アメリカ大陸で男根崇拝を発見!メキシコシティの国立人類学博物館で生殖器崇拝の普遍性と根源性に気付いた

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アメリカ大陸にも男根崇拝は存在した!!!!!

アメリカ大陸で男根崇拝を発見!メキシコシティの国立人類学博物館で生殖器崇拝の普遍性と根源性に気付いた

・ミズイロノタビのメキシコ国内の旅路
・メキシコシティの国立人類学博物館で生殖器崇拝・男根崇拝を発見した
・Sacerdotes huasteco=ワステカの司祭像
・境界に設置されたサボテン像
・オアハカの踊る人々のレリーフ
・アメリカ大陸の男根崇拝を発見!ワステカの巨大男根石像と男根専用展示
・キニチ・ハナーブ・パカルの墓の翡翠男根
・タラスカ王国のチャクモールは全裸男性
・残るはオーストラリア大陸の男根崇拝

・ミズイロノタビのメキシコ国内の旅路

ミズイロノタビの中南米を巡る旅の第1ヶ国目は、中米のメキシコだった。メキシコではオアハカの死者の日を体験した後、首都のメキシコシティ、美しい街並みで有名な世界遺産のグアナファト、ピラミッド巡りの拠点となるメリダ、世界的に有名なリゾート地であるカンクンに滞在した。メキシコの旅路を表でまとめると以下の通りだった。

訪れた都市(時系列順) 次の街への移動手段 経由地
カンクン 飛行機(LCCのVolaris)
オアハカ 長距離バス(AU)
メキシコシティ 長距離バス(ETN)
グアナファト 長距離バス(ETN)飛行機(LCCのViva Aerobus)+長距離バス(ADO) メキシコシティ、カンクン
メリダ 長距離バス(ADO)
カンクン

 

 

・メキシコシティの国立人類学博物館で生殖器崇拝・男根崇拝を発見した

ミズイロノタビでは2020年に日本一周・車中泊の旅をした際に、日本各地に生殖器崇拝・男根崇拝という祖国の信仰形態を発見して衝撃を受けた。自分の生まれ育った日本なのにまだまだ知らないことも多いと実感し、過言ではなくマジで全ての都道府県に存在するほどの勢いで男根崇拝が栄えていたので、ぼくは生殖器崇拝・男根崇拝を日本の正体を見出すための重要な一要素と位置付けた。

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しかしコロナ禍も終わり世界一周の旅を再開させると、日本だけではなく異国でも生殖器崇拝・男根崇拝が点在することがわかってきた。今までの経験だと台湾、韓国、タイ、インドネシア、カンボジア、シンガポール、インドなどのアジアに加え、古代ギリシャ、古代エジプトなどの地中海エリア、さらにアフリカ大陸ではエチオピアやマラウイなどで男根崇拝を発見した。全ての人間の生命は男根から生じていることを考慮すれば、世界中の人々が男根を崇拝しようとする根源的な情熱を持っていることは不思議ではないだろう。

今回のメキシコの旅では「死者の日」のオアハカを存分に体験した後、首都のメキシコシティへと向かい、その滞在中に訪れた国立人類学博物館で古代メキシコの男根崇拝に触れることができたので紹介しようと思う。ユーラシア大陸、アフリカ大陸に次いで、ついにアメリカ大陸でも生殖器崇拝・男根崇拝を確認できたことは世界を旅しながら生きている地球人として、人類の普遍的な価値観を見出すために非常に有意義な機会だったと感じている。

ちなみに生殖器崇拝・男根崇拝とは関係なく、メキシコシティの国立人類学博物館はめちゃくちゃ見応えがあってめちゃくちゃ面白いので、メキシコに来た全ての旅人が訪れる場所だと思う。国立人類学博物館の見所の詳細は、以下の記事でまとめた。

古代の神秘が爆発する!メキシコシティの国立人類学博物館の見所を徹底解説

 

