スペイン巡礼19日目!カミーノで最も美しいレオンの大聖堂とたったひとりの巡礼

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スペイン巡礼で最も美しい教会がここに!

スペイン巡礼19日目!カミーノで最も美しいレオンの大聖堂とたったひとりの巡礼

・たったひとりの巡礼と初めての雨
・レオンのアルベルゲと中華料理屋さん
・スペイン巡礼の旅で最も美しかったレオンの大聖堂
・美食の街レオンで食べたエビとホタテ
・ガウディ建築のカサ・ボティネス
・イランはいつもぼくの胸の中に

・たったひとりの巡礼と初めての雨

 

朝目覚めると、そこにてらちゃんの姿はなかった。レシートの裏に書き留めた、たったひとつの置き手紙を残して…。

一緒にカミーノを歩いている友人のてらちゃんは、ぼくの統計によると3日に1回くらいの割合でひとりで歩きたがる発作の時間帯が訪れる。その時が訪れると巡礼の途中で本当に突然にsuddenlyで置き去りにされることもあるし、「ちょっとひとりで歩いてもいい?」と尋ねるやいなやひとりで歩くために突進して進んでいることもあるのだが、このような朝起きたら突然いなくなるというのは完全なニューパターンだ。よほど大きな発作が起きたのだろう。

 

というわけで、たったひとりでレオンまでの巡礼の旅が始まった。と言ってもMansilla de Las Mulaからレオンまでは20kmにも満たないとても短い巡礼路だったので、正午ごろにはレオンに到着して宿でてらちゃんと合流した。

この日はこの巡礼の旅ではじめての雨の日!歩き始めた日は頃はまったく降っていなかったが、途中でポツポツと降り出し、次第に雨足は強まりついにはレインコートを取り出さざるを得ないほどになった。6月の初夏のスペイン巡礼なんて晴天ばかりだろうと、なんの根拠もなく思っていたもののイタリア・バーリのデカドロンというスポーツ用品店で渋々購入したレインコートがついに役立つ時が来た!

このレインコートは登山用のようであり、背中の方に極めて広い空間が設けられ、バックパックをそのままレインコート内にすっぽりと納められる構造になっている。これだとわざわざバックパック用のレインカバーを取り出して被せなくてもいいのでとても便利だ。しかも20ユーロくらいでお買い得だった。デカドロンはヨーロッパでは有名なスポーツ用品店らしく、日本のものとは比較にならないくらい安いので助かった。ひとりでレインコートをバックパックに納めるのは至難の技だったが、困っているとありがたいことに道行く巡礼者のおばちゃんが手助けしてくれた。巡礼の旅は、ささやかで素朴で人間的な助け合いで成り立っている。

はじめての雨の中を、レインコートを着ながらひとりゆっくりと進んでいく。はじめての形態の置き去り、はじめての雨で久々に新鮮な心地のする巡礼路だ。これまで特に困ったことのなかったサンダルも雨だと水が隙間から入ってきて不快だったが、夏なので寒いと凍えることもなく足が濡れてしまったなぁという単なる不快な気持ちだけで終わり巡礼は続けられた。しかし合わない靴を履いてマメを作りながら巡礼することに比べたら、やはりサンダルでの巡礼を選択してよかったと感じる。

 

 

・レオンのアルベルゲと中華料理屋さん

 

レオンはブルゴス以来の久々の都会だ。この日は6ユーロのアルベルゲBENEDICTINAS SANTA MARIA DE CARBAJAL ALBERGUEに宿泊した。朝食込みWi-Fi良好。安いが人数がものすごく多いので、なんだか収容所で暮らしているような気分だった。

 

てらちゃんと宿で再開し、お昼は都会ならではの中華料理屋さんへ赴いた。やはり中華料理はすごい。どのような国にいても一定の質の美味しいアジア料理を提供してくれる。BGMも中島みゆきの「ルージュ」が流れていたりと、スペインのこんなところで中島みゆきに出会えたことに感動する。おそらく「容易傷心的女人」というルージュのカバーがアジアでかつて大流行したことが影響しているのだろう。

中華料理屋さんで美味しい焼うどんのと小籠包のようなものを食べたあと、レオンのカテドラルへ向かった。

 

・スペイン巡礼の旅で最も美しかったレオンの大聖堂

 

正直ブルゴスの大聖堂は7ユーロの入場料を払って見るほどではないと感じるものだったので、レオンのカテドラルも乗り気ではなかったが、一応レオンも世界遺産だといういうことで、キリストの巡礼の道を歩いているということもあり訪れてみることにした。入場料は6ユーロで、こちらはブルゴスとは違い巡礼者用の割引料金はなかった。この大聖堂が意外や意外、この巡礼の旅で見た中でも最も美しく荘厳なカテドラルだった。

 

美しかったのはなんといってもステンドグラスである。可能な限り極限まで暗い大聖堂の中に、美しいステンドグラスが四方八方に広がって色鮮やかに光輝いている。暗黒の中でこそ放たれるステンドグラスの美しき光。暗黒の中でこそ際立つステンドグラスの多様性に満ちた鮮やかな色彩。暗黒とステンドグラスの対照が強烈で麗しく、ぼくの心をとらえて放さなかった。これまで数々の巡礼路の教会にお邪魔してきたが、間違いなく最も麗しく最も感動的だったのは、ここレオンの大聖堂だった。

それでも巡礼路の途上には、壮大であるという次元からはかけ離れた素晴らしく深い味わいを持った素朴な教会が多数存在している。素朴な村々でそれらを見学するだけという点だけでも、通常の旅行では絶対に立ち寄らない北スペインの辺境の世界を体験できる巡礼をする価値は大いにある。

