アトスの修道院には豊かな作物がいっぱい!!!!!
葡萄や林檎に蜂蜜やお茶も!ギリシャ正教最大の聖地アトスの修道院では自給自足の豊かな生活が営まれていた
・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ
・アトスでは自給自足の生活が営まれているというのは本当か?
・Iviron修道院にはアトスの高山茶と自給自足の蜂蜜があった
・アトスの自給自足!Iviron修道院には葡萄や林檎や柿の畑まであった
・Iviron修道院裏にある古代の水道橋が美しかった
・Iviron修道院の漁師役の修道士
目次
・女人禁制のギリシャ正教の聖地アトスへの憧れ
2017年に偶然「孤高の祈り ギリシャ正教の聖山アトス」という写真集を見かけて衝撃を受けた。ギリシャ正教の辺境の聖地アトスでは何と1406年から今に至るまで女人禁制が貫かれており、一般的な世界とは隔絶された宗教世界の中で黒ずくめの衣装を纏った僧侶たちが自給自足の生活を営みながら祈りに専念しているのだそうだ。神秘的で美しく荘厳なアトスの写真の数々を目にしたぼくは、せっかく男性の肉体を持ちながらこの世に生まれ着いたことだし、世界一周の旅の中で絶対にギリシャのこのアトスへと立ち寄ろうと直感的に心に決めた。
・アトスでは自給自足の生活が営まれているというのは本当か?
ぼくが「孤高の祈り ギリシャ正教の聖山アトス」の文章を読んでいて特に印象に残った点は、アトスでは閉ざされた聖域の中で修道士たちが自給自足の生活を営んでいるということだった。それはぼくも人里離れた日本昔ばなしのような美しい風景の中で、自分自身で作物を育てたり鶏を飼ったりして自給自足の生活をしてみたいなぁという憧れが昔からあったからだ。
なぜこのような憧れが自分の中に生じたのかは全くわからないが、人間や物質が集合した都会の中で暮らすよりも誰も辿り着けない辺境で大自然と向き合いながら生きていきたいという感性を持っていたのは事実だった。その感性は実現され宮古島や与那国島のような秘境で琉球諸島の碧く壮大な海と交わり合いながら生きたこともあれば、今のようにその真逆に東京や大阪を行き来しながら大都会の雑踏の中を生き抜いている時期もある。何ともメリハリが利きすぎて訳のわからない人生だが、何はともあれアトスにはぼくの生き方の理想に近いような風景が広がっているのではないかとぼくの中で予感されたのだった。
しかし実際にアトスに来てみてZografou修道院やVatopedi修道院、Pantokratoros修道院を訪れみても自給自足しているような様子は見当たらない。それぞれに1泊したくらいではその修道院やそこで暮らす修道士の人々の生活の全貌が明らかになるはずもないことは承知の上だったが、それにしてもあまりにも自給自足の気配が感じられないので、本当にアトスでは自給自足をしているのだろうかと疑問に思ったほどだった。
・Iviron修道院にはアトスの高山茶と自給自足の蜂蜜があった
しかしその後で泊まったIviron修道院で、ぼくはついにアトスの修道士の自給自足の生活を目の当たりにすることになった。それはIviron修道院には日本人修道士のTさんがいて、ぼくに色々とアトスの修道士の生活を紹介してくれたことがきっかけだった。やっぱりちょっと訪ねて泊まってみただけではその修道院の本当の姿はわからず、実際に修道士の人と仲良くなって修道院の奥深くまで入り込んでみて初めてわかることが沢山あるなぁと、ぼくは今回のIviron修道院滞在で思い知らされた。
ぼくが最初にIviron修道院で自給自足の気配を感じたのは、お話をするために夕食の後でティータイムに招待された時のことだった。そこは修道士が暮らすための建物で、何もわからない日本人のぼくからすれば本来ならば立ち入れるはずもないエリアだ。そこでいただいたお茶が、何と実際に修道士がアトスで採ってきた高山茶だというのだった!