・Sacerdotes huasteco=ワステカの司祭像

メキシコシティの国立人類学博物館で最初に男根崇拝らしきものを発見したのは、この博物館で最も有名で人気のメシカ(アステカ)文化の展示が揃っている第6室だった。そこで見かけた像がこちら。

何だか飲み会で恥ずかしい下ネタの芸をやらされている人のようだが、何と立派な人物らしい。名称としては「Sacerdotes huasteco=ワステカの司祭像」と書かれ、メキシコ湾岸地方の先住民・ワステカの宗教的な行事を行うための神官だという。ワステカの神聖な境内のいくつかの入口には、このような大きな陶器の像が置かれた。その像の生殖器部分に着用する折り畳んだ紙は、ワステカ人の豊饒の儀式を想起させるという。男根が全ての人間の生命の根源である以上、世界中どこへ行っても上を向いて勢いよく立ち上がった男根は自然と豊饒のシンボルとなっているようだ。

 

・境界に設置されたサボテン像

同じく第6室にあるこちらの不思議な像。一瞬、形状的に3つ並んだ男根像かと思ったが、実はサボテンの像らしい。解説には町と町の領域の境界線に設置されたものだと記載されている。サボテンならサボテンでとてもメキシコらしくて風情があるが、ぼくが気になったのは日本では男根像が境界線の神様として町と町の間に置かれるという風習があるということだ。男根が繁栄や豊穣の神様であることは生殖の役割から言って完全に理解できるが、男根がなぜ境界の神様になるのかという理由は深く考察しなければ導き出せない。さらに古代ギリシャでも顔と男根だけが残った不思議なヘルマという像が境界の神様として機能していた。男根=境界を支配するという思想は、日本だけではなくギリシャとも共有されていたことが非常に興味深かった。

顔と男根だけ!不思議な境界神ヘルマ像をギリシャ・トルコの考古学博物館で見まくった

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今回出会ったのはサボテンの像だと解説されているが果たして本当にそうなのだろうか、古代人に聞いたわけでもないので実際の意味や役割なんてわからないのではないだろうか、男根=境界神という感性が古代アメリカ大陸でも共有されていなかったのだろうかと疑い深く思った。

 

・オアハカの踊る人々のレリーフ

 

第7室で見ることのできる「踊る人々のレリーフ」。オアハカ近郊のモンテ・アルバン遺跡で見付かった「踊る人々のレリーフ」は実は本当は楽しく踊る人々なんかではなく、戦争で捕えられた捕虜が全裸で拷問されたり男根を切り落とされたりして苦しんでいる残酷な様子を描いているという。股間に描かれている波のようなクネクネした模様は、去勢されて血を流している様子を表現しているらしい。男根は子孫繁栄の象徴でありそれを切り落とし種を断絶することで、当時の支配者は自らの権力を誇示できたのだという。そう考えると男根崇拝とは異なるが、男根が古代社会でも重要な意味合いを持っていたことが伺える。

 

モンテ・アルバンで見た「踊る人々のレリーフ」は確かに全ての男性が去勢されていて男根がなくなっていたので恐ろしかったが、ここ国立人類学博物館では唯一男根が付いたままの壁画を発見することができた。なぜこの壁画だけは去勢されていないのか、もしかした本当にただ全裸の男性が踊るだけのレリーフなのか、謎は深まるばかりだ。

モンテ・アルバンの見所や行き方は?踊る人々のレリーフは男根を切除され流血する残酷な捕虜の彫刻だった

 

 

・アメリカ大陸の男根崇拝を発見!ワステカの巨大男根石像と男根専用展示

これまでは暗示的な男根崇拝だったかもしれないが、100%全力疾走の男根崇拝を発見したのは第8室のワステカ文化の部屋だった。ここに堂々と立派に立ち上がっていた像はこちら!

