリエスからPantokratoros修道院までの道は、美しい石畳が熊野古道のようだった
・秘境の聖地アトスではグーグルマップが通用しない場面もあった
・アトス山が雲で隠れている
・Pantokratorosは海岸沿いの断崖絶壁に建てられた海の修道院

・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ

2017年に偶然「孤高の祈り ギリシャ正教の聖山アトス」という写真集を見かけて衝撃を受けた。ギリシャ正教の辺境の聖地アトスでは何と1406年から今に至るまで女人禁制が貫かれており、一般的な世界とは隔絶された宗教世界の中で黒ずくめの衣装を纏った僧侶たちが自給自足の生活を営みながら祈りに専念しているのだそうだ。神秘的で美しく荘厳なアトスの写真の数々を目にしたぼくは、せっかく男性の肉体を持ちながらこの世に生まれ着いたことだし、世界一周の旅の中で絶対にギリシャのこのアトスへと立ち寄ろうと直感的に心に決めた。

 

・アトスの首都カリエスからPantokratoros修道院まで歩いて巡礼しよう

アトスの首都カリエスからPantokratoros修道院まで公共交通機関でどうやって行けばいいのか結局さっぱりわからなかったので、巡礼の最も基本に立ち返り、歩いて行くことにした。距離は6.8km、時間は1時間半ほどかかるとグーグルマップには記されている。前日に20kmを4時間かけて巡礼したことを思えば、困難な旅路でもないだろう。しかも都合のいいことに、首都カリエスは高地に位置していた。つまりPantokratoros修道院までは基本的に下って行くだけの道のりになるということだ。

しかしここは謎に満ちた未知なるギリシャ正教の聖地アトス。何が起こるかわからないので油断せず、とりあえず明るいうちには到着しなければならないという気持ちで歩き出した。カリエスを出発したのは午後1時半。よほどのことがない限り、日暮れまでには辿り着けるだろう。

 

 

・アトスでさえグーグルマップは役に立つ

グーグルマップを頼りに、どんどんと坂を下っていく。アトスは俗世から閉ざされ隔絶された辺境の聖地なのだから、グーグルマップには正確な道なんか登録されていないかもしれないと心配していたが、意外なことにほとんどの車道は見つけることができた。

 

・カリエスからPantokratoros修道院までの道は、美しい石畳が熊野古道のようだった

カリエスからPantokratoros修道院までの道は、敷き詰められた美しい石畳が印象的だった。日本人にとって巡礼といえば、四国のお遍路、そして世界遺産に登録されている熊野古道をイメージする人が多いのではないだろうか。このPantokratoros修道院に向かうまでにいくつもの風情ある石畳を通り過ぎ、ぼくは熊野古道の大門坂を思い出さずにはいられなかった。

那智の滝へ向かうための大門坂といえばまさに「熊野古道」を象徴する典型的な風景で、訪れる観光客も後を絶たないが、ここアトスでは同じような情緒深い石畳の道が残されているのに、ぼく以外に歩く人はいない。アトス巡礼に慣れている人はみんなミニバスに乗って修道院に移動するだけのようだ。人々からすっかり忘れ去られてしまったかのようなこの石畳を見て、ぼくは何だか寂しい気持ちになった。

きっと今のように大きな車道を整備する前には、巡礼者は歩いてアトスを巡礼するしかなかったのだろう。深い歴史を持つ伝統的なこの聖地では、古代より多くの人々が歩いて巡礼を繋いできたに違いない。だからこそこのような立派で美しい石畳の巡礼路が残されているのだ。

はるか古より数々の巡礼者が祈りを込めながら踏み締めてきたこの石畳の道の上を、今を生きる自分も歩いているのだと思うと非常に感慨深かった。道というものは多くの人が歩けば歩くほど、そして彼らが祈れば祈るほど、深まっていくものなのではないだろうか。ぼくにはこの世には“深い道”というものがあるような気がしてならない。大きくて広くて新しい道の上を歩くより、ぼくは世界中で深い道を辿っていきたい。

 

・秘境の聖地アトスではグーグルマップが通用しない場面もあった

秘境の聖地アトスでさえグーグルマップは役に立つのだと感心していたが、やはり100%正確にとはいかなかったようだ。たまに今は存在しない道を教えられ、どうやってもグーグルマップが教えるその道を辿ることができなくて、仕方なくかなり遠回りして引き返したこともあった。しかしそれでも大きな道の様子と自分の位置はわかるので、昔の旅に比べたらかなり便利になったに違いない。

 

・アトス山が雲で隠れている

ギリシャ旅行中は本当に毎日雲ひとつなく晴れていたのに、ここアトスで初めての小雨。やはり半島とは島で、森や山が深いと、水蒸気を保ちやすくなるので雨雲が形成されやすいのだろうか。昨日は綺麗に全体が見えていたアトス山も、今日は下半分も見えない。

 

 

・Pantokratorosは海岸沿いの断崖絶壁に建てられた海の修道院

 

森の中の狭い山道と綺麗に整備された広い車道を幾度も繰り返しながら、ついにその先でPantokratoros修道院が姿を現した!アトスの修道院全てに言えることだけど、本当に迫力があって立派で美しい古城のような雰囲気!そして内部には神聖で荘厳なキリスト教世界が展開されているということが、外から見ているだけではわからないというのも共通していて面白い。あのお城のような修道院の中には、どんな宗教世界が広がっているのだろうか。

 

海岸沿いの断崖絶壁に建てられたPantokratorosは、まさに海に浮かぶ修道院!昨日滞在したZografouは山の中の修道院だったので、また全く違った趣がある。海も山も豊かであるという性質を持ったアトスは、なんとなく日本列島に似ていると感じられた。十字架が海から突き出ているように天に向かってまっすぐに伸びている。海洋的な雰囲気を感じながら、ぼくはPantokratoros修道院へと登っていった。

 

 

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