往復20km日帰り巡礼の旅!アトスZografou修道院から向かったVatopedi修道院の教会内部に圧倒された

 

アトスの教会内部の神聖な雰囲気に心奪われた!!!!!

往復20km日帰り巡礼の旅!アトスZografou修道院から向かったVatopedi修道院の教会内部に圧倒された

・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ
・往復20km4時間!Zografou修道院からVatopedi修道院まで歩こう
・誰にも出会わないVatopediまでの巡礼路 ・アトス巡礼の道でぼくはお遍路の巡礼路を思い出した
・Zografou修道院からVatopedi修道院までの巡礼路の風景
・まるで小さな町のよう!Vatopedi修道院で初めてアトスの教会内部を見学した
・Zografou修道院までの復路の方が往路よりも大変な道のりだった
・Zografou修道院からVatopedi修道院までの日帰り巡礼まとめ

・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ

2017年に偶然「孤高の祈り ギリシャ正教の聖山アトス」という写真集を見かけて衝撃を受けた。ギリシャ正教の辺境の聖地アトスでは何と1406年から今に至るまで女人禁制が貫かれており、一般的な世界とは隔絶された宗教世界の中で黒ずくめの衣装を纏った僧侶たちが自給自足の生活を営みながら祈りに専念しているのだそうだ。神秘的で美しく荘厳なアトスの写真の数々を目にしたぼくは、せっかく男性の肉体を持ちながらこの世に生まれ着いたことだし、世界一周の旅の中で絶対のギリシャのこのアトスへと立ち寄ろうと直感的に心に決めた。

 

・往復20km4時間!Zografou修道院からVatopedi修道院まで歩こう

今夜泊まるZografou修道院で、17時のお祈りの時間まで何もやることがないと知ったぼくは、距離10km歩いて2時間かかるという東海岸に位置するVatopedi修道院まで歩いて巡礼してみることにした。往復20kmで4時間かかる計算だが、今は丁度13時なのでスムーズに行けば何とかZografou修道院のお祈りの時間に間に合うだろう。

Zografou修道院からVatopedi修道院までの道はただひたすらの一本道だから迷うことはないだろうと、Zografou修道院で働いている優しいおじさんが教えてくれ、さらにはVatopedi修道院へ続く道までわざわざ案内してくれた。ぼくはおじさんに感謝しつつ別れ、Vatopedi修道院へ続く舗装されていない道路をひとりきりで歩き始めた。

地理的に考えれば山間にあるZourafou修道院から東海岸にあるVatopedi修道院まで歩くので、今回初めて訪れたアトス半島をほぼ横断することになるだろう。アトス半島を歩いて横断するってどんな感じなのだろうか。この横断の旅を成し遂げればアトスの色や形や音や匂いや手触りを直接五感で感じ取ることができ、アトスの大地の感覚をこの肉体に刻みつけることができるだろう。

それは初めてやって来た土地の原始よりの神々や精霊に挨拶をするという、極めて日本人的な発想かもしれなかった。ぼくの中の巡礼の意味はそこにあり、たとえギリシャ正教最大の辺境の聖地を訪れたとしても、ぼくは単なる日本人に他ならなかった。

 

 

・誰にも出会わないVatopediまでの巡礼路

 

最初はZourafou修道院からただひたすらに坂を登っていく。舗装されてはいないものの道はやや広く車も通れるようになっている。しかし結局この巡礼の旅の途中で一台も車に出会うことはなかった。道の周囲に木々はなく、太陽が直接照り付けてくるので体力を奪い取られ易い道だ。

 

 

スペイン巡礼のようにあちらこちらに道標などないだろうと心配していたが、意外なことに「Vatopedi」と書かれた看板は必要なだけあったので迷うことはなさそうだった。きっと今は車が通れるようになったけれど、古代では誰もが歩きながら修道院から修道院へと巡礼していたので、このような看板は必要不可欠だったのだろう。しかし一方で今はぼく以外に歩いている巡礼者の姿はない。時代は移り変わりみんなミニバスに乗って快適な巡礼を楽しんでいるようだ。しかし誰にも出会わないからこそ遮るものが一切なく、アトスの大地と大自然に向き合うことができた。

 

道は次第に車道を逸れ、狭い獣道へと入っていく。この辺りから常に緑の木々が影をもたらしてくれ、涼しくて歩き易い快適な巡礼をすることができた。スペイン巡礼でも感じたことだったが、影って本当にありがたい!ぼくの中で影とは、水と同じくらい人間にとってなくてはならない尊い恵みだと感じられた。そして道は完全に山道へと入っていった。

 