 

もはや疑いようもない、日本の神社に祀られているようなピュアな男根像だ。

 

 

しかし亀頭下部に沿って数珠状の彫刻が見られるなど、日本および世界でも見たことがない男根的表現には新鮮な感覚を覚える。

 

 

解説によると大地の豊饒に関するアイデアとして男根像は発達したとされる。古典期初期(西暦100~900 年)には粘土と石の置物で作られた男根的表現が見られ、その後の後期古典時代 (西暦900〜1250年)およびポスト古典時代(西暦1250~1519 年) には、より頻繁に男根的表現が発生した。各地の土偶には偽の男根が付いているものもある。ワステカの石彫刻における男根の造形は非常に重要だったので、男性の体の他の部分とは独立して男根を作成した。ワステカ人は性的な側面に興味を持つ集団としてアステカ人から高く評価されていた。

 

 

ボルボニック写本の最後のページの1つでは、人々は女神トラゾルテオトルまたはトチ(私たちの祖母)に捧げられた儀式の一部において、典型的な頭飾りを着用しており、片手には巨大な偽の男根が握られている。

 

 

さらにこのワステカの巨大男根石像の隣には、何とワステカの男根専用スペースが設置されていた!もはやアメリカ大陸にも男根崇拝は存在するのだということを誇示しているようでさえあった。古代メキシコには直接的で明らさまな男根崇拝は少ないようだが、その中でもこのワステカ人という民族だけは特別積極的に生殖器崇拝的な表現を重要視していたようだ。

 

 

最初に紹介したワステカの司祭像は、一体なぜここに置かれないでアステカ文化の第6室に設置されていたのだろうか。彼の居場所はまさにこの第8室の男根専用展示スペースしかないと思うが、やっぱり男根をはっきりと露出させないで隠しているのがいけなかったのだろうか。

 

こちらは男根専用スペースのやや近くにある不思議な像。これは男根というよりもむしろ、顔が逆向きになっている背中の赤ちゃんの方が気になる。

 

・キニチ・ハナーブ・パカルの墓の翡翠男根

マヤ文明を紹介している第9室では、男根と人間の死の関係性について考えさせられる展示があった。それがキニチ・ハナーブ・パカルの墓の複製だ。

キニチ・ハナーブ・パカル1世(603年 – 683年)は古典期後期のマヤの都市であるパレンケの王で、パレンケを大国に成長させ、また盛んに建築を行った。彼は12歳で王に即位し615年から683年まで統治し、歴史上最も長く統治した君主の一人となった。遺体は大量の翡翠製品で飾られ、翡翠の仮面を被っていた。

立派な王様だから遺体が美しく貴重な翡翠の仮面で覆われ、首や手も翡翠で装飾されているのはわかるが、股間にもたったひとつだけ独立して男根の形をしたような翡翠が置かれているのが興味深い、冥界での再生能力や来世の繁栄を象徴しているのだろう。エジプトでも王のミイラには冥界での再生や復活を表すために勃起した男根が供えられていたというが、古代メキシコにも同じ感性を感じた。

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・タラスカ王国のチャクモールは全裸男性

国立人類学博物館では数多くの地域や時代のチャクモール(生贄の儀式の際に心臓を置くための像)を見ることができたが、第10室のタラスカ王国のチャクモールだけは男根が付いていて全裸の男性であることが強調されているようだった。特に重要な話ではないのかもしれないが、他にはないのになぜこのチャクモールだけわざわざ男根が付いているのか気になった。

 

 

・残るはオーストラリア大陸の男根崇拝

今回古代メキシコすなわち古代アメリカ大陸の明らかな男根崇拝を発見することができ、人類は皆同じ普遍的で根源的な感性を共有しているのだということを今までよりも強く確認することができた。これでユーラシア大陸、アフリカ大陸、アメリカ大陸でも生殖器崇拝・男根崇拝をみつけることができたので、ここまで来たら残りのオーストラリア大陸でもその存在を確かめてみたい。オーストラリアなんて高校生の修学旅行以来行っていないが、果たしてアボリジニの人々は男根崇拝していたのだろうか。

 

 

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