断崖絶壁に建てられた海の修道院!Pantokratorosでアトスに7年間住んでいるおじさんに出会った
・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ
・首都カリエスからPantokratoros修道院まで歩いて巡礼した
・Pantokratoros修道院内部の荘厳で魅力的な世界
・Pantokratoros修道院でお祈りが終わるのを待つ
・Pantokratoros修道院では異教徒も正教徒と同じ机で食べることができた
・Pantokratoros修道院の夕食と美味しい手作りジャム
・Pantokratoros修道院のファーザーはどこ?
・Pantokratoros修道院の宿泊部屋は至ってシンプル
・驚愕!Pantokratoros修道院で7年アトスを巡礼しているおじさんに出会った
・Pantokratoros修道院の若々しいファーザー
・Pantokratoros修道院のお土産屋さん
・Pantokratoros修道院から見えるStavronikita修道院とアトス山の風景への憧れ
目次
- ・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ
- ・首都カリエスからPantokratoros修道院まで歩いて巡礼した
- ・Pantokratoros修道院内部の荘厳で魅力的な世界
- ・Pantokratoros修道院でお祈りが終わるのを待つ
- ・Pantokratoros修道院では異教徒も正教徒と同じ机で食べることができた
- ・Pantokratoros修道院の夕食と美味しい手作りジャム
- ・Pantokratoros修道院のファーザーはどこ?
- ・Pantokratoros修道院の宿泊部屋は至ってシンプル
- ・驚愕!Pantokratoros修道院で7年アトスを巡礼しているおじさんに出会った
- ・Pantokratoros修道院の若々しいファーザー
- ・Pantokratoros修道院のお土産屋さん
- ・Pantokratoros修道院から見えるStavronikita修道院とアトス山の風景への憧れ
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・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ
2017年に偶然「孤高の祈り ギリシャ正教の聖山アトス」という写真集を見かけて衝撃を受けた。ギリシャ正教の辺境の聖地アトスでは何と1406年から今に至るまで女人禁制が貫かれており、一般的な世界とは隔絶された宗教世界の中で黒ずくめの衣装を纏った僧侶たちが自給自足の生活を営みながら祈りに専念しているのだそうだ。神秘的で美しく荘厳なアトスの写真の数々を目にしたぼくは、せっかく男性の肉体を持ちながらこの世に生まれ着いたことだし、世界一周の旅の中で絶対にギリシャのこのアトスへと立ち寄ろうと直感的に心に決めた。
・首都カリエスからPantokratoros修道院まで歩いて巡礼した
首都カリエスから歩いて巡礼し、ようやくPantokratoros修道院に辿り着いた。グーグルマップに載っている道が実際にはなかったりして若干迷い、ゆっくりのんびり歩いていたのもあって所要時間は3時間ほどかかった。
Pantokratoros修道院はアトス東海岸沿いに位置する断崖絶壁に建てられた絶景の修道院だった!やっと着いたと思った矢先に、また海から修道院まで登っていかなければならないので大変だった。
アトス1泊目のZografou修道院では修道院専用のミニバスに乗せてくれたので、到着してからスムーズに案内してくれたしおもてなしを受けることもできたが、今回はたった1人で歩いて来てしまったので、修道院に着いたらまず誰にどのような手続きをしなければならないのか謎だった。泊まってもいいという許可のメールをもらったが、そもそもその予約もきちんと修道院内で共有された情報なのだろうか。何はともあれ誰かに尋ねるしかないだろう。
・Pantokratoros修道院内部の荘厳で魅力的な世界
他の修道院と同じく、Pantokratoros修道院は頑丈な城壁に囲まれた立派なお城のようだった。そして入り口から中に入ると、まるでヨーロッパの小さな村を訪れたような美しい風景が繰り広げられていた。アトスの修道院はどこも魅力的で素晴らしく、訪れてよかったと感じる場所ばかりだった。