・アトス巡礼の道でぼくはお遍路の巡礼路を思い出した

 

森の中で見つけた十字架の祠。このような風景をどこかで知っているなぁと思ったら、まさに日本の代表的な巡礼路・お遍路の途上の風景だった。ぼくは88箇所のお寺を車中泊して車で回ったが、最後の最後だけは歩こうと思い立ち、第11番から第12番までを歩いた。ここは「最後まで残った空海の道」とも呼ばれ、古代より続くお遍路の雰囲気を昔のままに留めているのだという。

 

最後まで残った空海の道!お遍路最後の寺・第12番「摩盧山 正寿院 焼山寺」は第11番から歩いて巡礼する

お遍路の山道の途中で突如現れる、ポツンと立った庵。巡礼の道の雰囲気も、建物の雰囲気もどことなくよく似ていた。アトスはギリシャ正教の聖地で、四国は仏教そして密教の聖地だ。距離はお互いに遥か遠く、宗教的にも交わるものはなさそうだ。しかしその両方の巡礼をこの肉体によって直に確かめてみれば、2つは何か根っこの部分で共有しているものがあると思えてならなかった。

どのような国であろうと、どのような宗教形態でろうと、巡礼や祈りを突き詰めていくと人は同じ根源の島へと辿り着くのではないかという仮説が、ぼくの中に立ち上がった。究極的な祈りを天に捧げた時に人は、国という違いを超えて、宗教という違いを超えて、同じものを見つめるのではないだろうか。それゆえに国が異なるからと、宗教が違うからと憎み合うことは、まだ極値へと達していない証でもあるように感じられた。

人間は誰もが同じ場所から生まれ、同じ目的地を目指しながら、同じ場所へと帰っていく。それがそれぞれ国や宗教によって異なるように見えるのは、そのように感じられる魂が未熟だからかもしれなかった。

 

・Zografou修道院からVatopedi修道院までの巡礼路の風景

 

順調に「Vatopedi」という看板を見ながら、山道を登っていく。やがて登ったり下ったりを繰り返すようになったが、ついにはただひたすらに山道を下り始めた。Vatopedi修道院は海岸沿いにあるので最後の最後まで下っていくのは必然なことだった。影のある下り道はとてつもなく楽だったが、帰りはこの道を登っていく運命が待ち構えているかと思うと荷が重かった。

 

 

たまに目の前の遥か向こうに海が見えたり、木々に遮られてすぐに消えたりしていく。日本の山に似ている気もするが、豊かで清らかな川が流れていないという点では日本の山と大きく異なっているように思えた。美しい川が常に流れている日本の山々が少し恋しくなった。

 

 

食べられそうな真っ赤な木の実を発見!植物に詳しくなく何の実か全然わからないので食べずに先を急ぐ。

 

 

Vatopedi修道院に近づくに従って、次第に石段が現れてくる。石段の道が出てくると熊野古道の大門坂のように、まさに巡礼の道という雰囲気がして気分が高まってくる。

 

 

森を抜けると目の前に広がる青い大海原!ついにアトス半島の東海岸をこの目に焼き付けることができた!Vatopedi修道院はきっともうすぐ!

 

 

ここへ来て初めて歩く巡礼者に出会った!3人組のおじさんが目の前から歩いてくる。どうやらVatopedi修道院からZografou修道院まで歩いて行くようだ。軽く挨拶をして先を急ぐ。往路ではこの3人以外出会う人はなかった。

 

 

途中で見つけた真っ赤なタマネギのような果物!明らかに食べられそうだけど何の実だろう?ぼくはこの時初めてこの実を見たのでわからなかったが、この後ギリシャの島々をめぐる旅をしたらこの実を頻繁に見ることになった。これはザクロの実。赤い宝石のような小粒の果実がこの実の中に閉じ込められていた。ギリシャの島々では置物のお土産としてもよく売られていたので、きっとギリシャを代表する果物として扱われているのだろう。

 

途中の道で犬が寝ている!吠えられたり襲われたりしたら嫌だなぁと思いながら恐る恐る通り過ぎようとすると、何とその周囲には大量のハエが!そう、犬は死んでいたのだ!毛や皮は残っており犬だとはっきりわかるものの、よく見ると内部は腐敗して目からは骨まで覗いている。まさに最近死んで肉体が腐敗して骨になる途中のようだった。ていうかそんな状態生まれて初めて見たので本当にびっくりした!この道を通る人が少なすぎて誰も埋めてあげなかったのかなぁ。

ぼくも今は若くて健やかな肉体を駆使して巡礼をしているが、すぐにこの犬のように肉体が朽ち果てるのだろうと思わずにはいられなった。路上の犬は関係のない他者ではなく、明らかに自分自身だと感じられた。

 

・まるで小さな町のよう!Vatopedi修道院で初めてアトスの教会内部を見学した

 

ついにVatopedi修道院が見えてきた!海岸線までもうすぐ!