 

・美食の街レオンで食べたエビとホタテ

レオンは美食の街で有名らしい。なんとワインをひとつ頼むだけで食べ物が付いてくるので、飲み歩いているだけでお腹いっぱいになるというのだ。ぼくたちはそれが本当かどうかをためしたくて、早速あるひとつのバーに入った。

バーに入って席に着いて、サングリアとレモンビールを頼んでみる。すると本当に頼んでもいないポテトチップスが付いてきて、なんとそれは無料だった。それだけ頼んで店を出ようとすると、店員さんは席に着いたのだから何か食べ物を頼まないと困るという。この店は席に着いたら必ず食べ物を頼まなければならない仕組みだったらしく、飲み歩いているうちにお腹いっぱいになればいいのにと思っていたぼくたちの野望はあえなく打ち砕かれた。

ぼくたちは仕方なく、エビとホタテの料理を頼んだが、これが信じられないくらいに美味しかった。そもそも今までホタテの料理などスペインで見たこともなく、巡礼者の証として与えられるホタテ貝の中身はどのように処理されているのか気になっていたが、このようにきちんと食べられる店もあるようだ。味付けも量も大満足で、さすが美食の街レオンだと心の中で賞賛した。飲み歩きの夢は達成できなかったが、このように美味しい料理にありつけたので悔いはない。

 

・ガウディ建築のカサ・ボティネス

レオンの街を散策していると、急にガウディ建築が出現したのでビックリ!レオンに残るこのガウディ建築はカサ・ボティネスと呼ばれ、今は銀行の本社として使われているらしい。美しいキリスト教会に美味しいご飯にガウディ建築…レオンはスペインの楽しさを凝縮させたような素敵な街だ。

 

 

・イランはいつもぼくの胸の中に

 

雨の中のレオンで、とても素敵なアクセサリーを見つけた。美しい色彩の不思議な幾何学模様。西洋か、東洋か、あるいはそのどちらもが入り混じっているような神秘的な模様に、ぼくはすぐに直感でイラン的なものだとわかった。実際にイランの旅でこのような美しい模様のお土産やさんを見たことがあり、そして逆にイランでしかこのような種類の作品を見たことがなかった。店員のおじさんに、これはイランから輸入してきたものですかと尋ねると、おじさんはイランのエスファハーン出身でおじさんがこのイラン的なアクセサリーを作っているということだった。

思えばこの旅は南イタリアの冒険から始まり、ローマからシチリアまで行きそこからフェリーで南フランスまで航海し、さらに人生2度目の南仏プロヴァンスの旅を経て、スペイン巡礼を開始しし今に至るが、何ひとつお土産物を買っていなかった。ぼくは元来の性質として、旅行の際にもあまりものを買わず、本当に美しいと感動したり素晴らしいと心震わせるものしか手に取らなかった。それゆえにこれまでも全くお土産物を買わずに、それで荷物も軽く済みお金の節約もできていたわけであるが、ここへ来てやっと心から欲しいと思えるものに巡り会えた。

 

ネックレスはひとつ25ユーロ。決して安い買い物ではないが、こういうその土地その土地の感性を活かしたオリジナルの創造物はいつもぼくを惹きつける。ここはイランではなくスペインであり、ぼくはスペイン巡礼をしているのであってイランとは全く関係のない身の上だが、ぼくの心はレオンの街角で完全にイランへと導かれ運ばれてしまった。イランはぼくをいつも美しい思い出の世界へといざなってくれる。好奇心旺盛で心からあたたかな人々、この世のものとは思えない美しいイスラム建築の数々、異国情緒漂う神秘的なバザール…イランの全ての思い出は、今もぼくの中で鮮やかに行き続けており、ぼくの胸の中にはいつもイランがあるのだった。

イランの美しき鏡の予言!無意識下の創造はやがて来る未来を暗示する【1/2】

思えばイランが関わってしまえばぼくは高価なお土産を買ってしまう癖がある。とても変わった変な癖だが、前回のシベリア鉄道の旅でチェコのプラハを訪れた時もそうだった。プラハのお気に入りのガラス屋さんで働いていた人がたまたまイラン人で、ぼくはその人から高価で美しいボヘミアングラスの器を買ってしまったのだった。その買い物は、シベリア鉄道の旅の中で最も高い買い物となった。そして今回も、イランのおじさんが自ら作ったというその不思議なネックレスを買ってしまった。

ぼくが旅に出る理由3:美しさでつながり合うもの

最初は1つだけ買う予定だったが、全てを眺めて吟味しているうちに3つのネックレスが手元に残った。それは、豊かな大自然、砂漠の中のオアシスを表したようなグリーン、炎のようにでどこか東洋的な感性が醸し出される赤い楕円、そしてエスファハーンの広大な美しいイスラム建築の広場を思い出させる青い幾何学模様。ぼくはそれらの3つを見ているうちに、いつの間には初代ポケモンの、フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメを見ているような気持ちになり、どうしても3つ買わなければ気が済まなくなってきた。結局、75ユーロのところを70ユーロにまけてもらってイランのネックレスを3つも買ってしまったのだった。

スペイン巡礼の思い出が、イランのネックレスとは奇妙なことだが、このようなおかしさもまた、ぼくの巡礼に特徴的な色合いを加えるものだろう。

 

 

・スペイン巡礼19日目記録

出発6時半 到着12時00分
消費カロリー640kcal 歩数32624歩
移動距離19.7km

 

 

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