・Pantokratoros修道院でお祈りが終わるのを待つ
しかし気がかりなことは、修道院に誰も人が見当たらないということだった。ぼくが到着したのは16時30分頃。どうして誰もいないのだろうと不安になったが、どうやらお祈りの時間だったらしい。教会内に修道士も巡礼者もみんな留まってギリシャ正教の祈りを捧げているのだろう。
巡礼者も真面目な人ばかりではなく、お祈りの時間であっても教会にいないで外で談笑している人も珍しくなかった。彼らの話しかけ、事情を話すと、今はお祈り中だから終わったらファーザー(神父さん)に話してあげるよと言ってくれたので、ぼくもお祈りが終わるのを気長に待つことにした。お祈りを見学しようにもどれが教会の建物なのかよくわからないし、Zografouでの出来事のように異教徒がギリシャ正教の祈りを見てもいいのかダメなのかよくわからなかったからだ。
・Pantokratoros修道院では異教徒も正教徒と同じ机で食べることができた
しばらくして人々が教会と思われる建物から一気に出てきて、食堂へ向かった。ぼくも急いで食堂へ付いて行き、右も左もわからない状態で黒い衣装をまとった修道士に「今晩泊めてほしいのですが」と伝えると、まずはご飯を食べるように促され、席に案内された。
ぼくが案内されたのはギリシャ正教徒である他の巡礼者たちと同じ机だったので安心した。Zografou修道院では異教徒だからということで、1人だけ別の机に座らされて寂しい思いをしたが、Pantokratoros修道院では食事の席でギリシャ正教徒と異教徒を全く区別していないようだった。
・Pantokratoros修道院の夕食と美味しい手作りジャム
食事のメインはこれまでに食べたこともないようなスープだったが、トマトペースの液体の中にパスタを細かくしたような粒々がいっぱい入っていた。この粒々が栄養素的には炭水化物になるのでエネルギーが付きそうだ。パンやオリーブ、そしてデザートの林檎も添えられている。
特筆すべきはフルーツのジャムで、どうやら修道院で作っているようだった。最初はお皿に乗っている鈍い色のこの物体がジャムだと気付かずに、何か得体の知れないものだと感じていたので食べないままで放置していたのだが、向かいの席の巡礼者にとても美味しいジャムだよと勧められたので食べてみると本当に美味しかった!このジャムのおかげでたくさんパンを食べることができた。
・Pantokratoros修道院のファーザーはどこ?
夕食が終わるとみんな部屋へと帰っていくが、ぼくはまだ泊まる部屋へと案内されていないので困惑した。食事を片付けている修道士に聞いても、食事係なので部屋のことはわからないという。仕方なくまた手当たり次第にそこらへんにいる巡礼者に聞きまくって、何とか部屋へ辿り着こうと努力した。
アトス巡礼の旅は、本当にこういうことが多い。仕組みが全くわからないので誰かに質問するも、なかなか明確な答えに行き着かずに途方に暮れてしまうのだった。謎多きアトス巡礼の旅は何もわからずに迷ったり、戸惑ったり、彷徨ったりする頻度が他の旅に比べて格段に多かった印象だ。しかしそれもまた異国の旅らしいと言えるのだろうか。
そもそも部屋へ案内されるためにはファーザーを探すべきなのだろうが、たくさん修道士がいる中でどれがファーザーなのか全くわからない。みんなお髭のおじさんやおじいさんなので、はっきり言ってみんな“ファーザー”という風格を醸し出しているからややこしい。わかりやすいように「ファーザー」という名札でも付けていてほしい。
・Pantokratoros修道院の宿泊部屋は至ってシンプル
結局ファーザーが見つからずに休んでいると、60代くらいのギリシャ人巡礼者のおじさんに声をかけられた。おじさんは英語は話せずドイツ語しか無理だということで、ぼくは大学時代に一般教養で学んだドイツ語の知識を何とか思い出し、辛うじておじさんと会話をした。おじさんはぼくを部屋まで案内してくれようとしているようで、疲れ果てていたぼくはありがたく付いていくことにした。
おじさんの部屋は地下にあり、ベッドがまだ空いているということだったのでぼくはその部屋に滞在することにした。ファーザーに断っていないが、メールで泊まっていいと言ってくれているので別に問題ないのだろう。Zografou修道院の部屋と比べると簡素な印象だが、それでも寝られるベッドがあるだけで十分だった。それぞれのベッドの上にタオルまで2つ用意してくれてありとてもありがたい。聞くとホットシャワーも出るということだったので安心した。