 

 

真っ青な海の広がる海岸線を歩いていくと、Vatopedi修道院の入り口が見えてきた。丁度2時間かかって到着!早速中にお邪魔してみる。

 

 

Vatopedi修道院の内部はものすごく巨大で、城壁に閉じ込められた小さな町のようだった。石造りの建物やフレスコ画だけではなく、花々も綺麗に手入れされていてまるで天国のような美しい世界が広がっている。アトスは男だけの世界なのでもっと荒々しく粗雑な雰囲気で、花などとは無縁の世界なのではないかと予想していたが、実際に訪れてみると繊細な美的感性も感じられる穏やかで安らかな聖地だった。

 

 

人々だけではなく猫たちものんびりと過ごしている。ギリシャの旅を通して、ギリシャは紛れもない猫の国だと実感させられた。動物の中で猫だけがネズミ退治のためにアトスにメスを入れることを許されていることも、アトスに猫が多い理由のひとつだろうか。

ぼくはここVatopedi修道院において、アトスで初めて教会の内部を見学した。教会内部は撮影禁止だったが、写真に撮らなくてもその荘厳でこの世のものとは思えない雰囲気は記憶に焼き付いている。その内部は外部からの光が遮られており、昼間なのに意外なほどに暗かった。暗闇の中にぼんやりと浮かび上がる、天井にまでびっしりと描き込まれた宗教画が祈る者を見守り、天井から吊り下げられた見たこともない巨大な宗教的シャンデリアが威光を放っている。内部は全体的に鈍い金色の色彩が目立つものの、その中で唯一多角形のシャンデリアにだけは赤や青などの鮮やかな色彩のガラスが施されており、何か人知を超えた魔法が飛び出してきそうな気さえしてしまう。ここが現代であるとは思えない伝統的で黒い衣装を纏った修道士が見受けられることも、魔法的な雰囲気をさらに強めている。

 

Vatopedi修道院は教会内部以外は自由に写真撮影することができた。Vatopedi修道院に限らずアトスはどこの修道院も写真撮影に関しては同じような決まりだった。教会の外部のフレスコ画も古代的な趣があって実に美しい。あまりの迫力にその場でしばらく立ち尽くしてしまった。

 

・Zografou修道院までの復路の方が往路よりも大変な道のりだった

 

急いで見学した後は、急いでZografou修道院への帰路に着いた。何しろこれからさらに10km2時間近く歩かなければならない。しかもぼくの感覚では、往路よりも復路の方が上り坂が多くて険しそうな印象だった。往路では上り坂よりも下り坂の方が遥かに多いと感じたからだ。悲しいことにその予想は当たり、復路の上り坂は長く険しく、ぼくは森の影に守られながらも汗だくになって歩き続けた。帰りの巡礼路でも出会った巡礼者はたった1人!合計20km歩いて、4人の巡礼者にしか出会わなかった。それほどアトスは歩行の巡礼者が少ないということなのだろう。

 

 

帰りは大体同じ風景なので、写真を撮ることも少なくどんどん進んだ。坂道を登り切り、Zografou修道院に次第に近づき、西海岸の海が見えた時にはもうすぐだと安心した。

 

Zografou修道院に到着したのは17時半!17時のお祈りの開始には間に合わなかったが、途中から教会に入っても何の問題もなかった。他の巡礼者たちも出たり入ったりを繰り返していたので、ギリシャ正教の祈りとはそういうものなのだろう。教会内部でずっとお祈りを捧げてもいいし、そんなに熱心でないなら途中から入ったり途中から出たりしてもいいという、何となくおおらかな感じを受けた。もちろんそれは巡礼者の話で、修道士はもっと厳格な役割が決まっているのだろうけれど。

 

 

・Zografou修道院からVatopedi修道院までの日帰り巡礼まとめ

ZografouからVatopediへの巡礼まとめ
距離は往復20km
時間は往復4時間
Vatopedi修道院の見学には30分間費やした
看板があって導いてくれるので安心
往路よりも復路の方が上りが多くてキツかった
影のない車道もあるが、基本的には森の中を歩くので涼しい
辺境の地アトスなのでグーグルマップが頼りにならないことも
とにかく一本道を進んで海岸線まで出るとVatopedi修道院に着ける

 

 

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