アトス最小の修道院!水道橋が美しいStavronikita修道院は「牡蠣の聖ニコラス」の物語が興味深かった【アトス巡礼記ブログ25】

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美しきStavronikita修道院の水道橋と奇跡のイコン!!!!!

アトス最小の修道院!水道橋が美しいStavronikita修道院は「牡蠣の聖ニコラス」の物語が興味深かった

・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ
・Stavronikita修道院はアトス最小の修道院だった
・Stavronikita修道院の水道橋の美しさに心奪われた
・Stavronikita修道院「牡蠣の聖ニコラス」の奇跡の物語に、Iviron修道院との共通点を見出した
・アトス山が出現!Pantokratorosから「Stavronikita修道院+アトス山」の絶景を見たい

・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ

2017年に偶然「孤高の祈り ギリシャ正教の聖山アトス」という写真集を見かけて衝撃を受けた。ギリシャ正教の辺境の聖地アトスでは何と1406年から今に至るまで女人禁制が貫かれており、一般的な世界とは隔絶された宗教世界の中で黒ずくめの衣装を纏った僧侶たちが自給自足の生活を営みながら祈りに専念しているのだそうだ。神秘的で美しく荘厳なアトスの写真の数々を目にしたぼくは、せっかく男性の肉体を持ちながらこの世に生まれ着いたことだし、世界一周の旅の中で絶対にギリシャのこのアトスへと立ち寄ろうと直感的に心に決めた。

 

・Stavronikita修道院はアトス最小の修道院だった

Iviron修道院で巡り会った日本人修道士のTさんと共に、山道を越え砂浜を渡り岩をよじ登る“海の巡礼”を繰り返しながら、やっとの思いでIviron修道院から隣のStavronikita修道院まで辿り着いた。

アトスの東海岸にはPantokratoros、Stavronikita、Ivironと順に修道院が立ち並んでいるが、StavronikitaはPantokratorosからもIvironからも目立ってよく見える海に突き出た絶景の修道院だった。そのせいかとても巨大な修道院を想像していたが、実際に訪れてみるとStavronikita修道院はとても小さくて可愛らしい印象を受けた。それもそのはずで、何とStavronikitaはアトスの中で最小の修道院だという。

 

 

・Stavronikita修道院の水道橋の美しさに心奪われた

 

しかしいくら小さいと言っても、他のアトスの修道院と同じように荘厳で神聖な雰囲気は保たれたままだった。特に他の修道院には見られない特徴として、立派で美しい水道橋は一見の価値があった。水道橋の下は池のようになっており、蓮の葉の下に鯉が泳いでいたりして和やかな空気に包まれた。

 

小さなStavronikita修道院でも巡礼者を泊めることができるようで、今夜泊まる予定の巡礼者たちが外で談笑していた。ぼくとTさんも会話に参加させてくれ、アトスならではの素朴な人々との出会いに心が癒された。

 

・Stavronikita修道院「牡蠣の聖ニコラス」の奇跡の物語に、Iviron修道院との共通点を見出した

Tさんと訪れたこともあってかStavronikita修道院では神父さんが教会内に案内してくれ、その意味について細かく説明してくれた。普通ならギリシャ語なんて全く理解できないが、Tさんが通訳してくださって本当にありがたかった。Tさんと出会えたことで、文字通りアトスでの世界が広がったような気分だった。

神父さんのお話で興味深かったのは、奇跡のイコンの話だった。ここStavronikita修道院には14世紀の聖ニコラスのイコンが保存されているという。それは別名「牡蠣の聖ニコラス」と呼ばれ、海から拾い上げられた時におでこに牡蠣がくっついていたので取り除くと、なんとおでこから出血したというのだった!おでこから出血したことで聖ニコラスのイコンは奇跡のイコンとして有名になったらしい。

傷から血が流れ出す奇跡のイコン!「イヴィロンの生神女」の実物をアトス・イヴィロン修道院で鑑賞した

ぼくがお世話になっておりTさんが修行しているIviron修道院にも奇跡のイコンがあったが、それもマリア様の首を剣で刺すと血が噴き出てきたという内容だった。アトスの修道院の“奇跡”には、ある程度の共通点があるのかもしれなかった。

絵から出血するなんて何だかおぞましいような気がしてしまうが、そこはキリスト教世界の中では“神聖な出来事”と捉えられる感性が生じているのだろう。“出血する=本当に生きている“という意味合いが発生し、イコンはただの絵ではなく生命が宿った極めて神聖なものであるという解釈が生まれるのはごく自然な流れだ。

アトスの他の修道院の“奇跡”にはどんなものがあるのかとても興味深く思われたが、残念ながらぼくには全ての修道院を冒険する時間は残されていなかった。この“イコンから血が流れる”という共通の物語はアトスに限られたものなのだろうか、それともキリスト教世界に広く分布しているのだろうか、もしくは宗教を超えた範囲にさえ見出すことができるものなのだろうか、非常に面白そうな課題だ。

 

 

・アトス山が出現!Pantokratorosから「Stavronikita修道院+アトス山」の絶景を見たい

 

Stavronikita修道院の参拝を終えて空を見上げると、さっきまで雲で隠れていたアトス山がその姿の全貌を現していた!その瞬間ぼくの脳に浮かんだのは、Pantokratorosにもう一度行きたいということだった。天気が悪かったせいでPantokratorosから「Stavronikita修道院+アトス山」の絶景を見られなかったことが非常に悔やまれたが、今日ならその絶景を確実に見ることができるだろう!

StavronikitaからPantokratorosまでは徒歩1時間ほど!Ivironのお祈りにはギリギリ間に合うかもしれない時間だったが、たとえ間に合わなくてもぼくはPantokratorosへ行きたかった!Tさんは「道に迷うかもしれないからおすすめしない」とやんわり止めようとしてくれたが、ぼくはもういてもたってもいられなくなり、必ず戻ることを約束してから1人きりでPantokratorosに向けて歩き出した。アトスを出る前に絶対に「Stavronikita修道院+アトス山」の絶景をこの目に焼き付けたい!

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結局IvironからStavronikitaでは終わらず、追加でStavronikitaからPantokratorosまで歩いてさらにIvironに戻るというのが、ぼくのアトス最後の巡礼となった。

 

(Stavronikitaから見えるPantokratorosの風景)

 

 

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