最後の最後までトレッキングするぞー!
さようなら雨崩!感動的な秘境との別れはやっぱり尼衣への絶景トレッキング
・さようなら美しき雨崩
・下雨崩から尼衣への絶景トレッキング
・シェイミンと飛来寺への乗合バスに乗り込む
・さようなら美しき雨崩
ついに雨崩を去る日がやってきた。冰湖、神瀑、神湖、どれも忘れがたく甲乙つけがたいくらいに素晴らしかったので名残惜しいが、いつまでも同じ場所にはいられない。
・下雨崩から尼衣への絶景トレッキング
雨崩からの去り方は、来た道を戻って西当村まで行ってもいいが、尼衣(にの)というところへ行くと乗合バスがあるようなので、ぼくたちはせっかくだから違う道を行くことにした。最後まで冒険心にあふれた3人だ。
さらに言うと、尼衣までの道のりの方が圧倒的に楽だった。なぜなら、ずっと下りだからだ。本当に難易度1、誰でも気軽にトレッキングできるような道だった。
歩いていると巨大な清流にぶつかる。尼衣まではこの清流に沿って下って行くという形だ。はるか向こうには雪山がそびえ立ち、途中にはチベットの聖地だと思われる滝が出現するなど、最後まで絶景をぼくたちに見せるのをやめないのが雨崩だ。
地形を見ると、どうもこの巨大な清流が山を削り、谷を形成しているようだった。水の力、川の力は偉大である。水なんて、どう頑張っても壮大で頑丈そうな岩や土の塊であるところの山なんて動かせそうにないように見えるが、水が集結し、長い年月をかければ、弱そうな水が圧倒的に強そうな山を削り取り地形さえ変えてしまうことができるのだ。
道教の教祖である老子が、水のように生きろと言っていたのを思い出した。強そうに見える頑丈なものに惑わされてはいけない。本当に強いものとは、頑なにその形を変えることなく佇んでいる山というよりはむしろ、柔軟に形を変えて世界を徐々に変化させて行く水のような魂を持った存在だ。
次第に川が削り取った谷があからさまになっていく。本当に落ちたら命がないと思われるほどの深い谷底をすぐそばで眺めながら、ぼくたちは川沿いの道を慎重に歩く。高所恐怖症のシェイミンはこの道を歩くのをとても嫌がっていた。
しばらくすると、断崖絶壁に無理矢理に作られたような車道を発見する。久しぶりの車道!久しぶりの文明の香り!しかし車道ははるか谷の向こう側だ。どのようにして向こう側まで渡れるというのだろう。
ぼくたちは深い谷に沿いながらどこまでもどこまでも歩いた。本来ならばあちら側の車道へと到達することができればすぐに帰れそうなのに、運命はそう容易くぼくたちを帰してはくれない。谷を挟んではるか向こうに車道を眺めながらずっと谷沿いを歩いてくと、やっと小さな村が見えてきた。あれがぼくたちの今日の目的地、尼衣だ!
中国人のシェイミンが乗合バスのおじちゃんに電話をしてくれて、彼があの村で待ってくれているはずだった。
村に入ろうとしたその時、谷の下の方向から男の大声がする。なんと乗合バスが村の外の道で集まっているらしかった。ぼくたちは村に入ることなく、乗合バスに乗るために最後は谷底へと下りていくような格好で足を進めた。10時半に下雨崩を出発して、尼衣に到着したのは約14時だった。
・シェイミンと飛来寺への乗合バスに乗り込む
ぼくとシェイミンはこのまま預けた荷物を取りに飛来寺へ、昆明在住のシャオヘイはこのまま香格里拉を経て昆明へと帰るという。ずっと雨崩で一緒に過ごしてきたシャオヘイとの別れを経て、ぼくとシェイミンは同じ乗合バスに乗り込んだ。今日は人が集まらなかったらしく値段は50元。これは運なので仕方ない。行きの飛来寺から西当村までは25元だったのにね!
久々の飛来寺!今日は快晴でもしかしたら梅里雪山の全貌を拝めるかも!前回は見られなかったそのお姿を最後の最後に見せてくれー!