ギリシャ正教最大の聖地!アトスで写真撮影が禁止されているというのは本当か?

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ギリシャ正教の聖地・アトスって写真撮影できるの?????

ギリシャ正教最大の聖地!アトスで写真撮影が禁止されているというのは本当か?

・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ
・アトスでは写真撮影可能なのか?それとも禁止されているのか?
・アトスの修道院外では、自由に写真撮影が可能だった
・アトスの修道院内であっても、教会内部以外は写真撮影可能だった
・アトスで最も大切な場所は写真撮影できないが、それでいい

・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ

2017年に偶然「孤高の祈り ギリシャ正教の聖山アトス」という写真集を見かけて衝撃を受けた。ギリシャ正教の辺境の聖地アトスでは何と1406年から今に至るまで女人禁制が貫かれており、一般的な世界とは隔絶された宗教世界の中で黒ずくめの衣装を纏った僧侶たちが自給自足の生活を営みながら祈りに専念しているのだそうだ。神秘的で美しく荘厳なアトスの写真の数々を目にしたぼくは、せっかく男性の肉体を持ちながらこの世に生まれ着いたことだし、世界一周の旅の中で絶対にギリシャのこのアトスへと立ち寄ろうと直感的に心に決めた。

 

・アトスでは写真撮影可能なのか?それとも禁止されているのか?

ぼくが「孤高の祈り ギリシャ正教の聖山アトス」の文章を読んでいて気になったことは、アトスってもしかして写真撮影禁止なのではないかということだ。作者の旅の記録の中ではアトス内で写真撮影しようとすると、修道士から厳しく叱られた場面がしばしば出てくる。また作者はアトスの写真撮影および出版の許可証を与えられたと記しているので、逆に言えばそのような特別な許可証がなければアトスでは写真撮影が許されないということではないだろうか。

ぼくのように旅の記録をブログに書き綴りたい者として、写真撮影できるのかできないのかは非常に重要な問題だった。もしも艱難辛苦を乗り越えてやっとの思いで辺境の聖地アトスへ辿り着いたとしても、そこで写真撮影すら許されないのでは行った甲斐がないというものだ。写真撮影なんかよりももっと大切なものがある、カメラのレンズではなく実際に瞳で見た風景や体験こそが旅における宝物だという意見があるのはもっともだが、そこは価値観の問題だ。ぼくにとっては旅の最中に感動的で美しい写真を撮ることも、旅における最も重要な価値のある目的のひとつなのだ。アトスで写真撮影ができるのかどうかは、ぜひ日本を旅立つ前に知っておきたい。

しかしギリシャ正教の辺境の聖地アトスへと行った日本人が極めて少ないせいもあってか、インターネットで調べてみてもアトスで写真撮影可能かどうかは明確にはよくわからなかった。英語で検索してみても写真撮影ができるのかどうかというはっきりとした記述は見当たらない。こうなったらもはや実際にアトスへと行ってみて直接写真撮影してもいいのか尋ねてみるより他はないだろう。インターネットで調べてみても何もかもがよくわからないという、便利な情報で溢れている現代において滅多に起こらない未知なる冒険的興奮が味わえるという点も、アトス巡礼の旅の珍しい魅力のひとつなのかもしれない。

 

 

・アトスの修道院外では、自由に写真撮影が可能だった

アトスでは写真撮影できるのかもしくは禁止されているのか、よくわからない不安な気持ちを抱きながら、ぼくは何とかギリシャのアトスへと辿り着いた。実際にアトスの内部を旅してみて、アトスにおける写真撮影の事情がよくわかった。

アトスへ向かうフェリーやバスの中、アトスの町や港や道など修道院の外では、基本的には写真撮影をしてはならないという決まりはなかった。そりゃあ巨大なアトス半島全体や自然の中ですら写真撮影してはならないという規則があったとすればそれは厳しすぎるし、そんなの現実的ではないだろう。修道院の外部であればぼくたちはアトスを包み込む大自然の風景や、ギリシャ正教の独特な文化が培ってきた神秘的な光景を、自由に写真撮影することができた。では修道院の内部の写真撮影に関してはどうだったのだろうか。

 

・アトスの修道院内であっても、教会内部以外は写真撮影可能だった

修道院内の写真撮影については、修道院によって若干事情が異なっている可能性があるので、実際にその修道院で暮らしている修道士に質問するのが最も確実だろう。しかしアトスで4泊5日滞在したぼくの経験から言うと、宿泊した全ての修道院では写真撮影の規則は全く同じだった。

基本的にはぼくたちは修道院内ですら自由に写真撮影することが可能だった。しかしどこの修道院でも写真撮影してはならない場所があった。それは祈りを捧げる教会の中だ。修道院の中で最も重要な教会の内部に関しては、基本的に写真撮影ができないということになっていた。また修道院内で修行している修道士の姿を撮ってはならないと言い渡された修道院も存在した。

ぼくが思いがけず失敗して注意すべきだと感じたのは、食堂の中ですら写真撮影は禁止されているという事実だった。食堂というのは教会ではないので、何の問題もなく写真撮影してもいいだろうと考えて普通に食べ物の写真を撮っていたら修道士に注意されてしまった。ギリシャ正教の中では(他のキリスト教でも?)食堂という場所も教会の一部という認識らしい。キリスト教の文化を知らないぼくは全くそんなこと知らなかったのでものすごく意外だった。

確かにアトスの食堂の壁面は聖人の絵で満たされていて神聖な感じがするし、食事の間は必ず係の修道士が聖書を読んでいたりしたので特別な空間であるという雰囲気はあったが、まさか教会の一部という認識であるとは知らなかった。食堂は祈りを捧げる重要な教会の一部であるので写真撮影をしてはいけないというのは、日本人である自分の中の常識で考えてもちょっと思いつかない出来事だったので注意したい。

 

 

・アトスで最も大切な場所は写真撮影できないが、それでいい

アトスにはアトスでしか見られないような雄大で美しく荘厳な風景が広がっていた。そしてぼくたち巡礼者はほとんどのエリアで自由に、満足いくだけ素晴らしい写真を撮ることが許されていた。唯一写真を撮れない場所は、修道院内の教会だけだ。アトスはギリシャ正教最大の聖地で、最も重要な行為は神に祈りを捧げることだ。ぼくたちはアトスで最も重要な“教会“というエリアだけは、写真撮影することができない。

アトスの教会内は筆舌に尽くし難い神秘に満たされており、修道士が暗闇の中で神に祈りを捧げる一連の流れはまるで古代の宗教世界へと引き戻されたような圧倒的感動がもたらされる。そんなアトスの教会内部を写真として収められないというのは残念と言えば残念だが、ぼくの心の中では腑に落ちる決まりだった。本当に大切で尊い真髄は、機械を使って記録しても本質を取りこぼしてしまう。本当に大切で尊い真髄は、この肉体の瞳によって感受できればそれで十分なのだ。そして人間にとって本当に大切で尊い真髄は、機械ではなく肉体で直接受け止めなければならない。

 

 

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