・驚愕!Pantokratoros修道院で7年アトスを巡礼しているおじさんに出会った
ドイツ語しか話さないギリシャ人のおじさんと話していると、驚愕の事実が発覚した!何とおじさんは7年間もアトスを巡礼しているというのだ!おじさんは心臓に病気を持っているので働くことができずに、お金も稼げないし食べ物も買えないから、アトス中の修道院を回って毎日ご飯とベッドをもらっているのだそうだ。
アトスにそんな使い方があるなんて!確かにアトスの修道院では毎日ご飯も出てくるしベッドも提供してくれるし、病気をして働けない人にとっては救いとなるのかもしれない。アトスは労働不可能で生きられない人々に慈悲をもたらすという、意外な社会的役割も担わされているのだろうか。おじさんの入山許可証を見せてもらうと、確かに1年間有効と書かれていた。ギリシャ正教徒なので1年間の入山許可証が手に入るのだろうか。この入山許可証を7回もらい、これまでアトスを巡礼しながら生き延びてきたのだという。
そんな人がいるなんて思いもよらなかったので衝撃だった。実際にアトスに来たからこそこのようなおじさんとも巡り会えるし、世界には様々な種類の人々がいるのだということを思い知らされる。というかギリシャには生活保護のような制度はないのだろうか。それともこのおじさんは敬虔なギリシャ正教徒で、好きでアトスを巡回しているのだろうか。謎は深まるばかりだが、ドイツ語でそこまで聞ける能力をぼくは持ち合わせていなかった。
・Pantokratoros修道院の若々しいファーザー
ベッドも確保し修道院内を見学していると、やっと目の前にファーザーが登場した。遅いわ!ファーザーは他の修道士に比べてもとても若く見え、ファーザーという感じのしない人だった。ファーザーは年長だからとか年寄りだからなるというものではないらしい。優秀な人や人望が厚い人がなるものなのだろうか。
ファーザーはとても優しく、明日泊まるところが決まっていないなら明日もここにいてもいいよと言ってくれた。そういえば明日宿泊する修道院はまだ決まっていないのだった。お気持ちは非常にありがたかったが、アトス滞在は3泊4日しかないのでやっぱり同じ修道院に泊まるより別の修道院も体験してみたかった。明日はどこの修道院へ行こう。ついに予約が取れないまま、直接修道院を訪ねて泊めてもらえるようお願いする日が来たようだ。
・Pantokratoros修道院のお土産屋さん
どこの修道院にもお土産屋さんのようなものがあって、それは大抵食事の後で巡礼者のために開かれるようだ。ここPantokratoros修道院のお土産屋さんは広く、アトスで作ったワインや蜂蜜、夕食に出てきたフルーツのジャムなども並んでいた。せっかくアトスに来たのだから欲しいものばっかりだったが、ぼくはこれからギリシャの島々をめぐる旅をする予定だったので、なるべく重い荷物は持ちたくないと考え買うのを我慢した。もしもこれがアトスだけを訪れる旅行だったなら、たくさんのお土産を買ったことだろう。
・Pantokratoros修道院から見えるStavronikita修道院とアトス山の風景への憧れ
Pantokratoros修道院は海の断崖絶壁の上に建てられているので眺めも非常によかった。海の遥か向こうには、隣の修道院であるStavronikitaが見えた。そしてその後ろに聳え立つのは、聖なるアトス山!しかしこの日は曇りだったので、アトス山がほとんど隠れてしまっていた。もしもアトス山が綺麗に見えたなら、美しいStavronikita修道院とのコンビネーションが素晴らしい絶景の写真が撮れるに違いないのに!
ぼくはこの時悔しくて仕方がなかった。このPantokratoros修道院を訪れることなんて一生のうちで今日だけだろう。それなのにStavronikita修道院から眺めるStavronikita修道院とアトス山の絶景をこの目に焼き付けることができないなんて!明日の天気も曇りなので、アトス山は見えないだろう。この一生でまたStavronikita修道院を訪れることなんてあるのだろうか。Stavronikita修道院とアトス山の絶景を眺めるためだけでも、ぼくはまたPantokratoros修道院へ戻ってきたいと強く感じた。
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