ぼくは世界一周をしていても常にお茶を持ち歩きたいと思っていたほどのお茶好きなので、当然アトスの高山茶にも興味があった。一度テッサロニキのスーパーマーケットでギリシャの高山茶を買ったことがあったのだが、砂糖が大量に入っていてお茶本来の味がわからないのが残念だった。しかし今回は砂糖なしの純粋なギリシャ高山茶の味を楽しむことができ、日本や中国や台湾のお茶とは全く違う茶葉の見た目や独特の酸味があると感じられた。
しかもここではよく蜂蜜を入れながらお茶を飲むとTさんに教えられ、ぼくは生まれて初めてお茶に蜂蜜を入れて飲んだが、なるほど酸味と甘味が調和してとても美味しく感じられた。なんとこの蜂蜜も、Iviron修道院で自給自足で採れたものだというから驚きだ!「蜂蜜作るなんてすごいですね〜!」とぼくが興奮気味にTさんに話すと「う〜ん、まぁ蜂に働かせるだけだからね〜」と冷静な答えが返ってきた。蜂蜜って蜂に働かせるだけでそんなに簡単に採れるものなのか!ぼくは今までの人生で蜂道がどうやってできるのか、どうやって採れるのか深く考えたことがないことに気がついた。
・アトスの自給自足!Iviron修道院には葡萄や林檎や柿の畑まであった
次の日はTさんが空き時間があるということで、ありがたいことにIviron修道院周辺を案内してくれた。前日にもぼく1人だけで色々散策したつもりだったが、Tさんが案内してくれるとそこには自分1人では到底見つけられなかった様々なエリアが次々に出てくることに驚きを隠せなかった!Iviron修道院ってこんなにも広く、そして深いのか!海のエリアから畑のエリア、山のエリアに、裏には古代の立派な水道橋の遺跡まで残されていて圧倒された。自分だけでは全く見つけられなかった数々の美しい独自の風景が、Tさんの案内によって切り開かれていくのだった。
まず驚いたのはその畑の作物の豊富さだった。ぼくが訪れた10月には葡萄や林檎、柿まで成っていて感動した。葡萄はきっとキリストの血であるワインを作るのに用いられるのだろう。柿なんて東アジア的な地味な作物だと思っていたのにまさかこんなギリシャの辺境で見られるなんて、柿が有名な和歌山県出身のぼくは驚きを隠せなかった。夕食にも朝食にもよく林檎が出てくるが、それがまさか修道院の裏の畑で採れたものだったなんて!アトスで自給自足が行われているというのは紛れもない事実だと、ぼくは古代なIviron修道院の畑を見て思い知らされた。
さらに畑にはなぜか美しい赤やピンクの薔薇まで咲く乱れていて、美味しい作物もあり華やかな花々もありまるで天国に来たみたいだった。畑の向こうには青々としたエーゲ海が煌めきを放っている。
・Iviron修道院の漁師役の修道士
海のそばには漁師のための古屋もあった。Iviron修道院には何と漁師係の修道士もおり、彼が漁に出かけて魚を獲ってきてくれるというのだった。海の豊かなアトスらしい修道士の役割だ。
・Iviron修道院裏にある古代の水道橋が美しかった
葡萄の成るトンネルをくぐると、そこには世界遺産に登録されていると聞かされたも不思議に思わないほどに立派な古代の水道橋が!こんなに素晴らしく巨大な遺跡でさえ、自分1人で歩いていた時には見つけられなかった。やっぱりその土地のことを知り尽くした人に案内してもらうと、見えてくる景色が全然違うなぁと感心した。こんなに美しい水道橋を訪れる人は誰もおらずただあたたかな木漏れ日の光が踊っている。ぼくはこの水道橋の風景が気に入り、ずっとここに座っていたいと願った。
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