日本昔ばなし「島になったおばあさん」の舞台!アイヌ伝説の島とカムイヌプリを快晴の摩周湖でこの目に焼き付けた

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突然ですが昔話を始めます。昔むかしあるところに…。

日本昔ばなし「島になったおばあさん」の舞台!アイヌ伝説の島とカムイヌプリを快晴の摩周湖でこの目に焼き付けた

・日本昔ばなしにもなったアイヌの伝説「島になったおばあさん」のあらすじ
・2018年6月、ぼくは何も見えない霧の摩周湖を訪れた
・おばあさんの島も、山の神カムイヌプリも、美しい摩周湖も全部見えた!

・日本昔ばなしにもなったアイヌの伝説「島になったおばあさん」のあらすじ

昔むかし、北海道ではアイヌの人々はコタンという集落を作って暮らしておりました。ある年のこと、獲物不足がもとで、コタン同士の戦さが始まりました。コタンの酋長のエカシはその戦さで命を落としてしまいます。

 

 

残された幼い息子のトンクルとそのおばあさんは、敵から逃れるために森深く進みます。エカシの血縁であるふたりは、敵に見つかればたちまちに殺されてしまうでしょう。おばあさんはトンクルを守るため、必死に敵から逃げます。しかし、父親が殺されたと悟ったトンクルは、敵を打つと言っておばあさんが止めるのも聞かずになんと敵のもとへ戻って行ってしまいました!ひとりぽっちになったおばあさんは、必死にトンクルをさがし回りますが一向に見つかりません。

 

 

身も心もボロボロになってしまったおばあさんは、ある湖へとたどり着きます。そこで、山の神カムイヌプリに出会いました。

 

 

「オラの孫を知らないですか」「知らぬ。しかしなぜそのように疲れた様子をしているのだ」

おばあさんはその一部始終を聞かせました。カムイヌプリは気の毒に思い、目に涙をいっぱいに浮かべながらおばあさんに尋ねます。

「おばばよ、なぜ人間はそのように憎み合い殺し合うのか、お前はわかるか」「わかりません」
「そこは寒い、手の中で休んでいくがいい」「おおもったいないことで、ありがとうございます」

 

 

カムイヌプリの手の中はあたたかく、おばあさんは安らかな気持ちになりました。そして、つくづく争い合う人の世が嫌になりました。

「…わたしは、島になりたい。そしていつまでもこの湖においてください。ここでわたしはトンクルを待ちます」

 

カムイヌプリはおばあさんの願いを聞き入れ、おばあさんは島になりました。この湖に人が来ると、トンクルが来たと思っておばあさんが泣くように、湖には雨が降り、雪が降るという。

 

 

・2018年6月、ぼくは何も見えない霧の摩周湖を訪れた

ぼくは日本昔ばなしで見たこのアイヌの伝説「島になったおばあさん」の物語が大好きだった。アイヌ民族であろうと日本民族であろうとどの世界の民族であろうと、昔から戦が絶えず殺し合うということは同じであり人間の習性のようだ。ぼくはこのアイヌの戦の悲しい物語に、人間としての普遍性を感じる。

またおばあさんが島になってしまうという、その発想が素晴らしい!普通人間が島になるなんて、思いつくことができるだろうか。おばあさんは人間という有機体で、島というのは無機物だ。しかし昔むかしの人々は山には心を持った山の神様が、川には心を持った川の神様がいると信じていたので、もしかしたら有機体と無機物の間の境界線が今を生きるぼくたちよりもはるかに薄弱だったのかもしれない。実際にこの物語に出てくる「カムイヌプリ」も山の名前で、会話もできて心もある山の神様として登場している。

また悲しみと絶望のあまりおばあさんが自ら「島になりたい」と山の神にお願いしたのもとても新鮮だ。今の時代だと生きるのが究極的につらい時、人はどうするのだろうか。死にたいとか自殺したいとか思ってしまうのだろうか。しかしおばあさんは「島になりたい」と言ったのだ。今の時代で生きるのがつらすぎるから「島になりたい」とのたまえる人がいるだろうか。ぼくはこの絶望の淵に立たされたおばあさんの「島になりたい」という情緒ある感性に感動したのである。

ぼくはこの「島になったおばあさん」の物語が大好きだったが、北海道に全然詳しくないのでこの物語の舞台がどこなのか全然知らずに、ただ”北海道の昔ばなし”としてこの物語を楽しんでいた。しかし以前知床半島に旅行に行った際、釧路へ行く途中でどこか適当に立ち寄ろうと思い、よくわからないが途中の「摩周」という駅で降りてみた。そして地元の人に勧められるままに摩周湖に偶然立ち寄ったのだが、まさかのここが「島になったおばあさん」の舞台だったとは驚いた!ぼくはずっと憧れていた「島になったおばあさん」の物語の舞台に、知らず知らずのうちにたどり着いてしまったのだった!

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しかしその時はあいにくの霧模様で、おばあさんの化身と言われる島を見届けることはできなかった。物語の最後にも言われていた通り、摩周湖は人が来ると孫のトンクルが来たと勘違いしておばあさんが泣くから、雨や雪や霧がとても多いのだそうだ。霧がとても多い場所なので、観光客がきちんと美しい摩周湖を見られる頃合いを見計らって訪れられるように、摩周湖にはライブカメラが付けられていて、インターネット上でいつでも摩周湖の様子を見られるらしい。なんと便利な仕組みだろう!

 

 

・おばあさんの島も、山の神カムイヌプリも、美しい摩周湖も全部見えた!

ぼくが初めて摩周湖を訪れたのは2018年6月。そこから世界中を旅して、2020年9月にもう一度摩周湖を訪れる日がやって来た!「日本海沿いを北上する旅」「太平洋沿いを南下する旅」=日本一周の旅の途中で摩周湖付近を偶然通りかかったのだ。今度こそぼくの大好きな「島になったおばあさん」の物語の舞台である摩周湖をきちんと見渡してみたい!島になったおばあさんもこの目で見てみたいし、山の神様であるというカムイヌプリの山も見られれば最高だ!

この日はとても気持ちのよい快晴だったのできっと美しい摩周湖を全て見渡せるだろうと楽観的な気持ちで、特にインターネット上のライブカメラもチェックせずに摩周湖を訪れた。

 

 

見えたー!!!!!晴れ渡る美しい摩周湖!!!!!

 

 

そしてアイヌのおばあさんがなったと言われる小さな島!前来た時は全然見えなかったよ!

 

 

さらにカムイヌプリの雄大な山!!!!!これが山の神かー!

 

摩周湖全体も、おばあさんの島も、山の神カムイヌプリも、全部全部見られた贅沢な旅となった!

 

 

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